エスカレーター効果とは?具体例をわかりやすく解説

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編集 セオリーズ編集部

本記事は、セオリーズ株式会社の編集部が、心理学・認知科学・行動科学に関する文献や公開情報を確認したうえで作成しています。内容は一般的な知識提供を目的としており、医学的診断・治療を代替するものではありません。

エスカレーター効果とは

エスカレーター効果とは、もともとのイメージと実際とのギャップが、身体感覚や対人印象の場面で違和感や印象変化を生む現象を指す言葉です。

本記事では2つの用法を扱います。(a) 止まったエスカレーターで足が重く感じる神経科学現象(broken escalator phenomenon)と、(b) ギャップで好印象が生まれる対人心理現象(学術的にはゲインロス効果に近い)です。

ポイント
  • もともとのイメージと実際とのギャップから生じる現象
  • (a) 身体感覚(運動制御の予測誤差)と (b) 対人印象(好印象形成)の2用法がある
  • 営業・接客・対人コミュニケーションでのギャップ演出に応用される

例えば、自社商品ばかり売り込むイメージのあった営業担当者が「御社にはこちらのほうが合っています」と他社商品を勧めてきた場合、好感度が上がりやすいとされます。

エスカレーター効果の具体例

エスカレーター効果は具体例が浮かびにくいので、3つほど例を挙げます。

具体例#1
安く売るがなぜかフォローも手厚い

お昼どき、お弁当が300円で売られていたら、中身は揚げ物1〜2種類程度だろうと予想する人も多いはずです。

ところが実際にはシャケや漬け物、煮物までしっかり入っていたら、「安いはずなのに豪華」というギャップが生まれます。

このギャップが「いい意味での裏切り」となり、お弁当屋さんへの好印象につながりやすくなります。

具体例#2
契約前より契約後のほうが充実したサポートを受けられる

サービス導入の営業担当者は契約前は熱心でも、契約後は連絡が減るというイメージを持つ人は少なくありません。

ここで契約後にも担当者が「順調に導入できていますか?」と密に連絡してくると、「売れた後も顧客のことを考えてくれる」という意外性が生まれます。

直接連絡だけでなく、定期メールやニュースレターでも同様の効果が期待できます。

具体例#3
無口な人がふと気の利いた言葉をくれる

普段あまり話さない同僚や上司が、悩んでいる場面でふと気の利いた一言をかけてくれた場面を考えてみます。

「この人はあまり関心がないだろう」という予測と、実際の言動とのギャップが大きく、その人への印象が一気に好転しやすくなります。

対人関係でのエスカレーター効果は、こうした「予測の裏切り」が好意的な評価につながる典型例です。

エスカレーター効果の活用方法

商品やサービスの販売スタッフがエスカレーター効果を意識すると、これまでの具体例はそのまま実務に応用できます。

日常的な対人コミュニケーションでも、以下のポイントを押さえることで「いい意味での裏切り」を演出しやすくなります。

活用のポイント
  • 服装を変える:
    普段とのギャップで強い印象を残す
  • 思考パターンを変える:
    受け身の人が能動的に動くと意外性が生まれる
  • 表情を変える:
    普段の表情との対比が印象を強める

活用法#1
服装を変える

職場でいつもスーツを着ている人が、社外の場で私服に切り替えると、相手にとって「いい意味での裏切り」が生まれやすくなります。

普段キレイ目のコーディネートをしている人がラフな格好で現れる場合も、その人を強く印象付けるきっかけになるでしょう。

活用法#2
思考パターンを変える

行き先選びを「相手に任せる」ことが多い人が「今日は自分に任せて」と切り出した場合、相手に頼もしさを感じさせることがあります。

普段は受け身の人が主体的に動く場面を増やすと、周囲に意外性が伝わりやすくなります。

活用法#3
表情を変える

普段は表情が硬い人がふと見せる笑顔の「ギャップ」は、対人印象を一気に和らげる効果が期待できます。

逆にいつもニコニコしている人が真面目な顔を見せる瞬間も、「こういう一面もあるんだ」と相手の印象を強めるきっかけになるでしょう。

活用法#4
いい裏切りが好印象を生む

これまでの例は、エスカレーター効果による「いい意味での裏切り」が好印象につながる典型でした。

ただし、ギャップが「いい意味」になるかは受け手の感覚次第です。私服が似合わない場合は逆効果になることもあり、コントロールしにくい面もあります。

今回挙げた例は「いい裏切り」を演出しやすい具体策ですが、相手がどう反応するかを想像してシミュレートしておくことが重要です。

エスカレーター効果の関連概念

特に (b) 「思い込みとのギャップで好印象が生まれる」現象は、心理学ではゲインロス効果(Aronson & Linder, 1965)として論じられることが多い概念です。

提唱者であるアロンソンの関連法則や、印象形成・期待が結果に及ぼす効果も併せて押さえると、エスカレーター効果の理解が深まります。

エスカレーター効果の仕組み・背景

(a) 身体感覚版のエスカレーター効果(broken escalator phenomenon)は、脳の「バランスを保持しようとする」指令と、実際のエスカレーターの動き(普段と異なる停止状態)のギャップから生じるとされます。

エスカレーター現象は、脳が過去の経験から「エスカレーターは動く」という予測モデルを形成しているために起きると考えられている。神経科学では、予測符号化(Predictive Coding)という枠組みと関連して論じられることがある。

脳が「エスカレーターは動くものである」と認識している以上、目の前のエスカレーターが止まっていても、人間は無意識にバランスを取ろうとしてしまう。これが違和感の主な仕組みです。

解釈#1
エスカレーター効果の一般的な解釈

エスカレーター効果は、その内容が転じて「思い込みによって生まれる違和感」という意味でも使われます。これが (b) 対人印象版の用法です。

家電量販店で「スタッフは店頭の商品を肯定的に勧めてくる」と思い込んでいる人に、「お客様の用途には合わないので、おすすめできません」と言われると違和感を覚えるでしょう。

この違和感がいい意味の裏切りとなり、スタッフへの好印象や別商品への前向きな受け入れにつながりやすくなります。

最後に

エスカレーター効果とは、もともとのイメージと実際とのギャップが、身体感覚や対人印象に違和感や印象変化を生む現象です。

いい意味のギャップを意識して使うことで、ビジネスや対人コミュニケーションの場で好印象につなげやすくなります。

日常やビジネスのコミュニケーションで本記事の内容を参考にしてみてください。


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