休職期間があるとネガティブに捉えられるので隠したいものの、転職後に発覚すると問題になるのでは?と不安になるものです。
結論として、1~2ヶ月程度の短期休職ならばれる可能性は低いですが、3ヶ月以上の長期間で休職をしてしまうと、源泉徴収票や住民税からばれる可能性があります。
- 休職期間が長いと怪しまれやすい
転職後に提出を求められる源泉徴収票(自分で確定申告すれば出さなくてOK)や、翌年に通知される住民税の納税額から年収額が知られてしまうので、少なすぎると人事部には疑われる(ただ、所属事業部にばれることはほぼない) - 休職中の転職活動は法的に問題はない
違法ではないがネガティブには捉えられるので、転職先企業がパワハラ気質な会社だと何かしらのリスクはある
本記事は、有料職業紹介事業許可(13-ユ-317587)を取得しているセオリーズ株式会社の編集部が、各社の公式情報・求人情報・公的資料等を確認したうえで作成しています。
休職期間が転職先にバレる全リスクと対策
まず前職での休職期間の有無が転職先に知られてしまうのは、以下3つのケースが該当します。
- 転職後に提出する源泉徴収票
- 住民税の納税額が極端に少ない
- 再度同じ病気で傷病手当金を申請する
①は転職直後(年末調整時期)に発覚するパターン、②は翌年6月以降の住民税通知で発覚するパターン、③は同一傷病で再休職する場合に労務担当が把握するパターンです。それぞれ発生時期と気付かれる相手が違うので、順番に確認していきましょう。
ばれやすいケース①
転職後に提出する源泉徴収票で休職がバレる

転職をすると人事担当から前職の源泉徴収票を求められますが、支給額が少ないことで、給料が支給されていない期間(=休職期間)があったことがバレるので注意しましょう。
源泉徴収票の提出で転職先にバレる情報
源泉徴収票には以下の情報が記載されています。
- 今年もらった給与総額
- 今年払った所得税
- 前職の勤務先
今年の給与総額が記載されているので、転職前に申告していた年収額と相違があることで、「給与をもらっていない期間があったのでは?」と疑われる可能性があります。
有給休暇を抜いて1ヶ月分程度の無給期間であれば気にされることはありませんが、2~3ヶ月と長期で休職をしてしまっていた場合だと、さすがに違和感をもたれてしまいます。
休職は知られても休職理由は知られない
会社に源泉徴収票を提出しても「休職期間があったこと」が知られるだけで、「休職理由」までは知られません。質問されても正直に答えなければバレません(例:両親の介護で休職、等)。
ただ、理由はどうあれ長期休職の事実が転職直後に知られると、今後の信頼関係に響きます。源泉徴収票を提出する前に「自身で確定申告する」選択肢を検討しておくと、落ち着いて対応できるはずです。
源泉徴収票を提出しなければ休職がバレない
会社に源泉徴収票を提出しなければ休職期間があったことがバレることはなくなります。
そもそも源泉徴収票とは、その年の前職における総所得と納税額が記載され、転職先で年末調整をおこなうための書類です。年末調整を転職先でしなければ提出する必要はなく、人事から依頼されても「自分で確定申告をする」と伝えればOKです。
源泉徴収票を提出しなければ自分で確定申告をする必要がある(翌年2/16~3/15)
年末調整を企業側でおこなわない場合、自身で確定申告をする必要がありますが、前職と転職先の源泉徴収票の情報をもとに、税務署に確定申告書を提出するだけです。
WEB上で確定申告書等作成コーナー(国税庁)で作成して提出するのが一番楽です。手順に迷ったら確定申告に関する手続き等(国税庁)を参照するか、税務署で職員に質問しながら書類を作成しましょう。
ここまでの内容をまとめると、以下の通りです。
- 源泉徴収票を提出すると休職がバレる
あまり期間が長いと人事が現場に話す可能性あり - 休職理由はバレないが怪しまれるので、自身で確定申告する選択肢を検討するのもひとつ
手続きの手間は増えるが、休職期間が転職先に伝わらない方法のひとつ
上記のようにすることで、源泉徴収票経由で休職期間があったことがバレることはなくなります。
ばれやすいケース②
住民税の納税額が極端に少ないことからバレる

サラリーマンの「住民税」は、前年の所得金額によって決まり、かつ企業の給与から自動で天引きされるので、毎月の納税額が極端に少ないと、長期間の休職を疑われる可能性があります。
ただ、基本的に経理担当しか触れないので、直属の上司が経理を担当していない限りは知られることがなく、経理担当もあえて報告しません(他人の個人情報ですし報告する意味もないので)。
正社員は普通徴収(自分で納税)に変更できない
よくある勘違いですが、企業勤めの正社員は、住民税の納税方法を「普通徴収(給与天引きではなく、自分で納付する方法)」に切り替えることはできません。
なぜなら、給与を支給している会社(事業主)が、従業員個人の住民税を源泉徴収して納付しなければならないことになっているからです。
住民税の納付方法
- 特別徴収(会社給与から天引き)
→正社員はこれ。変更できない。 - 普通徴収(自分で納付する)
→副業や個人事業主はこれ
そのため、休職によって長期間休んでいると、その分住民税が減ってしまうので「転職前と給与と違うな」とバレてしまう可能性があります。
補足|副業や個人事業主なら普通徴収に切り替え可能

上記画像のように、確定申告書には「住民税の徴収方法」に関する項目があるので、「自分で納付」に◯をつけるだけです。
確定申告は、WEB上で確定申告書等作成コーナー(国税庁)から作成&提出するのが一番楽です。初めてでよくわからなければ、税務署で職員に質問しながら書類を作成すると良いでしょう。
ばれやすいケース③
再度、同じ病気で傷病手当金を申請してバレる
休職理由が病気だった場合、再度、同じ病気になって傷病手当金を申請するときに、前回の傷病手当金申請から期間が経っていない場合だと、バレることがあります。
というのも、傷病手当金は会社の労務担当が申請窓口になり、健康保険組合へ申請書を提出する流れのため、同一傷病での支給期間ルールが残っている期間内かどうかが確認されるからです。
- 同一傷病に関する支給期間は、支給開始日から通算して1年6か月
- 途中で出勤して傷病手当金が支給されない期間は、支給期間にカウントされず繰り越し可
- すでに通算1年6か月を受給し終えている場合、同一傷病での再支給は対象外
つまり、復職と休職を繰り返しても、支給日数の合計が1年6か月に達するまでは傷病手当金を受け取れます。一方で、累計1年6か月を使い切った後は、同一傷病で再度申請しても支給対象外です。
詳細は厚生労働省「令和4年1月1日から健康保険の傷病手当金の支給期間が通算化されます」を参照してください。
補足
前職から情報提供がされることはない
前職から転職先企業に情報提供がされることもありません。休職理由となりうる病歴は個人情報保護法によって守られているため、前職側から伝えられることはなく、また退職した社員の転職先に連絡する理由もないからです。
ただ、会社によっては選考の中盤に、リファレンスチェック(前職への質問)がある場合もあります。病歴は個人情報保護法に抵触するため伝えられませんが、休職期間があった事実は伝えられてしまう可能性があるので注意したいところです。
休職期間があることが転職先にバレたらどうなる?
前職で休職していた事実が転職先にバレてしまった場合、以下の2パターンに該当する場合だと「内定取り消し・解雇」となる可能性があります。
- 休職中の転職活動だった場合
- 採用面接で虚偽の申告をしていた場合
内定取り消し・解雇となる可能性がある事例
Case1.休職中の転職活動だった場合
前職の休職中に転職活動をしていたことが発覚すると、企業によっては内定取り消しや解雇となる可能性があります。発覚時点で完治しており、問題なく就業できているケースでは気にされないことも多いですが、そうでない場合は注意が必要です。
- 労働者は、労働基準法・労働契約法等により一方的な解雇から保護されている
- ただし「健康が著しく悪化している状態」を秘匿して労働契約を交わした場合は、企業の義務である労働者の安全への配慮を果たせないことを根拠に、解雇や自己都合退職を促される可能性がある
実際、内定通知書の「内定取り消しの要項」として、健康状態の著しい悪化やそれに準ずる可能性を記載している企業は多く、業務成績が優れない場合は離職を求められることもあります。
そもそも休職は「現在の勤務先に復職すること」を前提として設けられている制度なので、休職中の転職活動は不誠実と評価されやすい点も意識しておきたいところです。
内定取り消し・解雇となる可能性がある事例
Case2.採用面接で虚偽の申告をしていた場合
採用面接で質問をされたときに虚偽の申告をしてしまうと、バレた場合、内定取り消し・解雇となるケースがあります。以下のような問答です。
- 過去休職していたことはありますか?
→いいえ、ありません(虚偽) - 過去メンタル不調で休職した経験はありますか?
→いいえ、ありません(虚偽)
実際、ほとんどの企業の就業規則では「入社時に虚偽申告をしていた場合、懲戒処分(解雇)の対象になる」といった旨が記載されています。
業務パフォーマンスが優れている場合であれば、懲戒処分にはせずに雇用が続くケースもありますが、経験上そうならないことの方が多いです。
- 復帰後に問題なく業務へ従事できる状態であることを正直に説明する
- 業務遂行能力に支障がない点を補足する
- 長期休職を必ずしもマイナスに捉える企業ばかりではない(回復後の安定性を評価する企業もある)

