パーキンソンの法則とは?具体例をわかりやすく解説

目次
編集 セオリーズ編集部

本記事は、セオリーズ株式会社の編集部が、心理学・認知科学・行動科学に関する文献や公開情報を確認したうえで作成しています。内容は一般的な知識提供を目的としており、医学的診断・治療を代替するものではありません。

パーキンソンの法則とは

パーキンソンの法則とは、1958年に英国の歴史学者および政治学者であるシリル・ノースコート・パーキンソンの著作物「パーキンソンの法則:進歩の追求」で提唱された3法則の総称です。

パーキンソンの法則
  • 第1法則
    仕事の量は、その完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
    例)30分でできる仕事も1時間与えられると1時間使ってしまう
  • 第2法則
    支出の額は収入の額に達するまで膨張する
    例)収入が増えても、貯金が貯まらない
  • 凡俗法則(ぼんぞくほうそく)
    組織はどうでもいいものごとに対して、それに不釣り合いなほど重点を置く
    例)会議で、自分がわかる簡単なものばかりに発言をする

これらの法則は、パーキンソンによる同国の官僚組織を観察した研究から生み出されたものです。

「パーキンソンの法則」の特徴

3つの法則は、職場・家計・会議など日常のあちこちで確認できます。

具体例#1
第1法則:仕事は与えられた時間ぶん膨らむ

「仕事の量はその完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」という第1法則。30分で終わるはずのタスクでも、1時間の枠を確保した瞬間に作業が膨らんでいきます。会議も同じで、30分の議題に1時間を取ると、なぜか1時間まるまる使い切ってしまうのです。

「まだ時間あるし、もう少し細かく調整しておこうかな……」

このような思考が「余白を埋める作業」を自然に生み出します。夏休みの宿題が8月31日まで終わらないのも、この法則が働いているからです。

具体例#2
第2法則:支出は収入の上限まで膨らむ

「支出の額は収入の額に達するまで膨張する」という第2法則。昇給したり副業収入が増えたりしても、気づけば手元にお金が残っていないという経験は広く見られます。収入の枠が広がると、それを埋めるように支出も増えていくのです。

「収入増えたんだから、これくらいの出費は問題ないよね」

法人の経費でも同様で、事前に多めに支給してしまうとほぼ余らない傾向があります。「使えるお金がある」という認識が、支出の上限を引き上げてしまうのです。

具体例#3
凡俗法則:重要でない話題ほど白熱する

パーキンソンの凡俗法則とは「組織はどうでもいいものごとに対してそれに不釣り合いなほど重点を置く」という法則です。会議で「自転車置き場の屋根をアルミにするかトタンにするか」という話題に全員が活発に発言する一方で、本来議論すべき重要テーマはなかなか進まないというものです。

「これなら自分にもわかる、ちゃんと貢献できてる気がする!」

全員が容易に理解できる些細なテーマは発言しやすく、複雑で重要な議題は「よくわからないから黙っておこう」と見過ごされます。なお、第1・第2法則と異なり凡俗法則は組織行動に特有の現象です。

「パーキンソンの法則」の対策

「パーキンソン第1法則」の対策

「与えられた時間を使い切る」傾向への対策は、時間の枠を自分でコントロールすることが基本です。外から与えられた締め切りをそのまま使う限り、第1法則は自動的に発動します。

第1法則の対策
  • 自分で前倒し締め切りを設定する:
    与えられた期限より短い自己締め切りを設け、それを守ることを習慣にする。早期完成は評価向上にもつながり、ギリギリ対応によるリスクも防げる。最初は小さな目標から始め、達成を積み重ねて徐々に精度を上げるのがコツ
  • タスクを分割し、個別に期限を設ける:
    大きなタスクを中・小単位に分解して、それぞれに締め切りを割り当てる。「全体で1ヶ月」ではなく「この章は15日まで」という中間ゴールがあると、法則の影響を受ける単位が小さくなりメリハリが生まれる。ガントチャート等で可視化するとさらに効果的
  • 人員を意図的に絞る(組織向け):
    余剰人員があると「誰かがやる」という意識が生まれ、作業が分散・膨張しやすい。あえて少人数で回すと各自が責任を持って動く傾向がある。ただし現場への負荷管理と合意形成は必須

「パーキンソン第2法則」の対策

「使えるお金があると使ってしまう」傾向への対策は、使える枠そのものを先に減らす仕組みを作ることです。意志の力で支出を抑えようとしても限界があります。仕組みで解決するのが長続きするコツです。

第2法則の対策
  • 先取り貯蓄(自動振替)を設定する:
    収入が入ったら先に一定額を別口座へ自動移動しておく。残った額でやりくりしようとするため、支出が自然と収まりやすくなる。「余ったら貯める」ではなく「先に取り分ける」順序が重要で、貯蓄口座はカードを作らないなど引き落としをしにくくしておくと効果が増す
  • 経費は後払い精算にする(法人向け):
    仮払いではなく、使った分だけ申請・精算する方式にする。事前に「使える枠」が存在しないため、第2法則による膨張が起きにくい。現在は多くの企業が後払い方式を採用しているが、先払い運用が残っている場合は見直しを検討するとよい

「パーキンソン凡俗法則」の対策

重要テーマへの集中を促す方法として有名なのが、議題に「おとり」を加える手法です。

複雑で全員が理解しているか不明な議題に、あえて「誰でも判断できる些細な項目」を紛れ込ませます。出席者はその簡単な項目に反応して発言欲を満たすため、本来の重要議題の合意がスムーズに進みやすくなります。

ただし、これはあくまで次善策です。メンバー全員がテーマの重要性を正しく理解できていれば「おとり」は不要で、マネジメントもシンプルになります。根本的には、議題の事前説明・背景共有の質を上げることが先決です。


運営者情報

当サイトはセオリーズ株式会社が運営しています。

会社名セオリーズ株式会社
法人番号8010001246220
公式HPhttps://theories.co.jp/corp/
本社所在地106-0032
東京都港区六本木6丁目10番1号
六本木ヒルズ森タワー16階

内容の正確性および最新性の確保には細心の注意を払っておりますが、記事の内容に誤り(情報が古い等)があった場合はこちらからご共有いただけると幸いです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次