選択話法(二者択一話法・選択肢の錯覚)とは?具体例をわかりやすく解説

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編集 セオリーズ編集部

本記事は、セオリーズ株式会社の編集部が、心理学・認知科学・行動科学に関する文献や公開情報を確認したうえで作成しています。内容は一般的な知識提供を目的としており、医学的診断・治療を代替するものではありません。

60秒でわかる:
選択話法(二者択一話法)とは

選択話法(二者択一話法)とは、相手に“2つの選択肢”を提示して、どちらかを選ばせる話法です。

どちらが選ばれても望ましい結果が得られる選択肢を提示することが多く、相手に「NO」と言わせないためのテクニックとして、特に、商談の場面でよく使われます。

選択話法の具体例
  • 商品Aと商品Bならどちらがいいですか?
  • 導入時期は今月か来月かならどうしますか?
  • 一括払いと分割払いならどちらが良いですか?

どちらがいいですか?と聞かれた側は「どっちが良いだろう」と考えてしまうので、無意識のうちに「どちらかを選ぶ」という隠された前提が刷り込まれます

また、どちらを選択された場合でも、買う前提でどんどん話を前に進めることができるので、後から断りにくくさせられる、という効果もあります。

選択話法の具体例・イメージ

営業

当社オンラインスクールのプランには、スタンダードとエキスパートがありますが、どちらが良いですか?

個人

うーん…。どうせ入るならエキスパートプランがいいんですよね…??

営業

良いですね。実際、多くの方はそちらのプランを選ばれていて、◯◯様にも非常にお勧めです。お支払い方法は、一括払いと分割払いがございまして、どちらにしましょう?まとめて払えるなら手数料がないので、一括払いがおすすめです。

個人

そこまで貯金はないから分割払いがいいかもです。(あれ?いつのまに入会することになってる!?)

営業

ありがとうございます!実は、いま即決していただけた方限定で、分割手数料を大幅割引できるキャンペーンをしておりまして(以下略)

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選択話法の効果

選択話法の効果は「NOと言わせないこと」にあります。わかりやすい選択肢を提示して相手に選ばせることで、望んでいる結果に誘導しやすい効果があります。

もちろん「あえて選ぶならAです。」と客観的に回答できる方や、「見送ります」と主張できる方であれば通用しませんが、流されやすい方には効果的です

  • どちらかを選ぶ前提を刷り込ませられる
  • どんどん話を前に進めることで、後から断りにくくさせられる
  • 選択(購入)した後の未来をイメージさせることができるので、購買意欲を上げやすい

選択話法の活用ポイント

選択話法で意識するのは「選ばせること」ではなく、あらかじめ用意した前提を、自然に受け入れてもらうことにあります。例えば、以下のような変換です。

  • 今晩は簡単な料理にしたい場合
    今日のご飯は、そばかうどん、どっちが良い?
  • お食事デートに誘いたい場合
    今日お腹空いてる?和食かイタリアンどっちがいい?
  • 子どもに早く片づけをしてほしい場合
    先に机の上を片づける?それとも棚の中からにする?

ポイントとしては、不自然に強調をしないことで「当然そうするものだ」と思い込んでいるかのように、ごく自然な流れで伝えていくことです

こうすることで、相手は「選ばされている」「誘導されている」とは感じにくく、自分で選んだような感覚で自然と行動してくれます。

意志が弱く、断るのが苦手な方でない限り、何度も使いすぎると、意図がばれて不快感を与えることになるので注意してください。

選択話法の具体事例

ここでは選択話法の具体事例をご紹介します。

選択話法の具体事例
  • 商談・営業でのクロージング
  • ミーティングで意見を引き出したい
  • 人間関係で誘いたい・悩みを話させたい

選択話法の具体事例#1
商談・営業でのクロージング

商談・営業のクロージングでも、あらかじめ選択肢を提示することで、検討段階から“導入を前提とした会話”へと自然に進められ、意思決定を後押ししやすくなります。

まず簡易版で試すか、最初からフル機能でスタートするか、どちらがイメージに近いですか?

導入時期は、今月中と来月初めのどちらが進めやすそうですか?

お支払い方法は、一括払いと分割払いだと、どちらが良いですか?

いずれも「導入する」「購入する」といった前提を自然に受け入れさせる効果があります。


選択話法の具体事例#2
ミーティングで意見を引き出したい

社内会議で発言を促す際にも、選択話法は効果的です。あらかじめ選択肢が示されていることで、議論のハードルが下がり、意見も出やすくなります。

Aの課題とBの課題、どちらを先に対応すべきだと思いますか?

この案に意見をいただきたいのですが、営業と開発だと、どちらの担当者からが話しやすいでしょうか?

この方針に対して、賛成寄りですか?それとも懸念がありますか?

これらはいずれも、「発言するかどうか」ではなく、「どちらを選ぶか」に意識を向けさせることで、心理的ハードルを下げ、自然に意見を引き出す効果があります。

選択話法の具体事例#3
人間関係で誘いたい・悩みを話させたい

恋人や友人との関係でも、選択話法は自然な形で意思を尊重しつつリードできます。

今度会うなら、今週末と来週の平日、どっちが空いてる?

今日このあと空いてる?カフェでゆっくりするのと、ちょっと散歩するのと、どっちが気分?

最近ちょっと元気なさそうだけど、疲れてる感じ?それとも何か悩んでる?

これらはすべて「どうするか」を自然に聞ける言い回しです。恋愛や友人関係など、相手の気持ちに配慮しながら距離を縮めたい場面でとても効果的です。

選択話法の学術的な由来・事例

選択話法は、アメリカの精神科医ミルトン・エリクソン(Milton・H・Erickson、1901-1980)が精神科治療に用いた「選択肢の錯覚」という技法に由来します。

エリクソンは、精神科の患者の治療のために、どの選択肢を選んでも「患者の症状消失」に繋がるように工夫した問いを投げかけていたとされています。

エリクソンが患者にしていた質問例
  • この症状がなくなるのは、2週間と3週間、どちらの方が現実的だと思う?
  • トランス(催眠状態)に入るなら今?それとも少し後?どちらが良い?

なお、この「選択肢の錯覚」という概念が知られたきっかけは、エリクソンの弟子たちが、師の技法を研究した過程で生まれたものです。(エリクソン自身は「患者に合わせて柔軟にアプローチを変えるべき」と考えていたので、治療技法を体系化してはいませんでした。)

よく勘違いされる類語:
ダブルバインド(二重拘束理論)とは違う

選択肢の錯覚は、2択で縛ることから「ダブル・バインド」と混合されることがありますが、グレゴリー・ベイトソンが提唱した、ダブルバインド(二重拘束理論)とは異なった理論です

ダブル・バインドとは、矛盾する2つのメッセージを同時に受け取ることで、どちらの指示も受け入れることができずに、ストレスを感じる状態のことを指します。


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