フレーミング効果とは?具体例をわかりやすく解説

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編集 セオリーズ編集部

本記事は、セオリーズ株式会社の編集部が、心理学・認知科学・行動科学に関する文献や公開情報を確認したうえで作成しています。内容は一般的な知識提供を目的としており、医学的診断・治療を代替するものではありません。

フレーミング効果とは

フレーミング効果とは、同じ情報でも、提示方法や文脈といった焦点の当て方によって、受け取り方や意思決定が異なるという傾向、認知バイアスのことです。

大きな分類として3つあるので具体例とともに見ていきましょう。それぞれ伝え方で、リスクの取り方が変わり、対象の評価が変わり、行動の促され方が変わります。

フレーミング効果の分類と具体例
  • リスク選択フレーミング
    「確実な案」と「確率案」の二択で、利得や損失の示し方によって選択が変わる
    <例>
    【利得策】
    A:定期預金にすれば、1年で+2万円は確実に増えます
    B:投資に回せば、1/3の確率で+6万円増えますが、2/3の確率で増えない可能性があります
    Aのような安全策(確実な選択)が選ばれやすくなる
    【損失策】
    A:現金のまま置くと、物価上昇で実質的に2万円分は確実に目減りします
    B:投資に回せば、1/3の確率で目減りを回避できる一方、2/3の確率で大きく目減りする可能性があります
    確実な損(A)を避けたい気持ちが強まり、Bのようなリスクの高い選択が選ばれやすくなる
  • 特性(属性)フレーミング
    同じ対象や事実であっても、どの側面を強調するかによって、評価や印象が変わる
    <例>
    A:あの人は慎重だ
    B:あの人は決断が遅い
    特性は同一だが、評価は正反対
  • 目標フレーミング
    「するメリット」「しないデメリット」のどちらを強調するかで、行動の実行率が変わる
    <例>
    A:運動をすると健康寿命が延びる
    B:運動をしないと将来病気のリスクが高まる
    Bの方が行動実行率が高まる

このように、伝える事実は同じでも、その伝え方や文脈によって、異なった受け取り方がされる傾向を「フレーミング効果」と言います。

補足:認知バイアスとは

認知バイアスとは、常識や固定観念、また周囲の意見や情報など、さまざまな要因によって、誤った認識や合理的でない判断を行ってしまう認知心理学の概念です。

認知バイアスの具体例

フレーミング効果の起源・由来

フレーミング効果は、「伝え方の違いが判断を左右する」という現象を示した心理学研究から生まれました。その起源とされるのが、アメリカの心理学者アモス・トベルスキーとダニエル・カーネマンによる「アジアの疾病問題」です。(Amos Tversky and Daniel Kahneman.1981

この実験では、同じ結果を示す選択肢でも「助かる人数」で提示すると安全策が選ばれやすく、「死亡する人数」で提示するとリスクの高い選択が選ばれやすいことが分かりました。この研究により、人は内容そのものではなく、表現の枠組み(フレーム)に影響されて判断を変えてしまうことが明らかになりました。

フレーミング効果の仕組み・背景・原因

フレーミング効果が起きる主な原因は、人が情報を絶対的な数値ではなく、「得か損か」という相対的な枠組みで判断してしまう点にあります。

判断の基準となる参照点が、表現によって無意識にずらされるため、同じ内容でも「利益」に見えるか「損失」に見えるかで意思決定が変わります。特に、人は損失を強く避けようとする傾向があり、冷静な比較よりも直感的な評価が優先されやすくなります。

特に影響する項目
  • 損失回避傾向
    人は「得をする喜び」よりも「損をする痛み」を強く感じやすく、損失を強調した表現ほど判断が慎重・回避的になります
  • 参照点の操作(現状・平均・期待値など)
    判断は現在の状態や基準点との比較で行われます。提示の仕方により参照点が変わると、同じ結果でも評価が変化します
  • 感情喚起
    不安や恐怖、安心感などの感情が刺激されると、論理的な比較より直感的な判断が優先されやすくなります
  • 割合表現と実数表現の違い
    「成功率90%」と「失敗率10%」のように、割合の示し方だけで印象が変わり、判断に偏りが生まれます
  • 二択提示による比較の固定化
    選択肢が二つに限定されると、その枠内で比較してしまい、他の合理的な選択肢を検討しにくくなります

フレーミング効果は判断の早さを助ける一方、選択の偏りを生みやすい側面もあります。

フレーミング効果の分類と具体例

フレーミング効果は一つの現象ではなく、影響の現れ方によっていくつかの種類に分けて整理できます。特に重要なのが、リスクの取り方が変わるケース、対象の評価が変わるケース、行動の促され方が変わるケースの3つです

フレーミング効果の分類
  • リスク選択フレーミング
    同じ内容でも「利益」として示すか「損失」として示すかで、「確実案」と「確率案」の選ばれ方が変わる
  • 特性(属性)フレーミング
    同じ対象や事実であっても、どの側面を強調するかによって、評価や印象が変わる
  • 目標フレーミング
    「するメリット」「しないデメリット」のどちらを強調するかで、行動の実行率が変わる

ここでは、代表的な3種類のフレーミング効果を、それぞれの特徴とともに解説します。

フレーミング効果の分類と具体例#1
リスク選択フレーミング

リスク選択フレーミングとは、「確実に得られる結果」と「確率に左右される結果(リスクのある選択)」を比べる場面で、同じ内容でも「利益」か「損失」かの見せ方によって、選ばれやすい選択肢が変わる現象です。

一般に、利益が強調されると安全策(確実な選択)が選ばれやすく、損失が強調されると損失を避けようとしてリスクのある選択が選ばれやすくなります。背景には損失回避の傾向があります。

リスク選択フレーミングの具体例
  • 【利益策】
    A:この治療を選べば、200人が確実に助かります
    B:この治療を選べば、1/3の確率で600人が助かり、2/3の確率で誰も助かりません
    →Aのほうが「確実に助かる」が強調され、安全策を選びやすくなる
  • 【損失策】
    A:この治療を選べば、400人が確実に死にます
    B:この治療を選べば、1/3の確率で誰も死なない一方で、2/3の確率で600人が死にます
    「確実に起きる損失(A)」を避けたくなり、確率的に損失を回避できる可能性があるB(リスクの高い選択)を選びやすくなる
  • 【利益策】
    A:今は焦らず、まず関係を深めれば、少なくとも「友達としての関係」は確実に続けられます
    B:思い切って告白すれば、1/3の確率で交際に進めますが、2/3の確率で気まずくなり関係が崩れます
    Aのほうが「確実に失わない」が効いて、安全策を選びやすくなる
  • 【損失策】
    A:今は動かないと、このまま関係が停滞し、距離が広がる可能性が高いです
    B:思い切って告白すれば、1/3の確率で関係悪化を避けられますが、2/3の確率で気まずくなり関係が崩れます
    Aの「確実に悪化」を避けたくなり、Bのようなリスクの高い選択を取りやすくなる

リスク選択フレーミングは、医療説明や投資判断など重要な場面でも起こります。判断前に「逆の表現」を確認することが有効です。

フレーミング効果の分類と具体例#2
特性(属性)フレーミング

特性(属性)フレーミングとは、同じ対象や事実でも、ポジティブ/ネガティブのどちらの表現で示すかによって、評価や印象が変わる現象です。

人は情報を客観的に処理しているつもりでも、言葉が与える印象に影響されやすく、同一内容でも「良い面」を強調するか「悪い面」を示すかで受け止め方が大きく変わります。

特性(属性)フレーミングの具体例
  • A:この手術の成功率は90%です
    B:この手術の失敗率は10%です
    →Aは安心感が強く高評価されやすく、Bはリスクが意識され不安が残りやすい
  • A:このひき肉は脂肪25%です
    B:このひき肉は赤身75%です
    Aは「脂っこい」印象が出やすく、Bは「健康的・さっぱり」な印象になりやすい
  • A:この製品の不良率は5%です
    B:この製品の合格率は95%です
    Aは不安が強調されやすく、Bは安心感が高まり品質が良く見えやすい

特性(属性)フレーミングは広告や商品説明で多用されます。数値や条件を両面から確認することで、評価の偏りを抑えられます。

フレーミング効果の分類と具体例#3
目標フレーミング

目標フレーミングとは、ある行動を促す際に、「行動するメリット」を強調するか、「行動しないデメリット」を強調するかで、実行率が変わる現象です

人は損失や不利益に敏感なため、「やらないと損をする」といった損失フレームが行動を後押しすることがあります。一方で、前向きな利益フレームが効果的な場面もあり、提示の枠組みが意思決定を左右します。

目標フレーミングの具体例
  • A:運動すると健康になります
    B:運動しないと健康リスクが高まります
    Aは「得られるメリット」を示して前向きに動きやすく、Bは「避けたい不利益」を示して危機感から行動を促しやすい
  • A:今申し込めば特典があります
    B:今申し込まないと特典を逃します
    Aは「得」を強調して魅力で背中を押し、Bは「損失回避」を刺激して今すぐの決断を促しやすい
  • A:今連絡すれば、距離が縮まって関係が進みやすくなります
    B:今連絡しないと、タイミングを逃して距離が広がるかもしれません
    Aは「期待」で背中を押し、Bは「損失回避」で行動を後押ししやすい

目標フレーミングは健康行動やマーケティングで多用されます。状況に応じて表現を見直すことが、適切な判断につながります。

認知機能(MBTI)でみるフレーミング効果の影響度

認知機能ベースで見ると、Fe(外向的感情)やTe(外向的思考)が判断プロセスの中核に置かれる状態では、フレーミング効果にかかりやすい傾向があります。

フレーミング効果とは、同じ内容でも、提示の仕方(言い回し・表現・強調点)によって判断が変わってしまう認知バイアスです。このバイアスの中核にあるのは、「内容そのもの」ではなく「どう提示されたか」を判断基準に昇格させてしまう点です。このバイアスは単一機能ではなく、FeとTeが同時に作動したときに構造的に発生します。

Fe(外向的感情):受け取り方の同調

  • 判断基準が「この言い方だとどう感じるか」「場ではどう受け取られているか」に置かれる
  • ポジティブ/ネガティブな言い回しの感情トーンに引っ張られやすい
  • 「好ましい表現=良い選択」という短絡が起きやすい

Te(外向的思考):提示形式の実用化

  • 判断基準が「この表現の方が分かりやすい」「意思決定しやすいか」に置かれる
  • 比較・選択を容易にする枠組みを、そのまま判断基準として採用しやすい
  • 「こう提示されている=判断として妥当」という合理化が起きやすい

Feは感情的受容を、Teは判断の効率化を担当します。この二つが重なると、「枠組み自体を疑わない判断」が成立します。

Fe/Te主導になりやすいMBTIタイプ
  • ENFJ(主人公)※Fe主機能
    言い回しや配慮された表現を前提に判断し、枠の違いを見落としやすい
  • ESFJ(領事)※Fe主機能
    場で受け入れられやすい表現を信頼し、提示形式を疑いにくい
  • ENTJ(指揮官)※Te主機能
    意思決定を速める枠組みを採用し、前提の偏りを後回しにしやすい
  • ESTJ(幹部)※Te主機能
    比較しやすい提示を基準に判断し、表現差の影響を切り分けにくい

※あくまで判断プロセスの傾向差です。

フレーミング効果の影響を受けにくいMBTIタイプ

逆に、フレーミング効果にかかりにくいのは、Ti(内向的思考)やNi(内向的直観)が判断プロセスに明確に組み込まれている状態です。

  • Ti(内向的思考):定義・条件の再構築
    提示された表現を分解し、同値変換して中身を比較する
  • Ni(内向的直観):前提構造の把握
    提示枠の背後にある意図や収束点を先に見抜く

これらが主機能となっている場合、「どう言われたか」ではなく「何を言っているか」を基準に再評価しやすく、フレーミング効果に陥りにくい傾向があります。

Ti/Ni主機能のMBTIタイプ
  • INTP(論理学者)※Ti主機能
    表現を条件に分解し、同一内容かどうかを検証しやすい
  • ISTP(巨匠)※Ti主機能
    提示形式を操作変数として扱い、判断基準から外しやすい
  • INTJ(建築家)※Ni主機能
    枠組みの目的や意図を先読みし、表現差を相対化しやすい
  • INFJ(提唱者)※Ni主機能
    メッセージの背後構造を捉え、感情的フレームに引きずられにくい

誤解しやすい点なので補足すると、フレーミング効果は「騙されやすいから起きる」のではありません。判断を助けるための枠組みを、そのまま判断基準に採用した瞬間に発生します。

また、Ti/Niタイプであっても、時間制約や比較負荷が高い状況ではこのバイアスは起きます。判断基準が何であれ、「枠組みを疑わず使った時点」で、フレーミング効果は発生します。

フレーミング効果の影響度診断

フレーミング効果は、誰にでも無意識のうちに影響しますが、その受けやすさには個人差があります。自分では冷静に判断しているつもりでも、言葉の見せ方や数字の表現に左右されていることは少なくありません

まずは簡単な診断で、自分がどの程度フレーミング効果の影響を受けやすいかをチェックしてみましょう。

フレーミング効果の影響度診断(10問)

次の質問に 「はい=1点」「いいえ=0点」 で答えてください。

  • 「成功率〇%」と聞くと、失敗率はあまり意識しない
  • 「限定」「今だけ」「残りわずか」という言葉に弱いと感じる
  • 割引率(%)だけを見て、元の価格を確認しないことがある
  • 「損をする」と言われると、急いで決断してしまうことが多い
  • 選択肢が2つだけ示されると、その中で選ぼうとしてしまう
  • 月額・日額など単位の違いを深く考えずに比較してしまう
  • ポジティブな評価(高評価・人気)を見ると安心しやすい
  • ネガティブな表現を見ると、内容を詳しく見ずに避けがち
  • 数字よりも、言葉の印象で判断してしまうことがある
  • 「みんなが選んでいる」という表現に影響されやすい
診断結果の目安
  • 0~3点:影響は小さめ(問題なし)
     フレーミング効果に比較的気づきやすく、冷静に判断できています
  • 4~6点:注意レベル
     状況によってフレーミングの影響を受けやすい傾向があります。重要な判断では見直しが必要です
  • 7点以上:要注意レベル
     言葉の見せ方に強く影響されやすい状態です。意識的な対策を取らないと判断ミスにつながる可能性があります

診断結果は、判断のクセに気づくための目安です。点数が高くても問題はありません。大切なのは、表現を疑い直す視点を持ち、冷静に考える習慣を身につけることです。

フレーミング効果を緩和するための5つの対策

フレーミング効果に惑わされないためには、提示された情報をそのまま受け取らず、一度立ち止まって見せ方を疑う視点が欠かせません

人は直感的に分かりやすい表現ほど深く考えずに判断しやすく、「成功」「割引」「損しない」といった言葉に無意識に引き寄せられます。その結果、本来比較すべき条件や数字の違いを見落としてしまいます。

こうした偏りを防ぐには、情報を別の形に置き換え、冷静に整理し直すことが有効です。以下のポイントを押さえることで、フレーミング効果の影響を弱めやすくなります。

フレーミング効果を緩和するための5つの対策
  • 必ず逆フレームに変換する
  • 割合→実数に統一する
  • 比較軸を固定する
  • 選択肢を増やす
  • 判断を一拍置く


対策#1
必ず逆フレームに変換する

情報は、利益側か損失側のどちらか一方だけが示されると、判断が偏りやすくなります。成功率90%という表現は安心感を与えますが、失敗率10%と聞くとリスクを意識しやすくなります。

両方を並べて確認することで、感情的な印象が弱まり、結果そのものを冷静に評価できます。特に医療・投資・契約など重要な判断では有効です。

対策#2
割合→実数に統一する

割合は直感的で分かりやすい反面、影響を過大評価しやすい表現です。「30%減」と聞くと大きな変化に感じますが、母数が10なら3、1,000なら300と意味は大きく異なります。

元の数値や実際の人数・金額に置き換えることで、現実的な影響度を把握しやすくなり、誤解を防げます

対策#3
比較軸を固定する

価格や条件を比較する際、月額・日額・年額など単位が異なると、安く見えたり高く感じたりします。これは意図的なフレーミングに使われることもあります。

すべて同じ単位にそろえて比較することで、見せ方による錯覚を減らし、本当の差や価値を正しく判断できます

対策#4
選択肢を増やす

二択で提示されると、人はその枠内でしか考えなくなります。「買うか・買わないか」「AかBか」という構図自体がフレームです。

第三の選択肢や保留、条件変更などを意識的に探すことで、提示された枠から離れた柔軟な判断が可能になります

対策#5
判断を一拍置く

フレーミング効果は、焦りや不安、期待といった感情が強いほど影響を受けやすくなります。「今だけ」「限定」「損をする」といった言葉に触れたときほど、一度立ち止まることが重要です。

時間を置くことで感情が落ち着き、論理的な再検討がしやすくなります


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