シェイピングとは?目標行動に近い反応を段階的に強化する手法をわかりやすく解説

シェイピング
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編集 セオリーズ編集部

本記事は、セオリーズ株式会社の編集部が、心理学・認知科学・行動科学に関する文献や公開情報を確認したうえで作成しています。内容は一般的な知識提供を目的としており、医学的診断・治療を代替するものではありません。

シェイピングとは

シェイピング(Shaping)とは、オペラント条件付けの技法のひとつで、最終的な目標行動に近づく反応を段階的に強化し(逐次近似の強化)、徐々に目標行動を形成していく手法です。

スキナーが動物実験で確立し、人間の行動療法・教育・トレーニングに広く応用されています。

シェイピングのポイント
  • 目標行動を小さなステップに分解し、各ステップを順番に強化する
  • 自発的には出現しにくい行動の形成を、段階的に促しやすい
  • 各段階の基準を明確にし、前のステップができてから次へ進む

シェイピングのメカニズム

シェイピングは「逐次近似の強化(successive approximations)」とも呼ばれます。目標行動に近づく反応のうち基準を満たすものを強化し、安定したら基準を少し高めるという手続きを繰り返します。

たとえばラットにレバーを押させる場合、レバーに近づく→見る→触れる→押す、と段階を踏みます。前段階の反応を強化しなくなることで反応の変動が生じ、より目標に近い反応を分化強化していくプロセスでもあります。

シェイピングは「今できることから始め、少しずつ基準を上げる」というスモールステップの原理を体現した手法です。

シェイピングと似た概念との違い

シェイピングと混同されやすいのが「チェイニング(連鎖化)」です。チェイニングは複数の行動要素やステップをつなげて一連の行動系列を形成する手法であり、シェイピングのように同一行動を徐々に洗練させるものではありません。

また「プロンプティング」(言語的・身体的なヒントを与えて目標行動を引き出す手法)もシェイピングと組み合わせて使われます。プロンプト自体は目標行動を直接引き出す手続きであり、近似反応の強化とは区別されます。

シェイピング vs チェイニング vs プロンプティング
  • シェイピング:
    同一行動の近似反応を段階的に強化し、目標行動を形成する。行動の「質」を洗練させる手続き。
  • チェイニング:
    複数の行動要素やステップをつなげて一連の行動系列を形成する。行動の「連鎖」を作る手続き。
  • プロンプティング:
    ヒントを与えて目標行動を引き出す。自立を促すため、フェーディング(ヒントを徐々に減らす手続き)と組み合わせて使われることが多い。

シェイピングの具体例

ここではシェイピングが実際にどう現れるかを具体例で説明します。

具体例#1
動物のサーカストレーニング

イルカがジャンプする・犬が特定の姿勢をとるといったパフォーマンスは、シェイピングによって形成された行動の典型例です。

最初は方向が合っていれば強化し、次第に高さ・タイミング・姿勢の精度を求めるように基準を高めていきます。最終的に完成した演技に到達するまで、多くの段階を経ます。

具体例#2
子どもへの着替えの指導

着替えの一部に支援が必要な子どもに対して、まず「服に手を通す」だけを強化し、次に「腕を通す」、さらに「全部着る」と段階を踏んで指導するのがシェイピングの応用です。

各段階で達成できたことを確認してから次の段階へ進むことで、子どもは成功体験を積みながら、最終目標の行動の習得を目指しやすくなります。

具体例#3
スポーツのフォーム習得

野球のバッティングフォームやゴルフのスイングを習得する際、コーチはグリップ→構え→バックスイング→インパクト→フォロースルーの順に、一段階ずつ正しい動作に強化を与えながら指導します。

全体を一度に指導するよりも、スモールステップで各動作を強化していくシェイピングのアプローチが、効率的な技術習得を促します。

関連概念

  • オペラント条件付け
    シェイピングが組み込まれた学習の枠組み。強化子を用いた随伴関係の操作が基盤となる。
  • 強化スケジュール
    シェイピングの各段階でどのように強化を与えるかを左右する。初期段階では連続強化が有効。
  • 消去
    シェイピングで前段階の行動を強化しなくなる手続きは消去に相当し、次段階への移行を促す。

シェイピングを活用する方法

シェイピング活用の3つのポイント
  • 目標行動を具体的に定義し、そこへ至るステップを細かく分解して、各段階の達成基準を明確にする
  • 各ステップでは現在できている行動を確実に強化してから次の段階へ進み、飛び級や急激な基準引き上げを避ける
  • 進捗が止まった場合はステップを細分化するか前のステップに戻り、成功体験を積み直してから再挑戦する

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