どうやらGoogle上では「発達障害 採用してしまった」と検索されている方が多くいるようです。ただ、障害名だけで状況を説明する向き合い方はお勧めしません。

この記事では、人事と現場管理職が、感情論ではなく手順・記録・判断基準で立て直すための初動、仕事やコミュニケーションにおける配慮と向き合い方を解説しています。
- 発達障害だからと単純化せず、業務上の支障を整理する
ミス、遅延、報連相の不足、対人摩擦など、実際に何が・どの程度・どの頻度で起きているかといった事実を確認しましょう。 - 業務上の支障に合わせた、配慮・業務調整・指導を行う
指示方法、業務量、確認頻度、配置などを見直し、改善可能性を確認しましょう。少なくとも、ミスマッチを理由に正社員を解雇・退職勧奨するのは避けてください。 - 現場だけで抱えず、社内外で連携すること
上司だけで判断すると、配慮・評価・感情的な負担が混ざりやすくなります。対応内容を記録しながら、会社として公平に判断できる体制を作りましょう。
本記事は、有料職業紹介事業許可(13-ユ-317587)を取得しているセオリーズ株式会社の編集部が、各社の公式情報・求人情報・公的資料等を確認したうえで作成しています。
発達障害を採用してしまったと後悔したときにまずやるべきこと
まず、正規雇用の社員について、採用後のミスマッチだけを理由にすぐ解雇することは現実的ではありません。解雇には客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が必要であり、業務上の支障がある場合でも、事実確認・指導・配慮・業務調整などの過程が問われます。
そのため、最初にやるべきことは「発達障害だから」と捉えることではなく、どの業務で、どのような支障が、どの程度起きているのかを事実として整理することです。そのうえで、合理的配慮や業務調整を行い、必要に応じて配置転換、改善計画、評価手続きの順に検討しましょう。
- 「障害だから」ではなく、業務事実に翻訳する
- 本人に「どの作業で止まるか」を聞く
- 現場だけで抱え込まずに、社内外と連携する
まずやるべきこと#1:
「障害だから」ではなく、業務事実に翻訳する
朝礼で進捗を聞いても「大丈夫です」としか返らず、締切当日になって手がついていないと分かる。こうした場面で「発達障害だから仕方ない」と片づけると、打つ手が見えなくなります。
まず、起きた出来事を業務の言葉に置き換えます。「報連相が弱い」ではなく、「着手判断で止まり、相談が締切直前になる」と整理すれば、確認のタイミングを前倒しするという対策につながります。
避けたいのは、本人のいない場で「ああいう人だから」と評価を固定することです。事実ではなく印象が記録に残ると、後の配慮も評価も根拠を失います。
まずやるべきこと#2:
本人に「どの作業で止まるか」を聞く
合理的配慮は、本人の希望をすべて受け入れる手続きではありません。働くうえで何に困っているかを聞き、会社の業務要件と照らして調整する作業です。
そのため、面談では、漠然と困りごとを尋ねるより、作業の段階を区切って聞くと支障が見えやすくなります。
- この仕事は、どこで手が止まりやすいですか?
- 指示を受けるとき、作業中、報告するときのうち、どこが一番負担になりますか?
- 次回から同じ仕事を進めるなら、どの情報が先にあると進めやすいですか?
「困っていますか」だけだと「大丈夫です」で終わりがちです。場面を区切って聞くと、本人も答えやすくなります。
まずやるべきこと#3:
現場だけで抱え込まない
直属の上司ひとりが、配慮・指導・評価・相談対応をすべて抱えると、判断が混ざり、上司自身も疲弊します。「自分のマネジメント力の問題だ」と抱え込むほど、対応は遅れます。
早い段階で人事に状況を共有し、必要に応じて産業医・保健師・就労支援機関にも相談します。誰がどこまで判断するかを最初に決めておくと、現場の負担が偏りません。
その場の口約束で配慮を決めてしまうのは避けましょう。後で「言った・言わない」になり、本人も会社も不利になります。決めたことは記録に残すのが原則です。
発達障害がある部下への業務上の配慮
業務上の配慮は、本人を特別扱いするためのものではありません。職務上求める成果を確認したうえで、「その人が力を発揮しやすい条件」に仕事の渡し方や環境を調整するためのものです。
会社は学校や訓練機関ではないため、管理職がすべてを引き受ける必要はありません。一方で、仕事の渡し方や確認方法を少し変えるだけで、本人のパフォーマンスや現場の負担が大きく変わることもあります。
まずは、次のような業務上の配慮を検討してください。
- 短期的に業務内容を調整する
- 指示は簡潔かつ明瞭に言語化する
- 正しく伝わっているかを丁寧に確認する
- 依頼は本人の納得感を重視する
- マルチタスクは避け、定期的に進捗確認する
発達障害がある部下への業務上の配慮①
短期的に業務内容を調整する
部下の特性を「障害」として表面化させないためには、その人が適応できる条件と、努力だけでは適応しにくい条件を見極め、業務内容や任せ方を調整することが重要です。これは発達障害に限らず、マネジメント全般に共通します。
努力では埋めにくい仕事を任せ続けると、本人も現場も消耗し、管理職側の確認・手戻り・巻き取りコストも大きくなります。大切なのは、本人を無理に変えようとすることではなく、その人が自律して完遂できる仕事を見極めて任せることです。
業務スキルや自己理解、報連相の型は身につくことがあります。一方で、根本的な特性が短期間で別人のように変わる前提でマネジメントするのは現実的ではありません。
発達障害がある部下への業務上の配慮②
指示は簡潔かつ明瞭に言語化する
業務指示は、簡潔かつ明瞭に言語化しましょう。特にASD傾向がある場合、曖昧な表現や前提を省いた指示では、認識のズレが起きやすくなります。また、耳から入る情報の処理が苦手な人もいるため、口頭説明だけで完結させないことが重要です。
「面倒だから」と言語化を省くと、後から手戻りが発生し、本人も管理職も消耗します。テキストで確認できる形にしておくと、本人が見返せるだけでなく、期待値や評価基準もそろえやすくなります。
- 納期は具体的に指定する
- 「はやめに」「余裕あるときで」など曖昧な表現は避ける
- 最終的なアウトプットイメージを共有する
- 作業手順や優先順位を整理して伝える
- 不明点を確認するタイミングを決めておく
このように、後から読み返せばわかるように言語化しておくことが重要です。
最初は手間に感じるかもしれませんが、管理職が事前に30分整理することで、本人の数時間分の迷いや手戻りを減らせることがあります。組織の生産性を高めるうえでも、指示の言語化は管理職がおこなうべき重要な仕事です。
場合によっては前提認識部分で大きなズレが生じてしまうので「面倒だから」と言語化を怠らず、テキストベースのコミュニケーションを第一言語にしましょう。
発達障害がある部下への業務上の配慮③
正しく伝わっているかを管理職側で確認する
部下に初めて依頼する仕事では、「本当に正しく伝わっているか」を管理職側で確認することが重要です。具体的には、下記の通りです。
- 指示のポイントを箇条書きで整理しておく
- ポイントをなぞりながら説明する
- 本人の言葉で、理解した内容を確認してもらう
- その場で、試しに一つ作業してもらう
- 早い段階で進捗状況を確認する
特に初めての仕事では、「わからないなら聞きにきて」と本人に委ねすぎないことが大切です。本人が何を分かっていないのかを自覚できていない場合や、質問するタイミングを逃してしまう場合があるからです。
管理職側に「ここは言わなくても分かるだろう、一度説明したから理解しているはず」といった思い込みがあると、認識のズレに気づくのが遅れます。
後からコミュニケーションの齟齬が発覚した場合は、本人の理解力だけの問題にせず、管理職側の説明や確認の仕方も見直しましょう。理解度の確認まで含めて、仕事を渡す側の責任です。
発達障害がある部下への業務上の配慮④
依頼は本人の納得感を重視する
仕事を依頼するときは、本人が目的や内容を理解し、納得できているかを確認することが重要です。
発達障害の有無にかかわらず、人は「なぜこの仕事をするのか」が分からないままだと、集中力や主体性を保ちにくくなります。特に、納得感が行動のしやすさに影響しやすい人の場合は、作業の意味づけを丁寧に伝えましょう。
- 何のためにやる仕事か
- なぜその人に任せるのか
- どの成果につながる仕事なのか
- 本人にとって、どの経験や成長につながるのか
仕事は給与のために行うものでもありますが、それだけでは前向きに取り組みにくい場面もあります。業務の目的、期待している役割、成果の意味を共有することで、本人も自分の仕事として受け止めやすくなります。
発達障害がある部下への業務上の配慮⑤
マルチタスクは避け、定期的に進捗確認する
人はそもそも、複数の作業を同時に進めることが得意ではありません。発達障害の特性がある場合は、優先順位づけや切り替えで負担が大きくなることもあるため、できるだけシングルタスクで進められるように調整しましょう。
あわせて、定期的に進捗確認の時間を設けることも有効です。たとえば朝のうちに「前日の進捗」「今日進める作業」「途中で確認すべき点」をすり合わせておくと、本人も管理職も状況を把握しやすくなります。
確認のタイミングは、本人の集中を妨げすぎない時間がおすすめです。夕方の面談が気になって作業が止まるようであれば、朝や午前中に短く確認するなど、運用を調整しましょう。
発達障害がある部下との関わり方・スタンス
次は、業務上の配慮だけでなく、日々の関わり方や管理職としてのスタンスを整理します。
いずれも発達障害の有無に限らず、マネジメント全般に共通する考え方です。ただ、特性と職務・環境が合っていない場合は、職場での支障として表面化しやすいため、早めに対応を見直す価値があります。
発達障害がある部下との関わり方・スタンス#1
特別扱いせず公平であり続ける
発達障害があるかどうかにかかわらず、理由のない特別扱いはせず、組織として公平であることが重要です。
公平とは、全員に同じ対応をすることではありません。職務上求める成果や評価基準を明確にしたうえで、必要な配慮や仕事の渡し方を調整することです。
「発達障害だから△△する」と単純化するのではなく、「この業務のこの部分で止まりやすいから、△△という対策をする」と考えましょう。
発達障害がある部下との関わり方・スタンス#2
特性を踏まえ、力を発揮できる環境を作る
部下のスキルや特性を踏まえ、その人が力を発揮しやすい条件を確認することも重要です。
発達障害の傾向を自覚している人の中には、これまでの経験から、得意なことや苦手なことを言語化できる人もいます。本人の話を聞きながら、職務内容や環境との相性をすり合わせましょう。
確認しておきたいことは、たとえば次のような項目です。
- 得意な作業、苦手な作業
- 集中しやすい環境、集中しにくい環境
- ストレスや負担を感じやすい場面
- 仕事を通じて得たい経験
- モチベーションにつながること
これは発達障害のある部下だけに行う特別対応ではありません。全メンバーに対して、力を発揮できる条件を把握することがマネジメントの基本です。
発達障害がある部下との関わり方・スタンス#3
自分の発言と態度を冷静に客観視する
管理職は、感情と判断を切り分けて部下に向き合う必要があります。一方的に見える発言や、納得しにくい行動があったとしても、感情的に叱るだけでは状況は改善しません。
上司の数分の接し方で、部下の数時間から数日のパフォーマンスが変わることがあります。だからこそ、部下との時間は、感情をぶつけるためではなく、業務上の支障を整理し、次の行動を決めるために使いましょう。
発達障害がある部下との関わり方・スタンス#4
未来に向けた建設的な話をする
職場で問題が起きたときは、「誰が悪いか」ではなく、「次にどうすればよくなるか」を話すことが重要です。
過去の失敗を責めるだけでは、本人も現場も消耗します。起きた事実、求める基準、次に取る行動を整理し、改善可能な範囲に話を絞りましょう。
発達障害がある部下との関わり方・スタンス#5
心理的安全性が保たれた関係性にする
本人が困りごとを早めに相談できる関係性を作ることも重要です。定期的な1on1を設ける場合は、担当業務だけでなく、体調、負担感、相談しづらいこと、今後の進め方も確認しましょう。
ただし、1on1は本人を管理・詮索する場ではありません。事前準備を過度に求めたり、毎回重い面談にしたりすると、かえって負担になります。
発達障害がある部下との関わり方・スタンス#6
一定の距離感を維持して深入りしない
発達障害の有無にかかわらず、管理職と部下の関係では、業務上必要な距離感を保つことが大切です。
なぜなら、プライベートに踏み込みすぎたり、上司が個人的に抱え込みすぎたりすると、配慮・指導・評価の境界が曖昧になるからです。
採用過程や基準を改める
採用後に大きなミスマッチが起きた場合は、本人だけの問題として扱わず、求人票・面接・受け入れ体制を見直しましょう。
重要なのは、「発達障害がある人を採用しない」ことではありません。職務内容、求める成果、働く環境、必要なコミュニケーション、変更の多さなどを事前に伝え、本人の特性や希望と合うかを確認することです。
- 求人票で、担当業務や成果物を具体的に伝えていたか
- 忙しさ、変更の多さ、対人接触の頻度を説明していたか
- 面接で、業務遂行に必要な範囲の配慮事項を確認していたか
- 「どんな環境だと力を出しやすいか」「苦手な条件は何か」を聞けていたか
- 入社後の相談ルートや確認方法を決めていたか
- 受け入れ部署に、本人の同意を得た範囲で必要な情報を共有していたか
採用時に見極めるべきなのは、障害名ではなく、職務と環境との相性です。次の採用で同じミスマッチを繰り返さないためにも、求人票・面接・受け入れ体制を、職務要件と環境条件の両面から見直しましょう。
ASD・ADHD・LDの特性と職場での配慮
ここからは管理職として知っておきたい発達障害の基本知識について解説していきます。特性名は診断の代わりではなく、職場で起きている支障を理解する補助線として使いましょう。
- ASD:曖昧さと急な変更を減らす
- ADHD:抜け漏れを仕組みで補う
- LD:情報の渡し方を変える
発達障害の種類①
ASD(自閉症スペクトラム障害)
ASDの特性がある場合、暗黙の了解、抽象的な依頼、予定の急な変更が負担になりやすいことがあります。「適当にいい感じで」といった指示で手が止まるのは、本人のやる気の問題ではなく、判断材料が不足しているためかもしれません。
ただし、同じASDでも現れ方は人によって異なります。ここでは診断名で本人を決めつけるのではなく、職場で起きている支障を理解する補助線として整理します。
予定や手順を明確にし、変更があるときは理由と次の段取りをセットで伝えます。「空気を読んで」と求めるより、期待する行動を言葉にしたほうが、本人も動きやすくなります。
- 指示は文章でも残す
- 「これ」「あれ」「いい感じに」など曖昧な表現を避ける
- 納期・優先順位・完了条件を具体的に伝える
- 変更がある場合は、理由と次の手順を伝える
- 感覚過敏がある場合は、席配置・音・光・温度などを調整する
配慮は、本人のこだわりをすべて受け入れることではありません。業務上必要な範囲を確認したうえで、本人が力を発揮しやすい条件を整えることです。
- ASD特性のある方に合いやすい職務条件
- 手順やルールが明確
- 急な変更が少ない
- 一人で集中できる時間がある
- 成果物や完了条件がはっきりしている
- 負担になりやすい職務条件
- 曖昧な指示が多い
- 急な変更や例外対応が多い
- 複数業務を同時に切り替える必要がある
- 高頻度の対人調整が求められる
ただし、これはあくまで傾向です。診断名だけで職務を決めず、本人の経験・得意不得意・希望と照らして判断しましょう。
発達障害の種類②
ADHD(注意欠陥・多動性障害)
ADHDの特性がある場合、注意の持続、段取り、抜け漏れ、衝動的な発言などが課題になることがあります。本人の努力不足と捉えるより、ミスが起きにくい仕組みや確認方法を整えるほうが安定します。
- フィードバックは1対1で具体的に伝える
- チェックリストやテンプレートを使う
- 優先順位と期限を見える化する
- 作業を短い単位に分ける
- 早い段階で進捗確認を入れる
- 会議ではアジェンダや発言ルールを決める
上記はあくまで一例ですが、当人が苦手としていることをヒアリングした上で、ストレスなく働くために必要な合理的配慮の内容を検討してください。
- ADHD特性のある方に合いやすい職務条件
- 変化や裁量がある
- 短いサイクルで成果が見える
- 興味や強みを活かしやすい
- 即時フィードバックがある
- 負担になりやすい職務条件
- 長時間の単調作業が続く
- 細部管理や抜け漏れ防止を一人で担う
- 待機時間が長い
- 優先順位が曖昧なまま複数業務を抱える
ADHD特性のある方は「変化・裁量・即時フィードバックがある仕事」に向きやすく、「単調・長期集中・細部管理・待機が多い仕事」は消耗しやすい傾向があります。
発達障害の種類③
LD(限局性学習障害)
LDは、能力が低いという意味ではありません。読む・書く・計算するなど、特定の入力や出力の方法で支障が出やすい状態です。情報の渡し方やツールを調整することで、本来の力を発揮できることがあります。
- 読字障害(ディスレクシア)
文字の“読解”に困難が生じる - 書字障害(ディスグラフィア)
文字を“書くこと”に困難が生じる - 算数障害(ディスカリキュリア)
“計算をすること”に困難が生じる
マニュアルの音声化、図解、口頭説明の併用、計算ツールの利用など、入力と出力の方法を本人に合わせて調整します。「文章での指示が読み取りにくい」なら、図や口頭を組み合わせます。
本人が苦手を申し出やすいよう、ツールの利用を「特例」ではなく通常の選択肢として案内します。隠して苦労させるより、最初から使える状態にしておくほうが効率的です。
出典:厚生労働省「発達障害のある方と共に働く上でのポイントと障害特性」。本章は同ページの職場配慮例を参考にしています。
配慮しても改善しないときの選択肢
配慮しても改善しない場合は、配置転換・改善計画・評価手続きの順に検討しましょう。
配置転換
いまの部署で合わなくても、職務や環境が変わると力を発揮できることがあります。単に楽な仕事へ移すのではなく、得意な作業・苦手な刺激・必要な支援を整理したうえで、配置転換を検討しましょう。
改善計画
改善を求めるときは、期間を区切ります。「全部直す」ではなく、「朝会前に進捗を1行で送る」のように観察できる行動に絞り、1〜2週間単位で見ましょう。達成できたら次の目標に進みます。
最終段階
退職勧奨や解雇は最終段階の選択肢です。検討する場合も、本人の同意・手続き・記録・就業規則との整合が問われます。
現場の判断だけで進めず、人事・労務担当、必要に応じて専門家と確認してください。自己都合退職へ追い込むような進め方はトラブルの原因になります。
出典:厚生労働省「労働契約の終了に関するルール」。解雇には客観的合理性と社会通念上の相当性が問われます。
採用プロセスに戻して再発防止する
採用後のミスマッチは、現場対応だけでなく、採用プロセスに戻して防ぐことをおすすめします。次の採用で同じことを繰り返さないために、求人と選考と受け入れの段階を見直しましょう。
- 求人票や面接での再発防止ポイント
職務内容・忙しさ・対人接触の頻度・変更の多さを具体的に伝えます。「未経験歓迎」だけで、実際は急な仕様変更が多い職場だと、入社後にミスマッチが起きます。 - 選考での再発防止ポイント
業務遂行に必要な範囲で配慮事項を確認してください。障害名を深掘りするのではなく、「どんな環境だと力を出しやすいか」「苦手な条件は何か」を業務の言葉で聞きます。 - 受け入れ時の再発防止ポイント
受け入れ部署には、本人の同意を得た範囲で配慮事項と相談ルートを共有します。「何かあれば上司へ」で終わらせず、相談先・判断者・記録方法まで決めておくと、現場が迷いません。
よくある質問
最後に、発達障害のある社員の採用後に困ったときの、よくある疑問を整理します。
発達障害があることを理由に配置転換できますか?
障害名だけを理由にするのではなく、職務との不一致・本人の希望・配慮の実施状況を確認したうえで検討しましょう。配置転換は、本人の能力発揮と職場運営の両方を見て判断するのが現実的です。決定の経緯は記録に残します。
本人が配慮を希望しない場合はどうしますか?
希望がない場合でも、業務上の支障があれば、事実確認と通常の業務指導はできます。ただし障害や体調に踏み込みすぎず、「業務で困っていること」から対話を始めます。配慮を押しつけるのではなく、選択肢として示しておく形が現実的です。
現場の負担が大きいときは誰に相談すべきですか?
まず人事に共有し、面談記録・配慮内容・評価方針をそろえます。産業保健スタッフや就労支援機関が関われる場合は、本人の同意を前提に連携します。上司ひとりで抱えないことが、現場を守る前提になります。
