学習ドリルの語源の「ドリル学習」とは?具体例をわかりやすく解説

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編集 セオリーズ編集部

本記事は、セオリーズ株式会社の編集部が、心理学・認知科学・行動科学に関する文献や公開情報を確認したうえで作成しています。内容は一般的な知識提供を目的としており、医学的診断・治療を代替するものではありません。

ドリル学習とは

ドリル学習とは、同じ型の問題や課題を繰り返し解いて、知識や技能を定着させる学習法のことです。たとえば、漢字を何度も書く、計算問題を同じ形式で繰り返す、英単語を反復して確認するといった学習があてはまります。

「ドリル(drill)」は英語で訓練・演習・反復練習を意味する言葉で、もともと反復的な訓練を指します。日本でも「算数ドリル」「漢字ドリル」のように、繰り返し解くタイプの教材として馴染みがあるのではないでしょうか。

このように「ドリル学習」は、一定の型を繰り返し練習することで、基礎知識や技能の効率的な定着を促しやすい方法として、教育の現場で広く利用されています。

ドリル学習の理論的背景となったソーンダイクの研究

ドリル学習は、20世紀前半に活躍した教育心理学者ソーンダイクの「試行錯誤学習」や「効果の法則」と関連づけて説明されることが多い学習法です。

ソーンダイクが行なった有名な実験に、猫の問題箱があります。

問題箱とは、ドアが1つと、そのドアを開けるための紐が設置された箱のことです。ドアの外には餌を置き、その中に猫を入れると、猫はドアを開けるためにいろいろな行動を起こします。

そのうち猫は、紐を引っ張るという特定の行動を学習し、問題箱に入るとすぐにドアから出るようになります。

この実験からソーンダイクは、人間も試行錯誤を繰り返しながら学習することで、より効果的に物事を学べると考えました。こうした試行錯誤学習の知見が、反復練習による学習の理論的な背景の一つになっています。

ひたすら練習を積むことで記憶の定着率が上がる

反復してたくさん練習を積むことで学習が定着しやすく、記憶に残りやすいとされています。

インプットだけに偏るよりも、ドリル学習のように『書く・話す・解く』のアウトプットを繰り返すほうが、覚えた内容を思い出しやすくなると考えられています。

書いたり声に出したりする練習は、ただ読むだけの学習よりも記憶の手がかりが増えやすいといわれています。ただし、知識の暗記と運動技能の習得は別の仕組みなので、復習を組み合わせることが大切です。

記憶定着#1
記憶への定着後は定期的に復習をしよう

カナダのウォータールー大学の学習支援資料では、

1度学習したあとに長期的にその記憶を維持するための目安として、24時間以内に10分間の復習を、そして7日後に5分間の学習を、さらに30日以内に2〜4分の学習をすると効果的だと紹介されています。

そのため、ドリル学習で一度覚えた内容も、翌日・1週間後・1ヶ月後と繰り返し学習することが、長期的な記憶の定着に役立つでしょう。

記憶定着#2
ドリル学習が適しているのは基礎定着

ちなみに、ドリル学習が役立つのは、

  • 数式などの初歩的なもの
  • 漢字や単語などの暗記もの
  • なにから始めればいいのかわからない学習の初期段階

など、基礎的なことを学習・定着させたいときです。

子供はもちろんのこと、大人でも新しいことを学ぶ際に、学習の土台をつくる手段として適しています。

ドリル学習の効果を上げるためには

ドリル学習の効果を上げるためには、頑張って学習した後に良い報酬を与えるのも一つの方法です。

例えば、子供が漢字を何度も練習して書けるようになった時にはたくさん褒めてあげたり、よくできた時にはシールを貼ってあげるなどすると、意欲が向上しやすいと考えられます。

ただし注意したいのが、心理学で「アンダーマイニング効果」と呼ばれる現象です。もともと興味を持って取り組んでいる活動に、事前に約束された有形の報酬(お金やモノ)を与え続けると、内発的な意欲がかえって弱まる場合があります。

つまり、学ぶ楽しさで取り組めていた子に「できたらお小遣い」を続けると、報酬がないと勉強しなくなる、といった逆効果が起こり得ます。一方で、努力や成長を認める声かけや肯定的な言葉は、意欲を支えやすいといわれています。

特に、何度も反復をしているうちに飽きがくる可能性もあるので、目標の設定や教材選び、学習環境などにも気を配ることが、学習の効果を高めるうえで大切でしょう。

最後に

ドリル学習とは、同じ型の問題や課題を反復して取り組むことで、知識や技能を定着させていく学習法のことです。「ドリル(drill)」という言葉自体、英語で反復的な訓練・演習を意味します。

一定の型を、繰り返しこなすことで基礎知識や技能の効率的な定着を促しやすいので、基礎を身につけたい場面では学習内容に合わせて取り入れてみるとよいでしょう。


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