自己調整学習とは|具体例をわかりやすく解説

自己調整学習
目次
編集 セオリーズ編集部

本記事は、セオリーズ株式会社の編集部が、心理学・認知科学・行動科学に関する文献や公開情報を確認したうえで作成しています。内容は一般的な知識提供を目的としており、医学的診断・治療を代替するものではありません。

自己調整学習とは

自己調整学習とは、学習者が自分自身の学習プロセスを計画・モニタリング・評価・修正することで、目標達成に向けて能動的に学びを管理する学習の在り方のことです。バリー・ジマーマンらが体系化したモデルが広く参照されています。

ポイント
  • 計画・実行・内省の3フェーズを循環させることで学習を継続的に改善できる
  • メタ認知・動機づけ・行動面の自己調整(学習方略の選択や学習環境の調整)が自己調整を支える柱となる
  • 自己調整能力が高い学習者は、困難な課題でも持続・方略の切り替えができる

自己調整学習のメカニズム

ジマーマンのモデルでは、自己調整学習は予見フェーズ(目標設定・計画・動機づけの確認)、遂行フェーズ(集中・自己モニタリング・方略の実施)、内省フェーズ(自己評価・原因帰属・次回の修正)の3段階を循環します。

これを支えるのが、自分の思考を把握するメタ認知、取り組み続ける動機づけ、そして行動面の自己調整(学習方略の選択・実行や学習環境の調整など)の3要素です。

自己調整学習は、「教えてもらうのを待つ」だけの受動的学習とは異なり、学習者自身が目標・方略・振り返りを調整していく点に特徴があります。外発的な指示に頼らず学び続ける力は、生涯学習や職業的成長で重視されるコンピテンシーとされています。

メタ認知との関係

ここでは、自己調整学習の中核をなすメタ認知との関係を整理します。

メタ認知の2側面
  • メタ認知的知識:
    自分の認知特性・課題の難易度・有効な方略についての知識。「自分は午前中に集中力が高い」「この問題はマインドマップが効く」といった自己理解。
  • メタ認知的調整:
    学習の前・中・後に、自分の理解度や進捗を計画・モニタリング・評価し、必要に応じて方略を変える能力。

自己調整学習の具体例

ここでは、自己調整学習が実際にどう現れるかを3つの場面で紹介します。

具体例#1
試験勉強の計画と振り返り

試験2週間前に「どの科目が弱いか」を分析して学習計画を立て(予見)、毎日の学習後に「今日は何を理解できたか・できなかったか」を記録し(遂行・内省)、翌日の計画を修正する一連のサイクルが自己調整学習の実践です。

具体例#2
プログラミング独学

エラーが出たとき、「なぜエラーになるのか」を調べ、解決策を試し、自分のノートに記録する行動は自己調整学習そのものです。ただコードを写すだけでなく、理解をモニタリングしながら進む点が重要です。

具体例#3
語学学習アプリの活用

DuolingoやAnkiなどのアプリでは、学習進捗や復習状況を確認しながら、苦手な単語・カード・間違えた項目を優先的に復習できます。データを参考に学習計画を調整することで、自己調整学習を実践しやすくなります。

関連概念

自己調整学習を活かす方法

活用のポイント
  • 学習前に「なぜ・何を・どうやって」を明確にする:
    目標・学習内容・使う方略を事前に言語化することで、見通しを持って学習に臨める。
  • 学習後に3分間振り返りを行う:
    「理解できた点・できなかった点・次回の修正」を短くメモするだけで内省フェーズが機能し、次の学習計画が改善される。
  • 「わかった気」をテストで確認する:
    テスト効果を使い、読んだ後に本を閉じて思い出せるかチェックする。メタ認知的モニタリングとして取り入れやすく、効果も期待しやすい方法。

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