本記事は、セオリーズ株式会社の編集部が、心理学・認知科学・行動科学に関する文献や公開情報を確認したうえで作成しています。内容は一般的な知識提供を目的としており、医学的診断・治療を代替するものではありません。
リスキーシフトとは
リスキーシフトとは、集団内で意思決定を行う場合だと、リスクがより高い選択をしやすくなる、という傾向、認知バイアスです。
有名な例だと「赤信号、みんなで渡れば怖くない」ですね。普段一人ではしないような「リスクが高い行動」も、集団だとしてしまうことが特徴です。
- スポーツの戦術決定
戦術に責任を持つ監督がいないと、リスクの高い選択をしやすくなります。 - 社会的な行動全般
友人と一緒だとリスクのある行動を取りやすくなります。集団内での行動は、個人での行動よりも社会的なリスクが少ないので(例:過度な飲酒や、危険なスポーツ)
このように、リスキーシフトは「集団内での意思決定」に影響を及ぼす認知バイアスです。責任の所在を明確にし、全体を俯瞰した冷静な意思決定を行うほかありません。
補足:認知バイアスとは
認知バイアスとは、常識や固定観念、また周囲の意見や情報など、さまざまな要因によって、誤った認識や合理的でない判断を行ってしまう認知心理学の概念です。

対象的な効果は「コーシャスシフト」
リスキーシフトの対照的な現象は「コーシャスシフト」です。議論の結果、集団の結論が当初の個人の意見よりも「慎重で保守的」な方向へ極端化することを指します。
もともと慎重な意見を持つ人が多い集団で起きやすく、失敗が許されない安全確認や倫理判断の場で見られます。
全員で慎重さを競い合うように「より安全な選択」が正解と見なされる心理が働き、個人では選ばないほど過度に保守的な判断に至るのが特徴です。
- 学校行事の実施判断
登山など少しのリスクを伴う行事の際、会議で「安全第一」という言葉が強調されることで懸念が連鎖します。結果として、個人が考えるよりも極端に安全で刺激のない活動へ内容が縮小・変更されることがあります。 - 企業の新事業リスク審査
新規事業の審査会議で、慎重な意見が「責任ある態度」と評価されることで、全員がリスクを極度に避け始めます。個々人は内心「チャンスだ」と思っていても、集団では極めて保守的な却下判断が下されがちです。
リスキーシフトの具体例
「自分たちは冷静に話し合っている」と思っていても、集団の議論は気づかぬうちに判断を過激化させます。ここでは、個人なら選ばなかったはずの「危険寄りの決断」が、どんな場面でどう生まれるのかを、身近な5つのシーンに分けて見ていきます。
- 戦争やテロ
- 掲示板やSNSの誹謗中傷
- 仕事に関連する例
- 恋愛の例
- お金・消費の例
具体例#1
戦争やテロ
一人ひとりは「争いはよくない」と思っているはずなのに、国家という集団のなかでは、その常識がひっくり返ります。
きっかけをつくるのは、強い言葉で不安や敵意を煽る少数の過激な声です。最初は少数派でも、集団の注目が集まるにつれて「強気な主張=頼もしい」と受け取られ、当初は戦争に否定的だった議論が、いつの間にか極端な結論へと傾いていきます。
国家や組織の議論が過熱すると、本来なら避けたい強硬策が「必要な決断」として支持を集めることがあります。こうして開戦や報復のハードルが下がる場面は、リスキーシフトの典型例といえます。
具体例#2
掲示板やSNSの誹謗中傷
SNSや匿名掲示板で起きる誹謗中傷の炎上も、典型的なリスキーシフトです。
一人なら「言い過ぎかな」と躊躇する言葉でも、強い口調で先陣を切る誰かが現れると、他の参加者も「自分も同調していい」「もっと言ってよい」と判断のブレーキが外れていきます。
そこに「誰が書いたかバレない」という匿名性の安心感が重なると、個人の責任感はさらに薄まり、集団全体が加熱していきます。ニュースで話題になる炎上の多くは、このメカニズムで説明できるタイプのリスキーシフトです。
具体例#3
仕事に関連する例
会議室やチャットで意見交換が盛り上がるほど、場の空気は「攻め」に寄っていきます。賛成の根拠が重なり、強気な発言に引っ張られ、個人なら避けたはずのリスクも「みんなで決めたから」と正当化されやすくなります。
たとえば会議のリーダーが、次のような発言を連発し始めたら要注意です。

みんな前向きだし、今期中に出してしまいましょう。細かい検証は走りながらで大丈夫です。

現場が「いけます!」と言ってくれているので、納期は2週間前倒しで問題ないですね。

ここまで全員賛成なので、撤退ラインは一旦決めずに、まず走り出してしまいましょう。
こうした勢い任せの判断は、現場では「拙速なGO判断」や「無理な納期約束」として表れます。
- 新規事業のGO判断が早すぎる
- 不確実な市場でも「まず出そう」という勢いが正当化され、撤退基準が曖昧なまま進む
- 納期短縮を勢いで約束する
- 「いけます!」という声に引っ張られ、現場の工数やリスク検討が後回しになる
具体例#4
恋愛の例
恋愛相談や友人との飲み会など、複数人で話すほど判断は「もう一歩踏み込もう」「攻めたほうがいい」に寄っていきます。背中を押す声が重なれば不安より期待のほうが大きく見え、「みんなも賛成してるし」と責任が分散することで、普段より大胆な行動を選びやすくなります。
- 告白・アプローチが急加速する
- 「今行かないと後悔する!」と煽られ、相手との距離感を無視して突っ込む
- 交際開始が早すぎる
- 十分な信頼関係がないまま「付き合っちゃいなよ」という周囲の声に押し流される
具体例#5
お金・消費の例
お金の使い方も、周囲の購入報告や「今が買い時」の空気に触れるほど判断が強気に振れる分野です。成功談やお得情報が増えるとリスクが小さく見え、「みんなもやってる」「皆で買えば安心」という同調感覚が、責任感を薄めていきます。
結果として、個人で落ち着いて考えれば避けていたはずの出費や投資に、踏み込みやすくなります。
- 投資のリスクを上げてしまう
- 他人の利益報告を聞き、自分だけ乗り遅れる焦りから、損切りルールを無視して投資額を増やす
- 高額商品の衝動買い
- 「人生が変わる」「元が取れる」という口コミに押され、維持費や本当の必要性の確認が甘くなる
リスキーシフトが起こる仕組み・背景
なぜ会議や話し合いをすると、個人のときよりも極端な結論に至ってしまうのでしょうか。この現象は「集団分極化」と呼ばれ、特にリスクの高い決断を下してしまう状態を「リスキーシフト」と呼びます。
単に「空気に流されている」だけではなく、そこには情報、自己呈示、責任感という3つの心理的メカニズムが複雑に絡み合っています。
議論の場を冷静に俯瞰するために、その正体を詳しく紐解いていきましょう。
- 話し合いで意見がどんどん極端になる「集団分極化」
- 「なるほど」という理由が増えて確信が深まる「説得的論拠」
- 周りより「少し良く見せたい」心理が働く「社会的比較」
- 「みんなで決めたから」と失敗の怖さが薄れる「責任の拡散」
リスキーシフトの背景#1
話し合いで意見がどんどん極端になる「集団分極化」
集団分極化は、議論を通じて意見が「もともとの方向」へより極端化する現象です。もともとリスクを好む集団なら「リスキーシフト」、慎重寄りなら「コーシャスシフト」が起きることもあります。
背景には、議論で賛成・反対どちらかの根拠が積み上がりやすいことや、集団の基準が見えることで立場が調整されやすいことが挙げられます。
なお、都合のよい情報だけが集まりやすい「確証バイアス」的な偏りが強まる場面もあり、集団というフィルターを通すことで意見が増幅されやすくなります。
- 投資方針の決定会議
- 前向きな意見が重なることで懸念が薄れます。個人では躊躇するハイリスク案件も、議論を経て「今こそ攻めるべき好機」として承認されるなど、強気の意思決定に寄ることがあります。
- オンラインコミュニティでの過激化
- 似た思想が集まる場では、特定の意見ばかりが共有されます。議論を重ねるうちに「少しの違和感」が「絶対的な悪」へと増幅され、個人の想像を超えた過激な思想や憎悪に至るのが特徴です。
リスキーシフトの背景#2
「なるほど」という理由が増えて確信が深まる「説得的論拠」
議論の中で、自分が知らなかった「自分の意見を支持する新たな根拠」に触れることが要因です。新しい情報を得るたびに「やはり自分の考えは正しい」という確信が深まり、より強い立場をとるようになります。
また、議論の場で繰り返し共有された情報ほど思い出しやすくなり、判断に影響しやすくなる面もあります。賛成意見や根拠が多く提示されると、それが正解に見えて思考の幅が狭まり、結論が一方向に寄りやすくなるのです。
- 新機能採用の検討
- 他者が語るメリットを聞くうちに、当初の迷いが「確信」へと変わります。賛成論拠ばかりが蓄積されることで「導入は必然」という空気が生まれ、全体が推進寄りに傾きやすくなります。
- 裁判の評議による量刑の重罰化
- 他者が提示する論点を次々に聞くうちに、各自の判断が強固になります。根拠が積み重なることで、個人の当初の見立てよりも、結論がより厳格(または寛大)に寄ることがあります。
リスキーシフトの背景#3
周りより「少し良く見せたい」心理が働く「社会的比較」
人は、周囲から浮きたくない一方で、「平均よりは優れた立場にいたい」という自己呈示の欲求を持ちます。議論を通じて集団の基準が分かると、自分をより良く見せるために、標準より少し先鋭化した立場をとろうとします。
これは単なる同調だけではなく、「集団内で価値があるとされる方向」に自ら寄せる心理として説明できます。積極性や有能さを示そうとして、結果的に結論が一段強くなることがあるのです。
- 環境保護の目標設定
- 周囲より「意識が高い」と思われたい心理から、平均より厳しい案を出し合いがちです。貢献をアピールする競争が起き、個人では現実的に感じない数値目標が正解として採用されやすくなります。
- 部活動での過酷な目標設定
- 「意欲が低い」と思われないよう、周囲より少し厳しい案を出そうとしてしまいます。結果、個人の限界を無視した、怪我のリスクを伴うほど過酷な練習メニューが集団の基準として承認されやすくなります。
リスキーシフトの背景#4
「みんなで決めたから」と失敗の怖さが薄れる「責任の拡散」
失敗した際の責任が自分一人ではなく、メンバー全員に分散されると感じることで心理的負担が軽くなる現象です。
これを「責任の拡散」と呼び、集団で意思決定をする際に「誰かが止めてくれるはず」という空気を生みやすくなります。
「みんなで決めたことだから」という心理的防壁が成立するため、個人の価値観や倫理観では選ばないような、不確実で大胆な選択肢を選びやすくなります。結果として、個人よりも極端なリスクを許容してしまうのです。
- 過激な広告キャンペーン
- 炎上リスクに気づいていても「連帯責任」という安心感がブレーキを壊します。失敗の責任が分散されることで心理的負担が軽くなり、大胆なGoサインが出やすくなります。
- 大規模現場での安全確認の漏れ
- 「誰かが確認したはず」という心理が働き、点検を怠る恐怖が薄れます。一人なら決して行わない「確認の省略」が、集団の中では効率化として正当化される危険性があります。
リスキーシフトの実証実験
リスキーシフトは様々な心理学者によって研究が行なわれていますが、最初に提唱したとされているのは、アメリカの社会心理学者ジェームズ・ストーナーです。ストーナーは、1961年に発表した修士論文の中でリスキーシフトの存在を報告しています。
リスキーシフトの実証実験#1
ストーナーによる実証実験
ストーナーによる実証実験は、アメフト試合の「残りワンプレーで試合が終わる」という状況で、被験者やチームがどう判断するのかを検証したものです。
実験で被験者に示された条件は、以下2パターン。
- 安全なプレーを行う
確実に同点で試合を終えられる - 危険なプレーを行う
もし成功すれば勝てるが、失敗すれば負けて試合が終わってしまう
そしてストーナーは、「②危険なプレー」の成功率を1/10、3/10、5/10と上げながら、被験者個人とチーム(すなわち集団)のそれぞれに意見を聞きました。
すると結果として、チーム全体に意見を聞いたときのほうが、被験者個人に聞いた際と比べてリスクの高い選択をしやすくなったのです。
リスキーシフトの実証実験#2
ワラックとコーガンによる実証実験
ワラックとコーガンは、大学受験に関する意思決定で、「被験者」と「被験者の属する集団」の判断がどのように変化するかについて検証しています。
実験では、被験者である学生に以下の課題(設問への回答)を個別に与えたのち、6人での話し合いの時間を設けて、集団での回答を提出するよう指示しました。
【設問】あなたがこれらの大学の中から1つしか受験できないとしたら、どの大学を受験しますか?
- 合格率100%の大学
- 合格率90%の大学
- 合格率70%の大学
- 合格率50%の大学
- 合格率30%の大学
- 合格率10%の大学
実験の結果、被験者個人での回答では、安全圏の大学であるAからCを主に選択していたにも関わらず、集団での回答になるとDからFのハイリスクな選択が増えたのです。
補足:リスクの高い選択をする人がいるとさらに上がる
また、ワラックとコーガンは、「もともとリスクの高い選択をしやすい人を話し合いに加える」などの追加実験を行っています。
その結果、「リスクの高い人が集団内にいるとリスキーシフトが起こりやすい」「リスクの高い人の極端な発言は集団内で好意的に受け止められる」といった側面も実証されました。
ここから、リスキーシフトは「集団に誰が属しているか」によって起きやすさが変わること、そして「極端な発言は集団で歓迎されやすい」ことまでも示されるようになりました。
認知機能(MBTI)でみるリスキーシフトの影響度
個人の性格タイプによっても、集団の空気にどう影響されるかは異なります。ここではMBTIの認知機能を用いて、その傾向を分析してみましょう。
認知機能ベースで見ると、Fe(外向的感情)とNe(外向的直観)が同時に判断プロセスの中核に置かれる状態では、リスキーシフトが発生しやすい傾向があります。
リスキーシフトとは、個人では慎重な判断をする人でも、集団になるとよりリスクの高い意思決定を行いやすくなる認知バイアスです。このバイアスの中核にあるのは、「集団の空気」と「可能性の過大評価」が同時に判断基準へ昇格する点です。単一の認知機能ではなく、FeとNeが同時に作動したときに構造的に発生します。
Fe(外向的感情):集団同調の圧力
- 判断基準が「この場ではどう振る舞うのが自然か」「みんなはどう考えているか」に置かれる
- 慎重な判断よりも、場の合意や勢いを優先しやすい
- 「皆が進むなら自分も大丈夫」という心理が生まれやすい
Ne(外向的直観):成功可能性の拡張
- 判断基準が「うまくいくルートが他にもありそうか」に置かれる
- リスクよりも打開策・成功シナリオが先に想起されやすい
- 「何とかなるはずだ」という楽観的推定が強化されやすい
Feは空気を揃え、Neは可能性を広げます。この二つが重なることで、個人時よりもリスク許容度が上がります。
- ENFJ(主人公)※Fe主機能
場の合意を前提に意思決定し、集団判断でリスクを取りやすい - ESFJ(領事)※Fe主機能
集団の安心感を重視し、慎重さを個人判断から切り離しやすい - ENTP(討論者)※Ne主機能
複数の成功ルートを提示し、リスク評価を相対的に軽くしやすい - ENFP(広報運動家)※Ne主機能
前向きな可能性を共有し、集団全体のリスク感覚を引き上げやすい
※あくまで判断プロセスの傾向差です。
リスキーシフトの影響を受けにくいMBTIタイプ
逆に、リスキーシフトにかかりにくいのは、Ti(内向的思考)やSi(内向的感覚)が判断プロセスに明確に組み込まれている状態です。
- Ti(内向的思考):個人基準での因果検証
集団意見と切り離して、条件・確率・リスクを再評価する - Si(内向的感覚):過去事例・失敗履歴の参照
似た状況で何が起きたかを基準に、リスクを具体化する
これらが主機能となっている場合、「場の勢い」と「自分が負うリスク」を分離して捉えやすく、集団によるリスク増幅に巻き込まれにくい傾向があります。
- INTP(論理学者)※Ti主機能
集団合意から距離を取り、個別条件でリスクを評価し直しやすい - ISTP(巨匠)※Ti主機能
空気よりも構造や因果を優先し、集団判断に流されにくい - ISTJ(管理者)※Si主機能
過去の失敗事例を基準に、集団の楽観を抑制しやすい - ISFJ(擁護者)※Si主機能
安全側の前例を参照し、集団的冒険判断を採用しにくい
誤解しやすい点なので補足すると、リスキーシフトは「大胆な性格だから起きる」のではありません。集団同調(Fe)と可能性拡張(Ne)が同時に働き、個人の検証(Ti/Si)が後退した瞬間に発生します。
また、Ti/Siタイプであっても、役割責任が曖昧な集団状況ではこのバイアスは起きます。判断基準が何であれ、「誰が責任を取るか」が不明確になった時点で、リスキーシフトは発生します。
リスキーシフトの影響度診断
会議や友人同士の話し合いで、気づけば強気な判断に流されていませんか。集団で決めると安心感が増す一方、リスクを取りすぎる「リスキーシフト」が起こりやすくなります。
以下の簡単なチェックで、今のあなたがどれくらい影響を受けているか確認してみましょう。
次の質問に 「はい=1点」「いいえ=0点」 で答えてください。
- 会議で強気な意見が出ると、反対しづらくなる
- 「みんなが賛成なら大丈夫」と感じて決めることが多い
- グループだと、普段より大胆な提案や行動を選びやすい
- 反対意見を出すより、場の空気を優先してしまう
- 成功事例やポジティブ情報が続くと、リスクが小さく見える
- 「最悪こうなる」を考える前に、まずGOを出しがち
- 決定後に「自分の判断というより皆の判断」と感じる
- 友人・同僚の後押しで、勢いのまま進めた経験がある
- お金の話で周囲が盛り上がると、出費や投資が強気になる
- その場で決めたことを、あとから少し後悔することがある
※本診断は自己点検するための簡易チェックなので、あくまでも目安としてご活用ください。
- 0~3点:低め(安心)
集団でも判断が大きくブレにくい状態です。今の良さを保つために、重要な決定だけは「一晩置く」を習慣にするとさらに安定します。 - 4~7点:注意
場の空気や多数意見に引っ張られやすい傾向があります。決める前に「反対案・最悪ケース・撤退条件」を1分で言語化すると暴走を防げます。 - 8~10点:要注意
集団の勢いでリスクを取りすぎやすい状態です。匿名での事前判断、反対役の設定、上限ルール(予算・期限)など“仕組み”でブレーキを作りましょう。
リスキーシフト(コーシャスシフト)を回避するポイント
集団での意思決定は、一人の知恵を超える大きな力を生む一方で、「集団分極化(リスキーシフト・コーシャスシフト)」に陥るリスクを常に抱えています。
「みんなが良いと言っているから」「誰かが責任を取ってくれるだろう」という心理は、個人の冷静な判断を簡単に狂わせます。ただ、その仕組みを理解していれば、私たちはブレーキをかけることができます。
以下の3つのポイントを抑えておきましょう。
- 「もし自分一人なら?」と自問する
- 責任の拡散を防ぐために、個人としての倫理観や許容度を一度切り離して再確認しましょう。
- 「あえて反対する役割」を作る
- 説得的論拠の偏りを防ぐため、あえて欠点やリスクを指摘する「デビルズ・アドボケート(悪魔の代弁者)」を設定するのが有効です。
- 「撤退ライン」をあらかじめ決める
- 場の勢いで判断が加速する前に、客観的な数字に基づく「中止・撤退の基準」を合意しておきましょう。
