障害者雇用の面接質問は、診断名や私生活を広く確認する場ではありません。担当予定の職務を遂行できるか、どの条件をそろえると力を発揮しやすいかを、応募者と一緒に確認する場です。聞き方の軸を「職務適性」「配慮確認」「相談体制」の3つに固定すると、本人の適性・能力と関係のない情報まで広げずに進められます。
面接官ごとに質問内容がばらつくと、応募者が同じ条件で比較されず、入社後の配慮設計にも引き継げません。最初にそろえるのは、職務内容、必須要件、評価基準、配慮確認の目的です。ここを定義してから質問票を作ると、確認したい点と聞きすぎる点を分けられます。
この記事では、企業の人事担当者・現場責任者に向けて、面接前の準備、確認してよい質問例、避けたい質問の聞き換え方、合理的配慮の聞き方、職種別の質問組み立て、面接後の記録と社内共有、面接官向けチェックリストまでを、実務手順で整理します。
本記事は、有料職業紹介事業許可(13-ユ-317587)を取得しているセオリーズ株式会社の編集部が、各社の公式情報・求人情報・公的資料等を確認したうえで作成しています。
面接質問は「職務適性」「配慮確認」「相談体制」の3軸で組み立てる
障害者雇用の面接で確認するのは、診断名そのものではなく、「今回の職務で何ができるか」「どの場面で支障が出やすいか」「会社側でどの調整を検討できるか」です。厚生労働省は、公正な採用選考の基本として、応募者の基本的人権を尊重し、適性・能力に基づいた基準で選考することを示しています。
- 職務適性: 担当予定業務の経験、得意な作業条件、教育で補える範囲
- 配慮確認: 業務上の支障が出やすい場面、検討できる調整、代替案
- 相談体制: 入社後の相談先、報告タイミング、支援機関との情報共有範囲
| 確認の目的 | 聞いてよい方向 | 避けたい方向 |
|---|---|---|
| 職務適性を見る | 担当予定業務の経験、作業手順、得意な環境 | 障害名だけで仕事を決める |
| 配慮を検討する | 業務上支障が出やすい場面、必要な調整 | 病歴や家庭事情を広く聞く |
| 勤務条件を確認する | 勤務時間、休憩、通勤、面接方法の調整 | 体調や生活全般を漠然と聞く |
| 評価基準をそろえる | 成果物、報告方法、教育で補える範囲 | 印象や同情で判断する |
聞き方の軸は、障害の有無ではなく職務との関係です。質問は、求人票に書いた仕事内容と面接後の配属準備につながるものに絞ります。本人の生活全般を確認する必要はなく、必要な情報も「使う目的・範囲・記録の残し方」を先に決めてから聞きます。
出典: 厚生労働省「公正な採用選考の基本」、厚生労働省「雇用の分野における障害者への差別禁止・合理的配慮の提供義務」(2026年6月確認)
面接前にそろえる4つの準備
面接で何を聞くかは、面接当日の会話だけでは決まりません。職務要件・条件整理・質問票・配慮申出窓口の4点を事前に固めると、面接官ごとに質問がばらつかず、応募者にも一貫した条件を提示できます。
準備#1
採用予定の職務を作業単位に分解する
「事務職」「軽作業」のように職種名だけで募集すると、応募者は何を任されるか分からず、面接でも「経験はありますか」程度の確認に終わります。まずは採用予定の仕事を、毎日発生する業務、週に数回の業務、入社後に教える業務、本人に任せない業務に分けます。
たとえば事務職なら、データ入力、電話対応、来客対応、資料作成、社内チャット、郵送対応、備品管理などに分解します。そのうえで、面接で優先して確認する作業を3〜5項目に絞ると、応募者にも具体的に質問できます。
- 業務名と所要時間の目安(例: 請求書チェック・1日30分)
- 頻度(毎日/週次/月次/不定期)
- 判断の難しさ(マニュアルあり/都度判断/複数部署と調整)
- 使うツール(PC・電話・専用端末・対面)
- 教育担当と入社後の習得期間の目安
避けたい準備は、現場任せで業務リストを作らないまま面接に入ることです。応募者が「思っていた仕事と違う」と感じる原因の多くは、面接時の説明不足ではなく、社内で業務が言語化されていないことから始まります。
準備#2
必須条件・育成可能条件・調整可能条件を分ける
「PC操作」「電話対応」「フルタイム勤務」「対人調整」をすべて必須にすると、必要以上に対象を狭め、職務と関係のない条件で応募者を落としてしまうことがあります。条件は「絶対に必要」「教育で身につけられる」「配置や手順で調整できる」の3層に分けます。
| 条件の種類 | 例 | 面接での扱い |
|---|---|---|
| 必須条件 | 業務の根幹で代替不可(例: 個人情報を扱う最低限のPC操作) | 具体的に経験・程度を確認する |
| 育成可能条件 | 入社後の研修で習得できる(例: 自社システム操作、社内ルール) | 「未経験でも可」と伝え、習得経験を聞く |
| 調整可能条件 | 配置・手順で運用できる(例: 電話対応、来客対応、勤務時間) | 「希望があれば調整可」と伝え、希望を確認する |
3層に分けると、面接質問も「必須条件→経験を聞く/育成条件→学習意欲と方法を聞く/調整条件→希望を聞く」と性質が変わります。避けたいのは、調整可能な条件まで必須に固めて、結果的に障害名で対象を絞ってしまうことです。
準備#3
面接官全員が共通質問票を持つ
面接官によって聞く内容が違うと、応募者ごとに集まる情報が偏り、採否判断と入社後準備のどちらにも使いにくくなります。「職務経験」「作業環境」「指示の受け方」「必要な配慮」「入社後の相談先」を共通項目にし、選考の段階ごとに誰が何を聞くかを決めます。
質問票には、各質問の目的も併記します。「通院頻度を聞く」ではなく「勤務時間や休暇調整の必要性を確認する」と書き換えると、面接官の聞き方が職務上の目的に揃います。聞いた情報をどの記録に残すか(職務適性/配慮事項/勤務条件)も質問票内で対応づけておきます。
避けたいのは、面接官個人の経験や印象に質問を委ねることです。とくに障害名や診断名を「念のため確認する」と曖昧に聞き始めると、応募者の人格や私生活へ踏み込みやすくなります。
準備#4
応募者への配慮申出窓口を募集段階で明示する
合理的配慮は、応募者からの申出を受けて、支障となっている事情を確認し、話し合いで内容を検討する流れです。面接時間、会場、筆談、オンライン面接、支援機関の同席、休憩、資料の事前送付など、面接そのものへの配慮には準備時間が必要です。
募集案内の記載例:「面接時に配慮が必要な場合は、応募フォームまたは下記窓口までお知らせください。筆談、オンライン面接、面接時間の調整、休憩の確保、支援機関の同席などを検討します。」
配慮申出窓口は、応募者が選考前に連絡しやすい形(メール・専用フォーム・電話)で複数用意します。窓口がない、または面接当日に口頭で確認するだけだと、応募者は配慮を申し出にくく、結果として支障を抱えたまま面接を受けることになります。
出典: 厚生労働省「合理的配慮指針」、厚生労働省「合理的配慮指針事例集 第六版」(2026年6月確認)
確認してよい質問例(職務×配慮×相談体制)
確認してよい質問は、職務遂行、勤務条件、配慮、相談体制に関係するものです。障害名そのものよりも、仕事上の支障と調整方法を聞きます。質問は「なぜできないのか」ではなく、「どの条件ならできるか」に向けます。
| 確認したいこと | 質問例 | 面接で見るポイント |
|---|---|---|
| 経験と得意業務 | これまで担当した業務の中で、今回の仕事内容に近いものはありますか。 | 任せられる作業と教育が必要な作業 |
| 苦手な作業条件 | 今回の仕事内容で、進めにくさが出そうな作業や環境はありますか。 | 職務設計や環境調整の必要性 |
| 指示の受け方 | 口頭、チャット、手順書など、作業指示はどの形が進めやすいですか。 | 指示方法、教育担当、確認頻度 |
| 報告・相談 | 困ったときは、どのタイミングで相談できると働きやすいですか。 | 相談先とエスカレーション方法 |
| 勤務時間 | 勤務時間や休憩の取り方で、事前に相談したいことはありますか。 | 通勤、休憩、勤務形態の調整 |
| 配慮事項 | 業務を進めるうえで、会社側に配慮してほしいことはありますか。 | 実施可能な配慮と代替案 |
| 支援機関連携 | 必要に応じて、支援機関の方と情報共有してもよい範囲はありますか。 | 本人同意、共有範囲、連絡方法 |
良い聞き方の例:「この業務は1日2時間ほどPCで請求書を確認する作業が中心です。前職で似た作業をされたとき、進めやすかった条件と進めにくかった条件を教えていただけますか。」
採用面接では、できること、制限があること、必要な支援を職務との関係で把握します。応募者の生活全般を確認する必要はなく、聞いた情報も採否判断と入社後準備のどちらに使うかを分けて記録します。
避けたい質問と聞き換え例
障害者雇用の面接でも、公正な採用選考の考え方は変わりません。厚生労働省は、本人に責任のない事項や本来自由であるべき事項を把握すること、合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断などを、就職差別につながるおそれがある事項として示しています。
| 避けたい聞き方 | 問題になりやすい点 | 聞き換え例 |
|---|---|---|
| 病名や発症時期を詳しく教えてください | 職務と関係しない医療情報まで広がりやすい | 業務上、配慮が必要になりそうな場面はありますか |
| 家族はサポートしてくれますか | 家族構成や家庭環境の把握につながる | 勤務中に会社として確認しておく連絡先や相談先はありますか |
| 通院内容を詳しく教えてください | 医療情報の過剰把握になりやすい | 勤務時間や休暇取得で、事前に相談したい予定はありますか |
| 障害者手帳の等級で業務を判断する | 個人の能力や職務条件を見落とす | 今回の作業で、問題なくできることと調整が必要なことを教えてください |
| なぜ前職でうまくいかなかったのですか | 責任追及の印象になりやすい | 前職で働きやすかった条件、働きにくかった条件はありますか |
| 結婚や家族の予定はありますか | 適性・能力に関係のない事項の把握になる | 求人票の勤務条件で、確認しておきたい点はありますか |
| 普段の生活はどう過ごしていますか | 私生活への過剰な踏み込みになりやすい | 勤務日に体調を整えるうえで、会社側に事前共有したいことはありますか |
- その情報は、採否判断と入社後準備のどちらに本当に必要か
- その情報を「使う目的・範囲・記録の残し方」を応募者に説明できるか
- 同じ目的を、職務との関係を尋ねる別の質問で代替できないか
障害者雇用だからといって、何でも聞けるわけではありません。採用後の配慮に必要な情報は確認できますが、聞く目的、使う範囲、記録の残し方を先に明確にし、応募者にも面接の冒頭で説明してから質問に入ります。
出典: 厚生労働省「採用選考時に配慮すべき事項」、厚生労働省「公正な採用選考 Q&A」(2026年6月確認)
合理的配慮の聞き方
合理的配慮を確認するときは、希望を丸ごと受け入れるか断るかの二択にしません。支障となっている事情を確認し、職務内容に照らして実施可能な措置を話し合い、難しい場合は代替案を示します。
確認#1
本人の申出から始める
面接や採用選考で支障になっている事情があるかを、まず応募者本人から確認します。応募者が具体的な措置を言いにくい場合は、診断名を聞き出すのではなく、困りごとの「場面」を聞きます。
声かけ例:「面接で長時間集中することが負担に感じる場面はありますか」「筆記試験の文字サイズや時間配分で事前に相談したい点はありますか」「口頭の説明と文面の説明、どちらが内容を確認しやすいですか」
避けたい初手は、応募者が黙っているのを「希望なし」と記録することです。配慮の申出は応募者にとって心理的負担が大きく、聞き手側が場面を例示して尋ねないと出てこないことが多くあります。
確認#2
職務との関係で配慮事項を整理する
配慮事項は、担当予定業務との関係で整理します。作業時間、作業場所、指示方法、確認手順、休憩、通勤、緊急時対応などに分けて、それぞれ「支障になる場面」と「会社側で検討できる調整」を対応させます。
| 業務カテゴリ | 支障になりやすい場面 | 検討できる調整 |
|---|---|---|
| 指示の受け方 | 口頭一斉指示で内容が抜ける | 文書化、チャット併用、復唱確認 |
| 作業時間 | 長時間連続で集中が落ちる | 休憩タイミング、タスク分割、納期設定 |
| 作業環境 | 複数の音や視覚刺激で疲れやすい | 席配置、パーティション、イヤーマフ可 |
| 勤務時間 | 通勤時間帯の混雑が負担 | 時差出勤、在宅併用、出社日固定 |
| 緊急時対応 | 突発の指示変更や呼び出し | 連絡経路の明確化、代替担当の事前指定 |
この段階で、診断名や病歴を広く聞く必要はありません。仕事を進めるうえで何が支障になり、どの調整で改善できるかが整理できれば、入社後の受け入れ準備にそのまま使えます。
確認#3
実施できる措置と代替案を話し合う
応募者が希望する配慮をそのまま実施できない場合でも、「できません」で終わらせないことが大切です。実施が難しい理由を整理し、別の方法で同じ支障を減らせないかを話し合います。
たとえば、完全在宅勤務が難しい場合でも、出社日を固定する、朝の混雑時間を避ける、指示を文書化する、教育担当を固定するなどの調整を提案できます。本人の意向を確認し、合意できた範囲を記録に残します。
- 希望された配慮の目的(減らしたい支障)を本人と言葉で確認する
- 実施が難しい理由を、職務内容・体制・コストの観点で具体的に伝える
- 同じ目的を達成しうる代替案を2〜3案提示する
- 合意できた範囲・試行する期間・見直しタイミングを記録する
避けたいのは、社内で検討する前に即「過重な負担」と判断して断ることです。配慮の検討経過は、応募者・会社双方の納得感と、入社後の信頼関係に直結します。
確認#4
共有範囲と記録方法を本人と合意する
面接で確認した配慮事項は、採否判断だけでなく入社後の受け入れ準備に使います。誰が、何を、どの範囲で共有するかを、本人と合意したうえで記録します。
共有する情報は、職場で業務上必要な範囲に絞ります。診断名の詳細ではなく、作業指示、避けたい環境、緊急時の連絡、相談先など、業務運用に必要な情報を残します。共有先と共有内容は別表で管理し、本人がいつでも確認できるようにします。
避けたいのは、口頭の合意だけで進めて記録を残さないことです。記録がないと、配属後に配慮が再現されず、本人が同じ説明を繰り返すことになります。
出典: 厚生労働省「合理的配慮指針」(2026年6月確認)
職種別 面接質問の組み立て例
面接質問は、仕事内容から逆算して作ります。ここでは、企業で起きやすい3つの場面に分けて、聞き方を整理します。
例#1
事務職でデータ入力を任せる場合
職務要件は、入力精度、確認手順、納期、社内ツールの使用です。面接では、前職で使っていたツール、ミスを防ぐ確認方法、集中しやすい作業環境、依頼が重なったときの優先順位の付け方を聞きます。
質問例:「1日のうち2時間ほど、請求書のチェックと入力を担当いただきます。前職で似た作業をされたとき、ミスを減らすために工夫していたことを教えてください。」
配慮事項は、口頭指示より文書指示がよいか、作業量の見通しを先に示す必要があるか、チェックリストがあると進めやすいか、休憩タイミングを固定したいかを確認します。避けたいのは「PC作業は大丈夫ですか」と漠然と聞くことです。応募者は「大丈夫です」と答えやすく、入社後の準備に使える情報が残りません。
例#2
軽作業・物流で立ち仕事がある場合
職務要件は、立位時間、持ち運び、手順の反復、安全確認です。面接では、無理なく続けられる作業時間、休憩の取り方、重量物や姿勢で注意が必要な点、危険物・機械の取り扱いで事前共有したいことを聞きます。
質問例:「この作業は1回20分ほど立って行います。途中で5分の休憩を挟みます。立位時間や姿勢で事前に相談したいことはありますか。」
避けたいのは、「体力は大丈夫ですか」「健康面で不安はありますか」と広く聞くことです。応募者は否定しにくく、答えても職務との関係が見えません。具体的な作業条件を提示してから尋ねると、必要な調整が会話のなかで自然に出てきます。
例#3
支援機関の同席を希望する場合
応募者が就労移行支援事業所・ジョブコーチ・ハローワーク等の同席を希望する場合は、同席者の役割を先に確認します。本人の代わりに答えるのか、配慮内容の補足を行うのか、面接後の振り返りに同席するのかで、面接の進め方が変わります。
合理的配慮指針事例集では、面接時に就労支援機関の職員等の同席を認める事例が示されています。同席を認める場合でも、本人の意思確認を中心にし、支援機関と共有する情報の範囲は本人同意に基づいて整理します。
避けたいのは、同席者と会社側だけで会話が進み、応募者本人の意思確認が抜けてしまうことです。質問は本人へ向け、必要に応じて支援機関へ補足を求める順序を守ります。
出典: 厚生労働省「合理的配慮指針事例集 第六版」(2026年6月確認)
面接後の記録と社内共有
面接後は、印象ではなく確認した事実を記録します。採否判断に使う情報と、入社後準備に使う情報を分けると、情報共有の範囲を管理しやすくなります。
| 記録項目 | 記録する内容 | 共有先 |
|---|---|---|
| 職務適性 | 経験、スキル、任せられる業務、教育が必要な業務 | 採用担当、配属予定責任者 |
| 配慮事項 | 指示方法、勤務時間、作業環境、相談先 | 本人同意と業務上必要な範囲の関係者 |
| 実施可否 | 実施できる配慮、難しい配慮、代替案、見直し時期 | 人事、配属予定責任者 |
| 入社準備 | 初日までに必要な備品、手順書、教育担当、面談日 | 人事、配属部署 |
注意したいのは、面接で得た障害や配慮に関する情報を、社内全体へ広げないことです。共有範囲は本人同意と業務上の必要性で絞り、共有先・共有内容・共有理由を本人に説明できる形で残します。
採用後に状況が変わることもあります。入社時だけで決め切らず、配属後3か月・半年など定期面談で配慮が機能しているかを確認する前提にします。
面接官向けチェックリスト(面接前後の最終確認)
面接前後の抜け漏れを減らすには、質問例だけでなく、確認した事実の扱い方まで決めておきます。各項目を「面接前に確認するか/面接後に振り返るか」で分けて運用します。
- 求人票の仕事内容と面接質問が対応している
- 面接官全員が同じ評価基準・共通質問票を見ている
- 面接案内に配慮申出窓口(メール・電話・フォーム)を明記している
- 支援機関同席や面接方法の配慮を事前に案内している
- 本人の適性・能力に関係のない事項を聞いていない
- 配慮事項を、職務との関係で確認・記録している
- 採否判断に使う情報と入社後準備に使う情報を分けて整理している
- 本人同意なしに障害や配慮の情報を広く共有していない
- 代替案を検討した場合、検討経過と合意内容を記録している
チェックリストは、面接官を縛るためではなく、不要な質問を避け、入社後に必要な準備へつなげるために使います。1回の面接で完成度を求めるのではなく、選考全体・入社後面談まで通して整える前提にします。
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面接質問だけでなく、求人票、採用基準、聞いてはいけない質問もあわせて確認すると、選考全体の一貫性を整えやすくなります。
よくある質問
FAQ#1
障害者雇用の面接で障害名を聞いてはいけませんか?
障害名そのものを聞くこと自体が目的になる質問は避けます。職務遂行上の支障、必要な配慮、勤務条件との関係を確認する形にし、診断名は本人が共有を希望した範囲で記録します。
「障害名を聞かないと配慮を準備できない」と感じる場合は、聞きたい情報が診断名なのか「業務上の支障と必要な調整」なのかを面接官側で先に整理します。多くの場合、後者を業務カテゴリ別に質問すれば、配慮設計に必要な情報は集まります。
FAQ#2
通院や服薬について聞いてもよいですか?
医療情報を詳しく聞くのではなく、勤務時間、休憩、休暇取得、緊急時対応など、業務運用に必要な範囲で確認します。「通院は月何回ありますか」ではなく、「勤務時間や休暇取得で、事前に相談したい予定はありますか」と尋ねます。
採用選考時の健康情報の扱いは慎重にし、職務と関係のない情報を集めないようにします。聞いた情報は、本人同意のうえで人事・配属予定責任者の必要範囲だけに共有します。
FAQ#3
合理的配慮をすべて実施できない場合はどうすればよいですか?
実施できない理由を整理し、代替案を話し合います。合理的配慮は、本人との相互理解の中で、過重な負担にならない範囲も踏まえて検討するものです。検討経過と合意した範囲を記録に残し、入社後の見直しタイミングも本人と決めておきます。
「できません」で終えず、勤務時間、指示方法、担当業務、教育体制、配置場所など別の調整で同じ支障を減らせないかを確認します。検討の進め方そのものが、応募者の納得感と入社後の信頼関係に影響します。
FAQ#4
支援機関の同席を認める場合、面接はどう進めますか?
同席者の役割を面接冒頭で確認します。本人の発言を補足するのか、配慮事項の説明を支援するのかを分け、質問は基本的に本人へ向けます。
面接後は、支援機関と共有する情報の範囲を本人同意に基づいて整理します。同席者が同じ条件で他の応募者にも対応できるよう、面接案内・配慮申出窓口・記録方法を支援機関側にも事前共有しておくと、選考全体が円滑に進みます。
