障害者雇用の面接でよく聞かれるのは、職務経験・志望動機・必要な配慮・勤務条件・逆質問など、応募職種への適性と働く見通しを確認する質問です。
面接で聞かれる内容は、企業、職種、選考段階によって変わります。そのため、質問を丸暗記するより、よく聞かれることがある質問カテゴリを知り、自分の経験、働き方、必要な配慮、確認したい条件を整理しておくことが大切です。
この記事では、障害者雇用の面接でよく聞かれる15の質問と回答例、配慮事項の伝え方、逆質問の例を紹介します。自分の経験や働き方に置き換えながら、面接の準備を進めてください。
障害者雇用の面接は、質問への模範解答を暗記する場ではなく、応募職種への適性と入社後に安定して働ける見通しを確認する場です。職務経験、業務への影響、必要な配慮、勤務条件を分けて準備し、答えにくい質問は職務との関係に戻して整理しましょう。
本記事は、有料職業紹介事業許可(13-ユ-317587)を取得しているセオリーズ株式会社の編集部が、各社の公式情報・求人情報・公的資料等を確認したうえで作成しています。
障害者雇用の面接は「質問の暗記」より準備材料の整理が大切
面接で確かめられるのは、暗記した回答ではなく、応募職種への適性とこれから安定して働ける見通しです。
面接対策というと、質問と回答例を覚えることをイメージしがちです。ただし、面接の目的は暗記した回答を披露することではありません。応募先の仕事に対して、経験や働き方が合うかを確認する場です。
- 見られるのは職務への適性と働く見通し
- 質問は企業・職種・選考段階で変わる
準備材料の整理#1
面接で見られるのは職務への適性と働く見通し
中心になるのは、応募先の仕事をどう進められるかです。
採用担当者が知りたいのは、診断名や過去の事情そのものではなく、応募職種でどの業務を任せられそうか、入社後にどの条件なら安定して働けそうかです。
障害者雇用の面接でも、障害名そのものより、応募職種で何ができるか、どのような条件なら安定して働けるか、必要な配慮をどうすり合わせるかが重要です。
準備材料の整理#2
質問は企業・職種・選考段階で変わる
「必ず聞かれる質問」ではなく、準備しておきたいカテゴリとして考えます。
面接で聞かれる内容は、企業や職種によって異なります。一次面接では基本的な職務経験や希望条件、最終面接では入社後の働き方や意思確認が中心になることもあります。
そのため、質問を一言一句想定するより、自己紹介、職務経験、志望動機、配慮事項、勤務条件、逆質問といったカテゴリごとに準備しておく方が対応しやすくなります。
面接でよく聞かれる質問カテゴリ
障害者雇用の面接でよく聞かれるのは、一般的な転職面接と共通する質問に、障害・配慮・勤務条件の確認が加わったものです。
まずは、どのカテゴリにどのような質問の意図があるかを一覧で確認しましょう。質問の意図を押さえておくと、回答を準備する方向が定まりやすくなります。
| よく聞かれる質問 | 質問の意図 | 回答準備のコツ |
|---|---|---|
| これまでどのような仕事をしてきましたか | 応募職種に活かせる経験があるか | 応募職種と接点のある経験を中心に短くまとめる |
| なぜ当社に応募しましたか | 仕事内容への理解と継続して働く見通し | 企業名だけでなく、仕事内容と自分の経験をつなげる |
| 前職を退職した理由は何ですか | 同じ理由で早期離職しないか | 事実を整理し、今後続けやすい働き方につなげる |
| 業務上、どのような配慮が必要ですか | 採用後に調整できる範囲の確認 | 診断名だけでなく、業務場面・工夫・相談したい配慮を分ける |
| 週何日・何時間勤務できますか | 勤務条件のすり合わせ | 希望と対応できる範囲、確認したい点を分けて準備する |
| 何か質問はありますか(逆質問) | 入社後のミスマッチを減らすための確認 | 業務内容・配慮の相談方法・教育体制を確認できるようにする |
- 自己紹介・職務経歴に関する質問
- 志望動機・自己PRに関する質問
- 転職理由・離職期間に関する質問
- 障害・体調・配慮事項に関する質問
- 勤務条件・働き方に関する質問
- 逆質問
質問カテゴリ#1
自己紹介・職務経歴に関する質問
面接の冒頭では、これまでの経歴を短く説明できるかが見られます。
自己紹介では、氏名や経歴を長く話すより、応募職種に関係する経験、できる業務、応募先で活かせる強みを先にまとめます。
障害者雇用の面接でも、「これまでどのような仕事をしてきましたか」「担当業務を簡単に説明してください」「得意な業務は何ですか」といった質問に備えておきましょう。
質問カテゴリ#2
志望動機・自己PRに関する質問
志望理由と強みは、書類と同じ方向で説明できるようにします。
「なぜ当社に応募しましたか」「この職種を希望する理由は何ですか」「あなたの強みは何ですか」といった質問は、面接でも聞かれることがあります。
ここでは、志望動機や自己PRの文章をそのまま読む必要はありません。応募先の仕事内容と、自分の経験や強みがどうつながるかを短く説明できるようにしておきます。
質問カテゴリ#3
転職理由・離職期間に関する質問
退職理由やブランクは、責任転嫁ではなく次の働き方につなげて説明します。
「前職を退職した理由は何ですか」「転職回数が多い理由は何ですか」「離職期間は何をしていましたか」と聞かれることがあります。
回答では、退職理由や離職期間の事実を簡潔に伝えたうえで、現在の就業状況や、同じ状況を繰り返さないために整えたことを説明しましょう。
質問カテゴリ#4
障害・体調・配慮事項に関する質問
障害名の説明より、業務への影響と必要な配慮を整理します。
障害者雇用では、「業務上どのような配慮が必要ですか」「体調面で配慮してほしいことはありますか」「通院頻度は勤務に影響しますか」といった確認が行われることがあります。
このときは、診断名や症状の詳しい説明だけで終わらせず、業務への影響、安定して働くための工夫、企業に相談したい配慮を分けて整理しておきます。具体的な伝え方は、配慮事項の伝え方の記事で詳しく確認する前提にすると、面接全体の準備がしやすくなります。
質問カテゴリ#5
勤務条件・働き方に関する質問
勤務時間、通院、在宅勤務などは、希望と現実的な条件を分けて整理します。
「週何日勤務できますか」「残業は可能ですか」「通院日はどのように調整しますか」「在宅勤務を希望しますか」といった質問が出ることがあります。
希望条件だけでなく、対応できる範囲、難しい条件、相談したい点を整理しておきましょう。曖昧に答えるより、現時点で分かっている範囲を伝え、確認が必要な点は面接後に補足する方が落ち着いて対応できます。
質問カテゴリ#6
逆質問
逆質問は、入社後のミスマッチを減らすための確認機会です。
面接の最後に「何か質問はありますか」と聞かれることがあります。逆質問では、求人票だけでは分からない業務内容、教育体制、配慮事項の相談方法、チームでの役割などを確認できます。
給与や休日だけを聞くのが悪いわけではありませんが、それだけに偏ると働くイメージが伝わりにくくなります。応募先で安定して働くために必要な情報を確認しましょう。
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障害者雇用の面接でよく聞かれる質問15選と回答例
答えを丸暗記せず、伝える軸と避けたい言い方だけ押さえておくと、本番で応用しやすくなります。
| 質問 | 回答例 | 伝える軸 | 避けたい言い方 |
|---|---|---|---|
| 自己紹介をお願いします | 氏名と直近の業務を1分ほどで。「前職では〇〇を担当していました」 | 端的さと人柄 | 経歴を全部話して長くなる |
| これまでの職務経歴を教えてください | 担当業務→工夫した点→成果の順で、1社ずつ簡潔に | 再現できる強み | 事実の羅列で工夫が見えない |
| 当社を志望した理由を教えてください | 「事業の〇〇に共感し、経験を活かせると考えました」 | 企業理解と接点 | 「安定していそう」など受け身な理由 |
| あなたの強みを教えてください | 強みを一つに絞り、裏づけの経験を添えて話す | 具体例に基づく強み | 強みを複数並べて印象が薄い |
| 転職を考えた理由を教えてください | 「〇〇の経験を深めたく、次の環境を探しています」 | 前向きな方向づけ | 前職への不満だけで終わる |
| 離職期間中はどのように過ごしていましたか | 「体調を整え、〇〇の学習に取り組んでいました」 | 空白期間の使い方 | 「特に何も」と説明を避ける |
| 障害や体調が仕事に与える影響を教えてください | 「〇〇があり、現在は通院と工夫で安定しています」 | 現状と安定していること | 不安を強調しすぎる/逆に隠す |
| 業務上、必要な配慮はありますか | 〇〇の配慮があると、安定して業務に取り組みやすくなります。具体的な運用方法は、選考中または入社前に相談させてください。 | 必要な配慮の要点 | 要望を細かく並べすぎる |
| 通院頻度と勤務への影響を教えてください | 「月〇回、〇曜午前など、目安をお伝えできます」 | 頻度の見通し | 「わかりません」で終える |
| 苦手な業務や負担になりやすい場面はありますか | 「〇〇は苦手ですが、△△で補うようにしています」 | 対処とセットで話す | 「ありません」と言い切る |
| ストレスや体調の変化にどう対処していますか | 「早めに相談し、休息の取り方を決めています」 | セルフケアの具体策 | 「我慢する」だけで対処がない |
| 希望する勤務日数・勤務時間を教えてください | 「フルタイム希望ですが、体調に応じて相談したいです」 | 希望と柔軟さ | 条件を一方的に要求する |
| 在宅勤務と出社について希望はありますか | 「出社を基本に、在宅も併用できると助かります」 | 働き方の希望 | どちらか一方に固執する |
| 入社後に取り組みたいことを教えてください | 「まず〇〇で貢献し、徐々に幅を広げたいです」 | 貢献と成長の順序 | 抽象的で具体像がない |
| 最後に何か質問はありますか | 「配属チームの一日の流れを教えていただけますか」 | 入社後を見据えた関心 | 待遇や休みだけを尋ねる |
深掘り質問への答え方
一次回答のあとに続く深掘りは、準備の質が出る場面です。型を知っておくと落ち着いて答えられます。
深掘り#1
具体例を聞かれたとき
「結論→状況→行動→結果」の順で、一つの経験に絞って話すと伝わりやすくなります。数字や自分の役割を一言添えると、面接官が場面を想像しやすくなります。
たとえば、「ミスを減らすために工夫したことはありますか」と聞かれた場合は、「前職ではデータ入力を担当しており、提出前に確認項目をまとめたチェックリストを使っていました。その結果、確認漏れを防ぎながら安定して作業を進められました」のように答えます。
深掘り#2
配慮の可否を詳しく聞かれたとき
できることと必要な配慮を分けて伝え、具体的な対応方法を企業とすり合わせます。
たとえば、「口頭での指示には対応できませんか」と聞かれた場合は、「短い指示であれば対応できますが、複数の工程がある場合は、チャットやメモでも確認できると抜け漏れを防ぎやすくなります。実際の運用方法は御社と相談したいです」のように伝えます。
深掘り#3
退職理由・ブランクを深掘りされたとき
事実を短く認めたうえで、そこから何を学び、次にどう活かすかへ話をつなげます。空白期間は療養や学習など、前向きな使い方を一言添えると説明の筋道が伝わりやすくなります。
たとえば、離職期間について聞かれた場合は、「退職後は体調と生活リズムを整えることを優先しながら、Excelの学習にも取り組んでいました。現在は勤務に向けた準備が整っているため、これまでの事務経験を活かして働きたいと考えています」のように、過去・現在・今後の順で説明します。
深掘り#4
入社後の働き方を聞かれたとき
勤務時間や通院の見通しを具体的に伝え、必要な条件は選考中から入社前までに確認します。「まず慣れてから役割を広げたい」と段階を示すと、定着への意欲が伝わります。
たとえば、「フルタイムで勤務できますか」と聞かれた場合は、「現在は週5日のフルタイム勤務が可能です。月1回の通院があるため、その日は事前に相談のうえ半休を取得したいと考えています。入社後は、まず担当業務を安定して覚え、慣れてから業務の幅を広げたいです」のように答えます。
自己紹介・職務経験に関する質問への準備
序盤の自己紹介は、応募職種と接点のある経験を短くまとめて話すことが準備の基本です。
長く話しすぎると要点が伝わりにくくなるため、先に話す範囲を決めておきます。次の3点を準備しておくと、序盤で落ち着いて対応できます。
- 経歴は短く要点をまとめる
- 成果より担当業務と再現できる経験を整理する
- 苦手な業務は対策とセットで整理する
自己紹介の準備#1
経歴は短く要点をまとめる
自己紹介では、氏名、直近の経験、応募職種との接点を簡潔に話します。
自己紹介で職務経歴をすべて説明する必要はありません。応募職種と関係が深い経験を中心に、短くまとめます。
たとえば、「前職では事務職としてデータ入力と書類確認を担当していました。正確な処理と早めの報告を意識してきたため、今回の事務職でもその経験を活かしたいと考えています」のように、経験と応募先の接点を一文でつなげます。
自己紹介の準備#2
成果より担当業務と再現できる経験を整理する
大きな実績がなくても、担当業務と工夫を説明できれば材料になります。
面接では「実績」を聞かれることがありますが、売上や表彰のような成果だけが材料ではありません。担当業務、工夫した点、周囲と連携したこと、続けてきたことも説明材料になります。
障害者雇用の面接では、安定して働く見通しも重要です。「同じ作業を継続するために確認表を使っていた」「体調に合わせて作業量を早めに相談していた」など、再現できる工夫を整理しておきましょう。
自己紹介の準備#3
苦手な業務は対策とセットで整理する
苦手なことを聞かれたら、避けたい業務だけでなく対策も伝えます。
「苦手な業務はありますか」と聞かれることがあります。苦手なことを隠す必要はありませんが、「できません」だけで終わると、働き方の見通しが立ちにくくなります。
「口頭だけの複雑な指示は抜け漏れが出やすいため、メモやチャットで確認しています」のように、苦手な場面と対策をセットで整理しておくと、必要な配慮の相談にもつながります。
志望動機・自己PRに関する質問への準備
志望動機と自己PRは、書類に書いた内容を口頭でも説明できるように準備しておくことが大切です。
書類と違う内容を話す必要はありませんが、丸読みではなく要点を自分の言葉で言えるようにしておきます。次の3点を準備の柱にします。
- 志望理由は求人内容との接点で整理する
- 自己PRは強みと根拠経験で準備する
- 入社後に活かせることを一文で言えるようにする
志望動機の準備#1
志望理由は求人内容との接点で整理する
志望理由は、企業名だけでなく仕事内容と自分の経験につなげます。
「なぜ応募しましたか」と聞かれたときは、企業の理念や条件だけでなく、仕事内容との接点を入れます。
「在宅勤務があるから」だけでなく、「データ整理の経験を活かせる業務内容であり、通院と両立しながら継続して働ける環境だと考えたため」のように、職務内容と働き方の見通しをつなげると説明しやすくなります。
志望動機の準備#2
自己PRは強みと根拠経験で準備する
強みは一つに絞り、根拠となる経験を添えて話します。
「自己PRをしてください」と言われたら、長所を複数並べるより、応募職種に合う強みを一つ選びます。
「正確に作業することが強みです。前職では入力後に確認項目を決め、抜け漏れを防ぐようにしていました」のように、強みと根拠経験をセットで話せるようにしておきましょう。
志望動機の準備#3
入社後に活かせることを一文で言えるようにする
最後に、応募先でどう活かせるかを短くまとめます。
面接では、過去の経験だけでなく、入社後にどう活かすかを確認されることがあります。応募職種の仕事内容を見ながら、自分の経験がどこで役立つかを一文で言えるようにしておきます。
「これまでの確認手順を活かし、貴社の事務業務でも正確な処理と早めの報告に取り組みたいです」のように、職務内容と行動を結びつけます。
障害・体調・配慮事項に関する質問への準備
障害や体調を聞かれたときは、診断名の詳しい説明ではなく、仕事への影響と必要な配慮を整理して伝えます。
診断名や症状をどこまで話すか迷う方は多いですが、面接で企業が確認したいのは業務への影響と調整できる範囲です。次の3点に分けて準備します。
- 業務への影響を職務場面で整理する
- 必要な配慮は安定して働く条件として伝える
- 休職歴・離職期間は詳細記事と分ける
配慮事項の準備#1
業務への影響を職務場面で整理する
障害名ではなく、仕事のどの場面で影響が出るかを整理します。
たとえば、「騒音が強い環境では集中しにくい」「口頭で長い指示を受けると抜け漏れが出やすい」「通院日は勤務時間の調整が必要になる」といった形で、職務場面に置き換えて整理します。
職務場面で整理しておくと、企業側も配慮可能かどうかを検討しやすくなります。症状の詳しい経過や医療情報をすべて話す必要があるとは限りません。
回答の方向を具体的につかむために、診断名中心の答え方と、職務場面に置き換えた答え方を並べてみます。
| NGになりやすい答え方 | OKに近づく答え方 |
|---|---|
| うつの症状があるので無理はできません | 連続した残業が続くと体調を崩しやすいため、業務量を事前に相談できると安定して働けます |
| 発達障害なので電話対応は苦手です | 電話を受けながらメモを取ると聞き漏らしが出やすいため、重要事項はチャットでも確認できると正確に対応できます |
| 配慮は特にありません。大丈夫です | 通院のため月1回の半休を相談したいです。日程は事前に共有し、前日までに業務を整理しておきます |
配慮事項の準備#2
必要な配慮は安定して働く条件として伝える
配慮事項は、働けない理由ではなく、力を発揮するための条件として整理します。
面接で伝えるときは、「配慮してほしいこと」だけを先に出すより、その配慮があるとどの業務を安定して進めやすいかまでセットにすると伝わりやすくなります。
面接前には、「どの業務場面で」「どのような配慮があると」「どの程度働きやすくなるか」を短く整理しておきましょう。
配慮事項の準備#3
休職歴・離職期間は詳細記事と分ける
休職歴や離職期間について聞かれた場合は、「当時の状況」「現在の状態」「再発や早期離職を防ぐための工夫」の順で整理して答えます。
たとえば、「体調を整えるために休職しましたが、現在は生活リズムが安定し、主治医とも就労について相談できています。今後は無理を抱え込まず、早めに業務量を相談しながら働きたいと考えています」のように説明します。
面接で確認しておきたいこと
面接は質問される場であると同時に、応募者側から業務内容や配慮の相談方法を確認する場でもあります。
入社後のミスマッチを減らすために、確認したいことも整理しておきます。次の3点を準備しておくと、逆質問でも落ち着いて確認できます。
- 業務内容と優先順位
- 配慮事項の相談方法
- 勤務時間・通院・在宅勤務の扱い
確認しておきたいこと#1
業務内容と優先順位
求人票だけでは分からない実務内容を確認します。
求人票に「一般事務」と書かれていても、実際の業務は企業によって異なります。データ入力、電話対応、書類整理、社内調整など、どの業務が中心なのかを確認しましょう。
「入社後、最初に担当する業務は何ですか」「一日の業務の流れを教えていただけますか」といった質問は、働くイメージを具体化する助けになります。
確認しておきたいこと#2
配慮事項の相談方法
配慮事項を誰に、どのタイミングで相談できるかを確認します。
必要な配慮を伝えるだけでなく、入社後に状況が変わったときの相談先も確認しておくと安心です。
「業務上の配慮事項は、入社後どなたに相談する形になりますか」「定期的に業務状況を確認する機会はありますか」といった聞き方なら、企業側の体制を確認しやすくなります。
確認しておきたいこと#3
勤務時間・通院・在宅勤務の扱い
働き方に関わる条件は、希望と必要性を分けて確認します。
通院、勤務時間、在宅勤務、休憩の取り方などは、働き続けるうえで重要な条件です。ただし、すべてを希望として一方的に伝えるのではなく、業務上必要な範囲と相談したい範囲を分けます。
「月1回の通院があるため、その日の勤務時間の調整が可能か確認したいです」のように、頻度や影響を具体的にしておくと話し合いやすくなります。
答えにくい質問をされたときの考え方
答えにくい質問を受けたら、まずそれが職務への適性・能力に関係する質問かを基準に対応を考えます。
すべての質問に詳しく答えなければならないわけではありません。次の3点を押さえておくと、その場で慌てずに対応できます。
- 適性・能力に関係しない質問は注意が必要
- その場で無理に詳しく答えない選択肢もある
- 不安が残る場合は相談先を使う
答えにくい質問#1
適性・能力に関係しない質問は注意が必要
家族、出生地、思想・信条など、職務と関係しない質問には注意します。
面接では、応募職種への適性や働く見通しに関係する内容を中心に答えます。職務と関係しない個人情報まで、詳しく話す必要があるとは限りません。
たとえば、本籍、出生地、家族の職業、宗教、支持政党など、職務と関係のない個人情報を尋ねられた場合は、業務に関係する範囲に絞って回答して構いません。
答えにくい質問#2
その場で無理に詳しく答えない選択肢もある
答えに迷うときは、職務との関係に戻して短く対応します。
答えにくい質問を受けたときは、感情的に反応するより、職務との関係に戻して対応します。
たとえば、「その点は職務に直接関係する範囲でお答えすると、勤務には支障ありません」「業務上必要な範囲であれば補足します」のように、必要な範囲に絞る方法があります。無理に個人情報を詳しく話す必要はありません。
答えにくい質問#3
不安が残る場合は相談先を使う
違和感がある質問を受けた場合は、一人で抱え込まず相談先を使います。
面接後に不安が残る場合は、転職エージェントや支援機関などに相談しましょう。応募先を責めるためではなく、自分が安心して選考を進められるかを判断するための相談です。
\配慮の相談に慣れた支援機関を比較できます/
面接前日のチェック
面接前日は、新しい回答を増やすより、すでに準備した内容を整える方が効果的です。
求人票、応募書類、配慮事項、確認したいことを見直します。次の3点を最終確認しておきましょう。
- 求人票と応募書類を読み返す
- 伝えることと確認することを分ける
- 当日の配慮が必要なら早めに相談する
前日のチェック#1
求人票と応募書類を読み返す
面接で話す内容が、応募書類とずれていないか確認します。
履歴書、職務経歴書、志望動機、自己PRに書いた内容を読み返しましょう。面接で話す内容が書類と大きく違うと、読み手が判断しにくくなります。
特に、応募職種で活かせる経験、必要な配慮、勤務条件は、書類と面接で一貫させておくことが大切です。
前日のチェック#2
伝えることと確認することを分ける
自己PRとして話すことと、企業に確認することを混ぜないようにします。
面接では、自分から伝えたいことと、企業に確認したいことを分けて整理します。伝える候補は、経験、強み、働き方、必要がある場合の配慮です。確認することは、業務内容、職場環境、相談体制、勤務条件です。
前日のチェック#3
当日の配慮が必要なら早めに相談する
面接当日の配慮は、直前ではなく可能な範囲で早めに伝えます。
筆談、オンライン面接、同席者、試験時間、休憩、会場へのアクセスなど、面接当日に必要な配慮がある場合は、分かった時点で早めに相談します。
事前に伝えることで、企業側も準備しやすくなります。伝える内容は、障害の詳しい説明ではなく、面接を受けるために必要な具体的な調整に絞ると整理しやすいです。
障害者雇用の面接に関するよくある質問
- 障害者雇用の面接は一般雇用と何が違いますか?
-
職務経験や志望動機に加えて、障害による業務への影響や必要な配慮、通院頻度、勤務時間などを確認されやすい点が特徴です。
- 面接では障害についてどこまで説明すべきですか?
-
診断までの経緯を詳しく話す必要はありません。仕事に影響する場面、自分で行っている対策、安定して働くために必要な配慮を中心に伝えましょう。
- 面接の回答はどのくらいの長さが適切ですか?
-
一つの質問につき30秒から1分程度を目安にします。最初に結論を伝え、理由や具体例を補足すると、長くなりすぎず伝わりやすくなります。
- 障害者雇用の面接にはどのような服装で行けばよいですか?
-
企業から指定がなければ、スーツやオフィスカジュアルなど清潔感のある服装が基本です。障害特性によって難しい服装がある場合は、事前に相談して構いません。
- 必要な配慮を多く伝えると不採用になりますか?
-
配慮の数だけで判断されるとは限りません。ただし、要望だけを並べず、その配慮があればどのように働けるかを説明し、優先順位を整理しておきましょう。
- 面接でうまく答えられなかった場合は不採用になりますか?
-
一つの回答だけで不採用が決まるとは限りません。質問の意図が分からなければ聞き返し、答えに詰まった場合は少し考える時間をもらって落ち着いて回答しましょう。
まとめ
障害者雇用の面接で聞かれる内容は企業や職種によって変わりますが、自己紹介、職務経験、志望動機、自己PR、転職理由、障害・体調・配慮事項、勤務条件、逆質問は準備しておきたいカテゴリです。
大切なのは、質問を暗記することではなく、応募先の仕事に対して何ができるか、どのような条件なら安定して働けるか、何を確認したいかを整理しておくことです。
答えにくい質問を受けた場合は、職務への適性・能力と関係する範囲に戻して考えましょう。不安が残る場合は、支援機関や転職エージェントにも相談し、自分にとって納得できる選考かを確認することが大切です。
面接対策まで一緒に進めたい場合は、障害者向けの転職エージェントや就労移行支援を比較し、自分に合う相談先を選ぶところから始めてみてください。
