障害者雇用の職務経歴書は、これまでの経験とできること、そして「どの条件なら安定して力を発揮できるか」を採用担当者に伝える書類です。配慮事項を並べる書類ではなく、職務経験を軸に整理するのが基本になります。
この記事は、障害者雇用枠での応募を検討していて、職務経歴書の構成や実績の書き方に迷っている方に向けた内容です。「経験をどう並べればよいか」「配慮事項はどこに書くか」で手が止まっている段階の方が、最初に読む土台になります。
障害者雇用の職務経歴書では、まず「どの仕事をしてきた人か」が伝わるように経験と実績を整理します。配慮事項は前面に出しすぎず、働ける条件として短く添え、履歴書や面接で話す内容とずれないか提出前に確認しましょう。
本記事は、有料職業紹介事業許可(13-ユ-317587)を取得しているセオリーズ株式会社の編集部が、各社の公式情報・求人情報・公的資料等を確認したうえで作成しています。
障害者雇用の職務経歴書は、経験と働き方の条件を伝える書類
障害者雇用の職務経歴書では、これまでの経験、できること、仕事で工夫してきたことを具体的に伝えます。障害や配慮事項を書く場合も、職務経験と切り離さず、どの条件なら安定して力を発揮できるかを示すことが大切です。
履歴書が基本情報を伝える書類だとすれば、職務経歴書は仕事の中身を伝える書類です。配慮事項だけを詳しく書くのではなく、経験・成果・工夫・必要な配慮を読みやすく整理しましょう。
- どの仕事を担当してきたか
- どのような成果や工夫があったか
- 応募先で活かせる経験は何か
- 配慮があると安定して働ける条件は何か
障害者雇用の職務経歴書テンプレート
職務経歴書は、履歴書では書ききれない経験や意欲を具体的に伝える書類です。ここではA4の枚数別の完成例と、項目を埋めて使えるテンプレートを紹介します。
いずれもサンプルです。ご自身の経験と応募先の仕事内容に合わせて、言葉を置き換えて使ってください。
- A4 1枚でまとめる完成例
- A4 2枚でまとめる完成例
- コピペ用の項目テンプレート
職務経歴書テンプレート#1
A4 1枚でまとめる完成例
職歴がコンパクトな方は、A4 1枚に要点を絞ると読みやすくなります。次は一般事務を想定したサンプルです。
| 項目 | 記載例(サンプル) |
|---|---|
| 職務要約 | 一般事務として2年間、書類作成とデータ入力を担当。正確さを重視して業務にあたってきました。 |
| 職務経歴 | 2022年4月〜2024年3月 ○○株式会社/総務部。伝票入力、来客対応、備品管理を担当。 |
| 活かせる経験・スキル | Word・Excelでの書類作成。ダブルチェックによる入力ミスの防止。 |
| 配慮事項 | 電話と入力が重なる場面では優先順位に迷うことがあります。付箋で作業を見える化する工夫をしており、当日の優先順位を共有いただけると落ち着いて処理を進められます。 |
職務経歴書テンプレート#2
A4 2枚でまとめる完成例
職歴が複数社ある方は、A4 2枚に分けると経験を整理して伝えられます。ページごとの配分の目安は次の通りです。
| ページ | 載せる内容(サンプル) |
|---|---|
| 1枚目 | 職務要約/職務経歴。直近の会社を中心に、業務内容を具体的に書く。 |
| 2枚目 | 以前の職務経歴/活かせる経験・スキル/自己PR/配慮事項。 |
直近の経験ほど具体的に書き、古い職歴は要点のみに絞ると、2枚でも読みやすくまとまります。
職務経歴書テンプレート#3
コピペ用の項目テンプレート
空欄を埋める形で使えるサンプルの型です。項目は応募先や経験に合わせて増減して問題ありません。
- 職務要約:これまでの経験を2〜3文で要約
- 職務経歴:期間/会社名/部署/担当業務
- 活かせる経験・スキル:実務で培った強みを箇条書き
- 自己PR:応募先で活かせる点を1〜2文で整理
- 配慮事項:業務場面、支障、自分の工夫、相談したい調整、その条件でできること
履歴書と職務経歴書の違い
履歴書と職務経歴書は、同じ応募書類でも役割が違います。両方に同じ内容を長く書くのではなく、履歴書は基本情報、職務経歴書は仕事の具体性を担うと考えると整理しやすくなります。
2つの書類は、次のように役割を分けて考えると、それぞれに何を書くか迷いにくくなります。この章では、次の2点を整理します。
- 履歴書と職務経歴書の役割の違い
- 障害・配慮事項を経験と切り離さずに扱う考え方
| 項目 | 履歴書 | 職務経歴書 |
|---|---|---|
| 主な役割 | 基本情報と応募意思 | 仕事の中身と再現できる力 |
| 書く中身 | 学歴・職歴の一覧、資格、志望動機 | 業務内容、担当範囲、成果、工夫、スキル |
| 配慮事項 | 欄があれば要点を簡潔に | 業務場面と働ける条件に結びつけて整理 |
| 分量 | 所定の様式に収める | 経験量に応じてA4で1〜2枚程度が目安 |
履歴書と職務経歴書の違い#1
履歴書は基本情報、職務経歴書は仕事の中身を伝える
ハローワークインターネットサービスは、応募書類は採用・不採用の判断に大きく影響するため、分かりやすく自分をアピールする内容にする必要があると説明しています(ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」)。
履歴書では経歴の一覧を示し、職務経歴書では職務内容、担当範囲、成果、スキルを具体的に説明します。障害者雇用枠でも、まずは応募先が職務経験を判断できる構成にすることが重要です。
履歴書と職務経歴書の違い#2
障害・配慮事項は成果や工夫と切り離さずに扱う
障害や配慮事項を書くときも、「できないこと」だけを並べると、職務経歴書の主目的から外れやすくなります。配慮があるとどう働けるのか、過去の仕事でどのような工夫をしてきたのかと合わせて書きます。
たとえば、体調管理のために勤務時間の調整が必要な場合でも、「納期管理や引き継ぎを前倒しで行っていた」など、仕事上の工夫を添えると、応募先が働き方をイメージしやすくなります。
書く前に整理する材料
職務経歴書は、いきなり文章にすると長くなりやすい書類です。先に、職務内容、成果、工夫、配慮があると安定する条件を分けてメモにします。
書き出す前にそろえておくと迷いにくい材料は、次の3つです。それぞれを別々のメモに分けておくと、構成を組むときに並べ替えやすくなります。
- 職務内容と担当範囲(何を、どこまで担当したか)
- 成果・評価・工夫(再現できる力につながる事実)
- 配慮があると安定して働ける条件(業務に関係するもの)
書く前に整理する材料#1
職務内容と担当範囲
まず、担当していた業務を具体的に書き出します。職種名だけではなく、日次・週次・月次で担当していた作業、使用ツール、関係者、担当件数などを整理します。
障害や体調によって担当範囲に制限があった場合も、事実として整理します。そのうえで、どの範囲を安定して担当できたか、どの条件なら対応しやすかったかを分けます。
書く前に整理する材料#2
成果・評価・工夫
成果は、売上や件数だけではありません。ミスを減らした、手順を整えた、納期を守った、周囲と連携したなど、応募先で再現できる工夫も職務経歴書の材料になります。
厚生労働省のジョブ・カード制度でも、これまでのキャリアを振り返り、経験から得たことや活かせる能力・強みを整理することで、履歴書や職務経歴書も充実すると説明されています(厚生労働省「ジョブ・カード制度」)。
書く前に整理する材料#3
配慮があると安定して働ける条件
配慮事項は、職務経験と別枠で考えるより、仕事を安定して進めるための条件として整理します。通院、休憩、指示方法、職場環境、業務量など、応募先の仕事と関係するものを優先します。
厚生労働省の合理的配慮指針では、合理的配慮は個々の状態や職場の状況に応じて多様で個別性が高いものとされています(厚生労働省「合理的配慮指針」)。職務経歴書では、必要な配慮を業務場面と結びつけて短く示します。
\配慮事項の整理や書類の見せ方を相談したいなら/
職務経歴書の構成パターンと選び方
職務経歴書の形式に絶対の正解はありませんが、経験の見せ方によって向く構成が変わります。代表的な書き方は、編年式・逆編年式・キャリア式の3つです。
まずは3つの違いと、どんな人に向くかを整理しておくと、自分の経歴に合う形を選びやすくなります。この章で見るのは次の2点です。
- 編年式・逆編年式の使い分け
- キャリア式が向くケース
| 形式 | 並べ方 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 編年式 | 古い職歴から新しい職歴へ順番に | 一つの分野で経験を積み上げてきた人 |
| 逆編年式 | 新しい職歴から先に書く | 直近の経験を強く見せたい人 |
| キャリア式 | 職務内容・分野ごとにまとめる | 職種や担当が複数に分かれている人 |
職務経歴書の構成パターン#1
編年式・逆編年式の使い分け
編年式は職歴を古い順に並べるため、経験の積み上げが伝わりやすい形です。同じ分野で長く働いてきた場合や、成長の流れを見せたい場合に向きます。
逆編年式は新しい職歴から書くため、直近の経験を先に読んでもらえます。応募先と関連の深い仕事が直近にある場合は、逆編年式のほうが要点が伝わりやすくなります。
職務経歴書の構成パターン#2
キャリア式が向くケース
キャリア式は、時系列ではなく職務内容や分野ごとに経験をまとめる形です。複数の職種を経験している場合や、応募先に関係する経験を目立たせたい場合に向きます。
時系列が分かりにくくなりやすいため、キャリア式を選ぶ場合も、各経験の在籍期間や会社名は別途分かるように添えておくと、読み手が確認しやすくなります。
職務経歴書の基本構成(要素別の書き方)
どの形式を選んでも、読み手が知りたい順番に要素を並べることが大切です。経験が多い方ほど、要約、経歴、スキル、配慮事項、自己PRを分けると読みやすくなります。
各要素で「何を書くか」「どう書くと伝わるか」をまとめると、次のようになります。
| 要素 | 書くこと | 伝わるコツ |
|---|---|---|
| 職務要約 | 経験の全体像を3〜5行で | 配慮より先に職務経験を伝える |
| 職務経歴 | 会社・期間・職種・業務・成果 | 履歴書と年月をそろえる |
| 活かせる経験・スキル | 応募先で再現できる経験や工夫 | 使った業務とできる程度を添える |
| 配慮事項 | 業務上必要な配慮と働ける条件 | 医療情報の詳細に寄せすぎない |
| 自己PR | 経験を応募先でどう活かすか | 短く、職務経験とつなげる |
- 職務要約・職務経歴の書き方
- 活かせる経験・スキルの選び方
- 配慮事項・自己PRのまとめ方
職務経歴書の基本構成#1
職務要約
職務要約は、職務経歴書の冒頭で経験の全体像を伝える欄です。職種、経験年数、主な担当業務、応募先で活かせる強みを3〜5行でまとめます。
障害や配慮事項を最初に長く書くより、まずは「どの仕事をしてきた人か」が分かる形にします。配慮事項は後半で補足しても十分です。
職務経歴書の基本構成#2
職務経歴
職務経歴では、会社名、勤務期間、雇用形態、部署、職種、業務内容、成果を整理します。履歴書の職歴欄と年月が矛盾しないように確認してください。
休職や離職期間がある場合も、職務経歴書で長く説明しすぎないようにします。必要な説明は、面接や別記事の領域として整理します。
職務経歴書の基本構成#3
活かせる経験・スキル
活かせる経験・スキルは、応募先の仕事内容に合わせて選びます。パソコン操作、事務処理、接客、在庫管理、品質チェック、報告連絡相談など、求人票とつながるものを優先します。
スキル名だけでなく、どの業務で使ったか、どの程度できるかを書きます。自己PRほど長くせず、職務経歴の補足として置くと読みやすくなります。
職務経歴書の基本構成#4
配慮事項
配慮事項は、職務経歴書の末尾や別紙にまとめる方法があります。重要なのは、配慮内容だけでなく、その配慮があるとどの業務を安定して進められるかを示すことです。
たとえば「口頭指示が苦手」だけではなく、「重要な指示はチャットや手順書でも確認できると、抜け漏れを減らして対応できます」と書くと、働ける条件が伝わります。
職務経歴書の基本構成#5
自己PR
職務経歴書の自己PRは、経験と応募先の仕事をつなげる短いまとめです。志望動機や自己PRの詳細記事ほど広げず、職務経験から言える強みを中心にします。
障害や配慮事項に触れる場合も、「工夫してきたこと」「安定して働くために整えていること」と結びつけると、職務経歴書全体の流れが保ちやすくなります。
状況別の職務経歴書例文
経歴には人それぞれ事情があります。ここでは書き方に迷いやすい3つの状況別に、伝え方のサンプルを紹介します。
- 職歴が浅い・職歴なしの場合
- ブランクや休職期間がある場合
- 転職回数が多い場合
状況別の職務経歴書例文#1
職歴が浅い・職歴なしの場合
職歴が少ない場合は、アルバイトや実習、訓練で身につけた姿勢を書くと伝わります。次はサンプルです。
就労移行支援での訓練で、毎日決まった時間にデータ入力に取り組みました。継続して通所し、生活リズムを整えてきた経験を仕事にも活かしたいと考えています。
ジョブ・カードを使うと、経験から得た能力や強みを整理しやすくなります。ただし、訓練や日常の工夫を職務経験と同じものとして断定しないようにします。
状況別の職務経歴書例文#2
ブランクや休職期間がある場合
空白期間は、隠すよりも現在の就業可能性と取り組みを短く添えると印象が整います。次はサンプルです。
体調を整える期間を経て、現在は生活リズムが安定しています。この間は資格取得の勉強を続け、事務スキルの習得に取り組みました。
症状の経過や通院の詳細まで書き込む必要はありません。今できること、再開に向けて整えたことに焦点を当てます。
状況別の職務経歴書例文#3
転職回数が多い場合
転職が多い場合は、共通して培った強みを軸にまとめると一貫性が出ます。次はサンプルです。
複数の職場で接客と在庫管理を経験し、環境が変わっても早く業務を覚えてきました。共通して丁寧な作業を心がけています。
1社ずつの退職理由を細かく並べるより、経験の共通点でまとめると読み手が理解しやすくなります。
職種別の職務要約・自己PR例文
職種によって伝わりやすい強みは変わります。ここでは4つの職種別に、職務要約と自己PRのサンプルを紹介します。
- 事務職
- 軽作業・バックヤード
- IT・データ入力
- 接客・販売経験
職種別の職務要約・自己PR例文#1
事務職
| 職務要約(サンプル) | 一般事務として、書類作成とデータ入力を中心に担当。正確さと締め切り管理を意識して取り組みました。 |
|---|---|
| 自己PR(サンプル) | 入力後のダブルチェックを習慣にし、ミスの少なさで信頼を得てきました。同じ丁寧さを応募先でも活かしたいです。 |
職種別の職務要約・自己PR例文#2
軽作業・バックヤード
| 職務要約(サンプル) | 物流倉庫でのピッキングと検品を担当。決められた手順を守り、安定した作業量を保ってきました。 |
|---|---|
| 自己PR(サンプル) | コツコツ続ける作業が得意で、指示された手順を丁寧に守れます。反復業務で力を発揮したいです。 |
職種別の職務要約・自己PR例文#3
IT・データ入力
| 職務要約(サンプル) | データ入力と簡単な集計を担当。Excelの関数を使い、作業の効率化にも取り組みました。 |
|---|---|
| 自己PR(サンプル) | 集中して画面作業を続けられ、手順書に沿った正確な処理が得意です。学んだスキルを継続して伸ばしたいです。 |
職種別の職務要約・自己PR例文#4
接客・販売経験
| 職務要約(サンプル) | 販売スタッフとして接客とレジ、品出しを担当。お客様の質問に丁寧に対応してきました。 |
|---|---|
| 自己PR(サンプル) | 相手の話をよく聞いて対応する姿勢を大切にしてきました。この対人対応の経験を応募先でも活かしたいです。 |
実績・成果の書き方
職務経歴書で最も差が出やすいのが、実績や成果の書き方です。同じ仕事でも、抽象的に書くか具体的に書くかで、読み手の受け取り方が変わります。
抽象的な書き方を、具体的な書き方に言い換えると、伝わり方が次のように変わります。
| 抽象的な書き方 | 具体的な書き方 |
|---|---|
| 事務作業を担当していました | 請求書発行を月約200件担当し、入力ミスの確認手順を整えました |
| 接客が得意です | 来店対応で待ち時間の声かけを工夫し、クレーム件数の低減に取り組みました |
| パソコンが使えます | ExcelでSUMやVLOOKUPを使い、集計表の作成を担当しました |
数字を出しにくい仕事もありますが、その場合も担当した範囲・量・工夫した点を添えると具体性が出ます。盛らずに、事実として書ける範囲で整理することが大切です。
障害・配慮事項を書くときの注意点
障害・配慮事項は、職務経歴書で必ず詳しく書くものではありません。ただし、入社後の働き方に影響する内容は、応募先が判断できる範囲で整理しておくと安心です。
書くときに迷いやすい点を、先に整理しておきます。
- 診断名や症状経過を書きすぎない
- 配慮事項だけを長く書かない
- 業務場面と働ける条件に結びつける
- 休職歴・離職理由は必要な範囲で扱う
障害・配慮事項を書くときの注意点#1
診断名や症状経過を書きすぎない
職務経歴書では、診断名や症状経過を詳しく説明するより、仕事に関係する場面へ絞って書きます。採用担当者が確認したいのは、職務遂行に必要な条件です。
たとえば「○○障害なので難しい」ではなく、「複数の口頭指示が重なると聞き漏れが出やすい」と業務場面に置き換えます。その上で、自分の工夫と相談したい調整を添えます。
障害・配慮事項を書くときの注意点#2
配慮事項だけを長く書かない
配慮事項だけが長くなると、職務経験や強みが見えにくくなります。職務経歴書では、経験と成果を先に示し、配慮事項は業務を安定して進めるための条件として整理します。
配慮事項が多い場合は、本文にすべて入れず、別紙や面接で補足する方法もあります。採用担当者が最初に読む職務経歴書では、要点を絞ることが大切です。
障害・配慮事項を書くときの注意点#3
業務場面と働ける条件に結びつける
配慮事項を書くときは、「何が難しいか」だけで終わらせず、「どの条件なら働けるか」まで書きます。これは配慮の希望を弱めるためではなく、応募先が業務との関係を判断しやすくするためです。
たとえば、通院で勤務時間の調整が必要な場合は、必要な範囲で事前調整の可否を整理します。集中環境や指示方法の配慮も、影響する業務場面に結びつけます。
障害・配慮事項を書くときの注意点#4
休職歴・離職理由は必要な範囲で扱う
休職歴や離職理由がある場合でも、職務経歴書で詳細な経緯を長く説明する必要はありません。経歴の事実関係を正確に書き、必要な補足は面接で説明できるようにします。
体調面の事情に触れる場合は、現在の就業可能性、再発防止の工夫、必要な配慮に絞って整理します。詳しい説明は、休職歴・離職期間を面接でどう説明するかを扱う記事の領域です。
ブランク期間の書き方
療養や休職などで働いていない期間があると、書き方に迷いやすいものです。ブランク期間は隠すより、事実を簡潔に書き、現在の状況を添えるほうが、読み手に伝わりやすくなります。
書き方のイメージとして、避けたい例と整えた例を並べると、次のようになります。
- 避けたい例
期間を空欄のままにして、何も触れない - 整えた例
体調回復に専念。現在は通院を続けながら就業できる状態です - 工夫を添えた例
療養期間中に生活リズムを整え、就労移行支援で業務を想定した訓練を行いました
詳しい事情まで書く必要はありません。「現在は働ける状態か」「再発防止に何をしているか」が短く伝われば十分です。医療情報の細部は、伝える範囲を主治医や支援者にも相談しながら決めましょう。
書かない方がよい内容
職務経歴書は、応募先が職務経験や適性を確認するための書類です。業務と関係の薄い個人情報や、読み手が判断に困る医療情報は、書く必要性を慎重に考えます。次の3つは、書きすぎに注意したい内容です。
- 適性・能力に関係のない個人情報
- 医療情報の詳細
- 前職批判や否定的な表現
書かない方がよい内容#1
適性・能力に関係のない個人情報
厚生労働省は、公正な採用選考では、応募者の基本的人権を尊重し、職務遂行に必要な適性・能力を基準にすることが大切だと示しています(厚生労働省「公正な採用選考の基本」)。
家族状況、生活歴、思想信条など、職務遂行や配慮の検討に直接関係しない情報を職務経歴書に書きすぎないようにします。
書かない方がよい内容#2
医療情報の詳細
診断名、治療歴、服薬内容、症状経過を長く書くと、応募先が職務との関係を判断しにくくなる場合があります。医療的な判断が必要な内容は、主治医や支援者に確認したうえで伝える範囲を決めます。
職務経歴書では、業務に関係する支障と必要な配慮に絞ることが基本です。詳細な医療情報は、必要に応じて別の場で相談します。
書かない方がよい内容#3
前職批判や否定的な表現
過去の職場で困ったことがあっても、職務経歴書に前職批判として書くのは避けます。読み手が知りたいのは、応募先で何ができるか、どの条件なら安定して働けるかです。
不調やミスマッチの経験がある場合は、今後の働き方に必要な条件や、自分で行っている工夫に言い換えて整理します。
\応募先の採用情報や配慮事例を確認したいなら/
提出前に第三者へ見てもらうポイント
書き上げた職務経歴書は、自分だけで判断せず第三者に確認してもらうと精度が上がります。見てもらいたい3つの視点を紹介します。
- 職務経験と配慮事項のバランス
- 応募先に合わせた書き換え
- 書類と面接で説明がずれていないか
提出前に第三者へ見てもらうポイント#1
職務経験と配慮事項のバランス
配慮事項ばかりが目立つと、できることが伝わりにくくなります。経験と配慮の分量が偏っていないか見てもらいましょう。
配慮事項は、業務場面、支障、自分の工夫、相談したい調整、その条件でできることの順にまとまっているかを確認します。
提出前に第三者へ見てもらうポイント#2
応募先に合わせた書き換え
同じ書類を全社に使い回すと、志望度が伝わりにくくなります。応募先の業務に合う経験を前に出せているか見てもらいましょう。
採用選考は、求人職種の職務遂行に必要な適性・能力を基準に行われます。募集内容に沿った強みを選んで書くと、伝わりやすくなります。
提出前に第三者へ見てもらうポイント#3
書類と面接で説明がずれていないか
書類の内容と面接の受け答えが食い違うと、印象がぶれてしまいます。書いた強みや配慮事項を口頭でも説明できるか確認しましょう。
合理的配慮は、過重な負担にならない範囲で業務場面と必要な調整を話し合うものです。書類の内容を面接でも同じ言葉で伝えられると安心です。
提出前チェック
職務経歴書は、提出前に求人票、履歴書、面接で話す内容との一貫性を確認します。書類ごとに内容がずれていると、面接で説明しにくくなります。確認するのは次の3点です。
- 求人票との整合
- 履歴書・面接との一貫性
- 第三者チェック
提出前チェック#1
求人票との整合
応募先の仕事内容と、職務経歴書で強調している経験が合っているか確認します。求人票で求められている業務に関係しない経験ばかり強調すると、読み手に伝わりにくくなります。
応募先ごとに、職務要約、活かせる経験、自己PRの順番を見直します。使い回しの職務経歴書ほど、求人票とのずれが残りやすくなります。
提出前チェック#2
履歴書・面接との一貫性
履歴書の職歴年月、退職日、資格、応募職種と、職務経歴書の内容が一致しているか確認します。面接では職務経歴書をもとに質問されることも多いため、説明できる内容にしておくことが大切です。
障害・配慮事項についても、履歴書、職務経歴書、面接で言う内容が大きくずれないように整理します。
提出前チェック#3
第三者チェック
職務経歴書は、自分では読みやすいと思っても、読み手には抽象的に見えることがあります。転職エージェント、ハローワーク、就労移行支援事業所などに見てもらうと、職務内容や配慮事項の伝わり方を確認できます。
第三者チェックでは、誤字だけでなく、成果が具体的か、配慮事項が業務場面と結びついているか、書きすぎていないかを見てもらいましょう。
応募前に体調や働く準備を整えたい方は、就労移行支援事業所の比較もあわせて確認しておくと、書類の相談先や訓練の選択肢を選びやすくなります。
まとめ
障害者雇用の職務経歴書では、職務経験、成果、工夫、活かせるスキルを中心に整理します。障害・配慮事項を書く場合も、職務経験を弱める情報としてではなく、安定して働くための条件として配置することが大切です。
- 履歴書と年月・職歴が一致している
- 応募先で活かせる経験が先に伝わる
- 配慮事項は業務場面と働ける条件に結びついている
- 自己PRは職務経験から言える強みに絞っている
- 面接で説明できる内容になっている
書き方に迷う場合は、次の窓口もあわせて使うと、応募先ごとに伝える経験と配慮事項を整理しやすくなります。
- 障害者雇用に強い転職エージェントの比較
書類の見せ方や配慮事項の伝え方を相談できる窓口を選ぶ - 障害者雇用の企業データベース
応募先の採用情報や配慮事例を確認して経験の見せ方を調整する - 就労移行支援事業所の比較
応募前に書類相談や訓練の選択肢を整える
