就労移行支援は、すぐに就職するよりも、生活リズム・障害特性の整理・職業スキル・面接対策などを整えながら一般就労を目指したい人に向いています。
一方で、すでに応募できる状態の人、求人紹介だけを受けたい人、体調がまだ安定していない人は、転職エージェント・自立訓練・リワーク・就労継続支援など別の選択肢が合う場合もあります。
- 就労移行支援は、就職前に準備を整えたい人に向いている
生活リズムを整えたい人、障害特性や配慮事項を整理したい人、応募書類や面接対策に不安がある人は、就労移行支援を利用するメリットがあります。 - すぐに就職したい人は、別の選択肢が合う場合もある
すでに応募できる状態の人や、求人紹介だけを受けたい人は、障害者向け転職エージェントやハローワークの方が進めやすいケースもあります。 - 迷ったら複数を見学して比較するのがおすすめ
大手でプログラムが充実しているLITALICOワークスやウェルビーもあわせて見学すると、支援内容や事業所の雰囲気を比較しやすくなります。また、就労移行支援をまとめて探せるかべなし求人ナビもおすすめです。
本記事は、有料職業紹介事業許可(13-ユ-317587)を取得しているセオリーズ株式会社の編集部が、各社の公式情報・求人情報・公的資料等を確認したうえで作成しています。
就労移行支援が向いている人・向いていない可能性がある人の結論
就労移行支援は、就職前に準備を整えながら一般就労を目指したい人に向いています。
一方で、すでに応募できる状態の人や、求人紹介だけを受けたい人は、転職エージェントやハローワークなど別の選択肢が合う場合もあります。
- 向いている人
- 生活リズムや通所習慣を整えたい人
- 障害特性や配慮事項を整理したい人
- 応募書類や面接対策に不安がある人
- 職業訓練を受けながら就職を目指したい人
- 自分に合う働き方を相談しながら考えたい人
- 向いていない可能性がある人
- 体調がまだ安定していない人
- すぐに求人へ応募できる状態の人
- 求人紹介だけを受けたい人
- 専門スキルだけを短期間で学びたい人
- 一般就労への意欲がまだ固まっていない人
ただし、上記はあくまで目安です。就労移行支援が合うかどうかは、体調や希望する働き方、事業所の支援内容によっても変わります。
たとえば、すぐに求人へ応募できる人は転職エージェントやハローワーク、体調がまだ安定していない人は医療機関・リワーク・自立訓練など、別の選択肢が合う場合もあります。
就労移行支援が合わない場合の選択肢
就労移行支援が合わない可能性がある場合でも、就職や生活の立て直しを諦める必要はありません。状況に応じて、ほかの支援やサービスを検討できます。
- 状況
- すぐに求人へ応募できる
- 求人紹介だけを受けたい
- 体調がまだ安定していない
- 一般就労への意欲がまだ固まっていない
- 専門スキルを短期間で学びたい
- 検討したい選択肢
- 障害者向け転職エージェント、ハローワーク
- 転職エージェント、ハローワーク
- 医療機関、リワーク、自立訓練
- 自立訓練、就労継続支援A型・B型
- 職業訓練、民間スクール、オンライン講座
就労移行支援はどんな人向けのサービス?
就労移行支援は、一般企業への就職を目指す障害や難病のある方に向けて、職業訓練・就職活動・定着支援などを行う障害福祉サービスです。
求人紹介だけでなく、就職に向けた準備や訓練、就職後の職場定着までを支援する点が特徴です。
制度の対象者や利用期間、料金の仕組みを先に確認したい方は、就労移行支援とは何かを解説した記事も参考にしてください。
就労移行支援が向いている人の特徴
就労移行支援の利用が向いているのは、すぐの就職に自信がなく、スキルアップして障害者雇用枠で働きたいという人です。
- 今すぐ就職することに自信が持てない
- 障害特性や配慮事項を明確にできていない
- 就職前にスキルや働く準備を整えたい
- 応募書類や面接対策を受けたい人
- 自分で就職活動するも苦戦してしまっている
上記に当てはまらず、すでに就職準備が整っている場合は、就労移行支援ではなく転職エージェントを利用することをおすすめします。
では、就労移行支援が向いている人の特徴について、それぞれ詳しく説明していきますね。
就労移行支援が向いている人の特徴①
今すぐ就職することに自信が持てない
就労移行支援の利用を第一におすすめできるのは、一般就労を目指しているものの、体調や精神的な状況を踏まえて、今すぐのフルタイム勤務には自信がないという方です。
- 週4~5勤務は自信がない
- 1日8時間働くのは厳しいかも…
このような場合でも、就労移行支援では、少しずつ通所や訓練に慣れながら、段階的に働く準備を進められます。
いきなり働き始めると負担がかかってしまうので、今の段階でどれくらいの負荷なら無理なく取り組めるのかを明らかにしつつ、自分なりのスピードで少しずつ進んでいきましょう!
また、うつ病等で職歴に長いブランク期間があるような場合には、就労移行支援に継続して通所した実績を、就職活動で伝えやすくなる場合があります。
特にブランクが数年あると採用企業も慎重になります。当然、転職エージェントから求人紹介を受けにくい場合もあるので、就職活動をする前に就労移行支援で働く準備を整えておくのがおすすめです!
就労移行支援が向いている人の特徴②
障害特性や配慮事項を明確にできていない
次に、障害特性や配慮事項を自身で明確にすることが難しいといった場合にも、就労移行支援の利用をおすすめできます。
なぜなら、障害者雇用で働くときに重要なのは「自身の障害特性と、企業の業務内容がマッチしていること」なので、自身で言語化しておく必要があるからです。
- 障害名
- ASD(発達障害)
- 障害特性
- 短納期の作業でケアレスミスが起きやすい
- マルチタスクが苦手
- 過集中による疲労
- 自己対処
- 納品前に確認時間を設ける
- 作業開始前に優先順位と所要時間を決める
- ポモドーロテクニック(25分作業+5分休憩)
- 配慮事項
- 時間や休憩への配慮
- 残業なし
- 週30時間以内(1日6時間)
- 月に1度通院のための休暇
- 休暇や勤務中の休憩を取得しやすく
- 業務のわかりやすい指示
- 作業手順はマニュアル化
- 作業完了時間の目安を共有
- フィードバックは文章でおこなう
- 業務を手助けしてくれる担当を用意
- 時間や休憩への配慮
上記は一例ですが、ストレスを減らしながら、能力を発揮しやすい働き方を考えられるようにするためにも、障害特性と配慮事項を明確にしていきましょう。就労移行支援なら、一緒に調べながら検討してくれるので、自身だけでの言語化に自信がない方はぜひ利用してみてください。
就労移行支援が向いている人の特徴③
就職前にスキルや働く準備を整えたい
就労移行支援では、資格取得やスキル向上に向けたプログラムを受けられる場合もあるので、就職前にスキルを身につけたい方にも利用されています。(利用料は所得によって自己負担あり)
下記のように、職業訓練の幅は広く、事業所によってさまざまなので、自分が習得したいスキルにあった事業所を選ぶようにしましょう。
- 基礎スキル講座
- 報連相
- コミュニケーションスキル
- 専門スキル講座
- 事務、PCスキル
- デザイン、プログラミングなど
- レジ打ち、梱包等の軽作業など
- ネイル、美容系
近年、ITスキルが流行っているので補足ですが、就労移行支援事業所で学習をしたとしても、職業未経験からエンジニアやデザイナーとして就職するのは難しい点にだけは注意が必要です。
実際、デザイナーやエンジニアを未経験から雇う会社は限りなく少ないので、就職を急ぐなら避けましょう。もし、好奇心でプログラミングやWEB制作を学習したいだけなら、progateやudemyなどのサービスをのぞいてみてください。
そもそも障害者雇用の場合、職種や企業によって求められるスキルが異なります。どちらかといえば、職場に馴染めるか、継続勤務できるかのほうが重要なので、スキルを学びたいだけなら就労移行支援事業所へ通う“必要性”はないですね。
就労移行支援が向いている人の特徴④
応募書類や面接対策を受けたい人
応募書類の書き方や、面接で何を伝えればよいか不安がある人も、就労移行支援を利用しやすいタイプです。
履歴書・職務経歴書の作成、模擬面接、障害特性や配慮事項の伝え方などを、スタッフに相談しながら準備できます。
特に、ブランク期間の説明や配慮事項の伝え方に迷う人は、応募前に整理しておくことで就職活動を進めやすくなります。
就労移行支援が向いている人の特徴⑤
自分で就職活動するも苦戦してしまっている
現在、職には就いていない状態で、就職活動を続けているものの上手く行かない場合であれば、就労移行支援サービスの利用をおすすめします。
おそらく就職活動が上手くいっていない理由には、下記のような原因が考えられますが、就労移行支援事業所を利用すれば、課題を整理し対策を考えやすくなる場合があります。
- 障害への自己理解ができていない
- 自分に合う企業や職業を理解していない
- コミュニケーションが上手く取れていない
- 基礎/専門スキルが不足している
なにより、ずっと一人で就職活動をしていると気持ちが落ち込みやすくなります。定期的に事業所へ通いつつ、並行して就職活動をおこなうこともできるので、ぜひ検討してみてくださいね。
就労移行支援が向いていない可能性がある人
就労移行支援は、就職に向けた準備や訓練を受けながら一般就労を目指すサービスです。そのため、現在の体調や就職活動の進み具合によっては、別の支援やサービスの方が合う場合もあります。
ここでは、就労移行支援が向いていない可能性がある人の特徴を紹介します。
- 体調が回復していない、安定していない
- すぐにでも働ける就職準備ができている
- 専門的なスキルを身に付けたいだけ
- 就職先の紹介をしてもらいたいだけ
- 数ヶ月通所しても就労意欲が湧かない
就労移行支援が向いていない人の特徴①
体調が回復していない、安定していない
精神面含めた体調がまだ安定しておらず、安定して通所し続けることができないのであれば、まだ就労移行支援を利用する段階ではないかもしれません。
なぜなら、就労移行支援の利用期間は“原則2年以内”とされているので、通所日数が少ない状態が続くと、スキル習得や就職準備が思うように進みにくいこともあるからです。
そのため、体調や生活のリズムに不安があり、週1~2日しか通えないようであれば『リワークデイケア』や『自立訓練』も検討してみましょう。
リワークデイケアとは
リワークデイケアとは、大学病院やメンタルクリニックといった『精神科の医療機関』によって実施される、復職及び再休職予防のための復職支援プログラムです。
具体的なプログラム内容は、リワーク施設ごとにやや異なっていますが、概ね下記のような流れで、復職を目指していくことが多いですね。
- 生活リズムを整え、習慣的に身体を動かす
- プログラムで気づきを得る
- スタッフと課題を共有して計画を練る
- 再発防止のための方法を検討する
- 復職に向けて会社と面談する
自立訓練とは
自立訓練とは、障害のある方の“自立”を目的に、生活能力の維持・向上を目指していく障害福祉サービスのことです。身体障害がある方には『機能訓練(リハビリ)』をおこない、精神障害がある方には『生活訓練』をおこなっています。
この『生活訓練』には、例えば、身だしなみや金銭管理といったものから、ストレス対処や生活リズムの安定化など、施設によって様々なプログラムが用意されています。
- 生活系プログラム
- 金銭管理
- 身だしなみ
- 食事、洗濯、掃除など
- 地域生活のマナー など
- 体調管理系プログラム
- ストレス対処
- 生活リズムの整え方
- アンガーマネジメント
- レクリエーション系プログラム
- グループミーティング
- 音楽、調理
- 行事、イベント、ゲーム等
普段通っているクリニックで実施しているリワークプログラムがあれば、そこに通うのがベストです。あなたの障害には理解があるはずなので。
就労移行支援が向いていない人の特徴②
すぐにでも働ける就職準備ができている
そもそも就労移行支援は『一般就労で働くために訓練が必要な方』向けのサービスです。すでに就職準備が整っている場合は、就労移行支援よりほかのサービスの方が合うことがあります。
- 就労する意欲が高い
- 生活のリズムが整っている
- 障害への自己理解と管理が十分ある
- 集団コミュニケーションも苦にならない
- 障害者枠で就職できる職業スキルがある
上記全てに該当している場合だと、就労移行支援で得られるメリットは少なく感じるかもしれません。
就労移行支援が向いていない人の特徴③
専門的なスキルを身に付けたいだけ
専門スキルを学ぶためだけに行くのは推奨しません。なぜなら、そもそもが一般就労に向けて準備が必要な方向けの福祉サービスであり、専門的スキルを学ぶなら他サービスの方が効率が良いからです。
例えば、プログラミングなら「ドットインストール」や「CODEPREP」や「Progate」など、無料〜格安で学習できるWEBサービスは山ほどあります。
何より、就労移行支援にあるe-learning(動画学習)では、最低限しか習得できません。そもそも自習スタイルで、専門スキルへの質問対応は、事業所や講師体制によって差があります。
就労移行支援が向いていない人の特徴④
就職先の紹介をしてもらいたいだけ
また、就職先の紹介をしてもらいたいだけの方にもおすすめしません。なぜなら、提携している就職先が少ないからです。求人紹介の数や選考支援では、転職エージェントの方が合う場合があります。
繰り返しになりますが、就労移行支援は「障害特性や体調に配慮しながら、一般就労に向けた準備を進める福祉サービス」です。
就労移行支援が向いていない人の特徴⑤
数ヶ月通所しても就労意欲が湧かない
また、数ヶ月通所しても「一般企業での就労意欲が湧かない」「無理だ」と感じた方は、就労移行支援ではなく、就労継続支援も選択肢になります。
就労継続支援は、就労移行支援と同じく『障害者を対象とした福祉施設』ですが、一般企業での就労が難しい方が、無理なく働いて給料や工賃を受け取ることができることが特徴です。
- 就労移行支援
一般企業への就職を目指す訓練施設 - 就労継続支援
一般企業で就労が難しい方が働く機会を得られる福祉サービス(給料や工賃がもらえる)
就労継続支援にはA型とB型がある
就労継続支援とは、民間企業等で働くことが困難な場合に、障害や体調にあわせて無理なく、就労訓練や仕事をすることができる福祉サービスで、2種類あります。
就労継続支援の種類
- A型事業所 雇用契約を結び、最低賃金以上の給与がある 例:データ入力、飲食店ホール、パッキング等
- B型事業所 雇用契約は結ばず、軽作業の就労訓練をする 例:刺繍、部品加工、農作業、クリーニング等
簡単に違いを整理しました。
| 主な違い | A型事業所 | B型事業所 |
|---|---|---|
| 雇用契約 | 結ぶ | 結ばない |
| 報酬 | 最低賃金以上の給与 | 作業実績等に応じた工賃 |
| 平均金額 (2024年) | 月給91,451円 (週20時間換算の時給目安1,063円) | 月給24,141円 (週20時間換算の時給目安281円) |
| 職種の例 | データ入力、飲食店ホール 、パッキング等 | 刺繍、部品加工、 農作業、クリーニング等 |
出典:厚生労働省 「平均工賃(賃金)月額の実績について」
実際の訓練および職業内容は、事業所によって異なるので確認してみてくださいね。
誰しも、就労移行支援に「通いたての状態」だと、過去の失敗経験や出来ないストレスから「一般企業で働きたくない!」と感じる瞬間はあります。
就労移行支援が合うか不安な方は、利用前にデメリットや注意点も確認しておきましょう。事業所選びで失敗しやすいポイントは、就労移行支援の注意点をまとめた記事でも詳しく解説しています。
向いていないと感じたときの対処法・代替案
ここでは「就労移行支援が自分に向いていない」と感じたときの対処法と代替案について解説していきます。具体的には下記の通りです。
- 利用はいつでも辞められる
- 通所する事業所は変更ができる
- リワークデイケアや自立訓練に切り替える
- 就労継続支援B型/A型の利用を検討する
- 転職エージェントを利用して就職活動をする
- ハローワークを利用する
向いていないと感じたときの対処法①
利用はいつでも辞められる
すでに利用中の場合、いつでも辞められます。雇用契約ではないので『1ヶ月前に伝えなくてはならない』等の縛りもありません。
まずは、事業所スタッフに『辞めたい』という意向を伝えてください。すると、以下の手続きが進み、退所手続きは完了します。
- 辞めたい旨を伝える
- 面談して理由を伝える
- 退所手続きの書類にサインする
- 事業所が、書類を行政側に提出する
- 退所完了!
向いていないと感じたときの対処法②
通所する事業所は変更ができる
今通っている事業所が自分には合わないと思ったら、自治体や事業所で手続きすることで、別の事業所へ転所できる場合があります。就労移行支援の利用期間は原則2年以内のため、早めに相談しておくと安心です。
ただ、今まで通っていた事業所を途中で転所することには、一部デメリットがあるので、注意してください。
- 書類手続きが面倒
- 事業所を変えるまで空白期間ができる
- 計画が1から作り直しになる
- 基礎プログラムから参加する場合がある
- 次に通う事業所が、自分に合うとは限らない
就職実績がない事業所が15%ほどはあるくらいです。もし転所するとしたら、就職率や定着率といった実績を重視して選ぶようにしてください。
向いていないと感じたときの対処法③
リワークデイケアや自立訓練に切り替える
体調がまだ安定していない場合は、まず『リワークデイケア』や『自立訓練』で慣れていくことをおすすめします。休職中の復職準備ならリワーク、生活面を整えたい場合は自立訓練など、状況に合わせて選びましょう。
リワークデイケアとは
リワークデイケアとは、大学病院やメンタルクリニックといった『精神科の医療機関』によって実施される、復職及び再休職予防のための復職支援プログラムです。
具体的なプログラム内容は、リワーク施設ごとにやや異なっていますが、概ね下記のような流れで、復職を目指していくことが多いですね。
- 生活リズムを整え、習慣的に身体を動かす
- プログラムで気づきを得る
- スタッフと課題を共有して計画を練る
- 再発防止のための方法を検討する
- 復職に向けて会社と面談する
自立訓練とは
自立訓練とは、障害のある方の“自立”を目的に、生活能力の維持・向上を目指していく障害福祉サービスのことです。身体障害がある方には『機能訓練(リハビリ)』をおこない、精神障害がある方には『生活訓練』をおこなっています。
この『生活訓練』には、例えば、身だしなみや金銭管理といったものから、ストレス対処や生活リズムの安定化など、施設によって様々なプログラムが用意されています。
- 生活系プログラム
- 金銭管理
- 身だしなみ
- 食事、洗濯、掃除など
- 地域生活のマナー など
- 体調管理系プログラム
- ストレス対処
- 生活リズムの整え方
- アンガーマネジメント
- レクリエーション系プログラム
- グループミーティング
- 音楽、調理
- 行事、イベント、ゲーム等
向いていないと感じたときの対処法④
就労継続支援B型/A型の利用を検討する
就労移行支援での訓練を受ける中で『一般企業への就職が向いていない』と思った場合は、就労継続支援(B型/A型)の事業所を利用しましょう。
就労継続支援とは、民間企業等で働くことが困難な場合に、障害や体調にあわせて無理なく、就労訓練や仕事をすることができる福祉サービスです。
- 就労移行支援
一般企業への就職を目指す訓練施設 - 就労継続支援
一般企業での就労が難しい方が、働く機会を得られる福祉サービス(給料や工賃がもらえる)
就労継続支援にはA型とB型がある
就労継続支援とは、民間企業等で働くことが困難な場合に、障害や体調にあわせて無理なく、就労訓練や仕事をすることができる福祉サービスで、2種類あります。
就労継続支援の種類
- A型事業所 雇用契約を結び、最低賃金以上の給与がある 例:データ入力、飲食店ホール、パッキング等
- B型事業所 雇用契約は結ばず、軽作業の就労訓練をする 例:刺繍、部品加工、農作業、クリーニング等
簡単に違いを整理しました。
| 主な違い | A型事業所 | B型事業所 |
|---|---|---|
| 雇用契約 | 結ぶ | 結ばない |
| 報酬 | 最低賃金以上の給与 | 進捗に応じた工賃がある |
| 平均金額 (2024年) | 月給91,451円 (週20時間換算の時給目安1,063円) | 月給24,141円 (週20時間換算の時給目安281円) |
| 職種の例 | データ入力、飲食店ホール 、パッキング等 | 刺繍、部品加工、 農作業、クリーニング等 |
出典:厚生労働省 「平均工賃(賃金)月額の実績について」
実際の訓練および職業内容は、事業所によって異なるので確認してみてくださいね。
向いていないと感じたときの対処法⑤
転職エージェントを利用して就職活動をする
すぐに就職できる状況なら転職エージェントを利用しましょう。転職エージェントとは、障害者雇用を行う企業の求人紹介や応募書類・面接対策などを支援するサービスのことです。
このように、就労できる自信がない方向けに就職準備をサポートするのが就労移行支援で、就労できる準備が整った方向けに就職支援をするのが転職エージェントです。
詳しいサービス内容の違いを表で整理しました。
| 比較項目 | 就労移行支援 | エージェント |
|---|---|---|
| 説明会や見学会 | ◯あり | ×なし |
| 体調管理トレーニング | ◯あり | ×なし |
| スキルのトレーニング | ◯あり | ×なし |
| 求人紹介 | △事業所による | ◎多い |
| 書類作成サポート | ◯あり | ◎強い |
| 面接練習サポート | ◯あり | ◎強い |
| 入社時の条件交渉 | ×なし | △会社次第 |
| 入社後の職業定着支援 | ◯あり | △浅い |
このように、就労移行支援は満遍なくサポートを受けることができる一方で、転職エージェントは求人紹介と転職支援に特化していることが大きな違いです。
もちろん併用することが可能なので、自信がない方は、まずは就労移行支援を利用して就職準備を進めつつ、慣れてきたら転職エージェントも登録して効率的に就職活動をおこなう、といった使い方もできます。
向いていないと感じたときの対処法⑥
ハローワークを利用する
求人紹介や職業相談を受けたい場合は、ハローワークを利用する方法もあります。
ハローワークには障害のある方向けの相談窓口があり、求人の探し方や応募書類、面接に関する相談ができます。そのため、地域の求人を探したい人や、公的な窓口で相談したい人には選択肢の一つになります。
一方で、就労移行支援のように通所しながら生活リズムや職業訓練を整えるサービスではありません。すぐに求人を探したいのか、就職前の準備から支援を受けたいのかで使い分けましょう。
就労移行支援を使うか迷ったときの確認ポイント
就労移行支援が向いているか迷う場合は、今の体調や就職準備の状況、希望する働き方を整理してから判断しましょう。
利用を決める前に、見学や相談で確認しておきたいポイントを整理しておきましょう。事前に見ておく項目が分かっていると、事業所ごとの違いも比較しやすくなります。
- 週に何日くらい通えそうか
無理なく通える日数や時間帯を事前に考えておきましょう。 - どんな支援を受けたいか
生活リズム、職業訓練、応募書類、面接対策など、優先したい支援を整理します。 - 障害特性や配慮事項を相談できそうか
スタッフに相談しやすい雰囲気か、見学時に確認しておくと安心です。 - 希望する職種や働き方に合っているか
事務職、IT、軽作業など、就職実績や訓練内容が希望に近いか確認しましょう。 - 就職後の定着支援があるか
就職して終わりではなく、働き始めた後の相談体制も確認しておきたいポイントです。 - 交通費や昼食代などの負担を確認したか
利用料以外にかかる費用もあるため、通所前に確認しておきましょう。 - ほかの事業所と比較できているか
1社だけで決めず、できれば2〜3事業所を見学して比較するのがおすすめです。
上記のポイントを確認しておくと、就労移行支援が自分に合うか判断しやすくなります。事業所ごとの比較ポイントを詳しく知りたい方は、就労移行支援事業所の選び方と探し方も参考にしてください。
また、利用前に知っておきたいデメリットや失敗しやすいポイントを確認したい方は、就労移行支援の注意点をまとめた記事もあわせて確認しておくと安心です。
就労移行支援が向いている人・向いていない人に関するよくある質問
- 就労移行支援に向いている人はどんな人ですか?
-
就労移行支援は、すぐに就職するよりも、就職前に準備を整えたい人に向いています。
生活リズムを整えたい人、障害特性や配慮事項を整理したい人、応募書類や面接対策に不安がある人は、利用を検討しやすいでしょう。
- 就労移行支援に向いていない人はいますか?
-
すでに応募できる状態の人や、求人紹介だけを受けたい人は、就労移行支援以外の選択肢が合う場合があります。
転職エージェントやハローワークを利用した方が、就職活動を早く進めやすいケースもあります。
- 体調が安定していなくても就労移行支援は使えますか?
-
体調に不安がある場合でも、すぐに利用できないとは限りません。
ただし、通所が負担になる状態であれば、医療機関や自治体、支援機関に相談しながら判断することが大切です。状況によっては、リワークや自立訓練が合う場合もあります。
- 就労移行支援と転職エージェントはどちらを使うべきですか?
-
就職前の準備や訓練から始めたい人は就労移行支援、すぐに求人紹介や選考対策を受けたい人は転職エージェントが合う場合があります。
どちらか一方に決める必要はなく、状況によって併用を検討してもよいでしょう。
- 就労移行支援が合わないと感じたらどうすればいいですか?
-
就労移行支援が合わないと感じた場合は、すぐに辞める前にスタッフや自治体の窓口へ相談してみましょう。
事業所の変更、リワーク、自立訓練、就労継続支援A型・B型、転職エージェント、ハローワークなど別の選択肢もあります。
- 就労移行支援は見学だけでもできますか?
-
多くの就労移行支援事業所では、利用前に見学や相談を受け付けています。
支援内容や雰囲気、通いやすさ、就職実績、スタッフとの相性を確認するためにも、できれば2〜3事業所を比較してから判断するのがおすすめです。
自分に合う就労移行支援を選ぶには
就労移行支援は、就職前に生活リズムや働く準備を整えたい人に向いているサービスです。障害特性や配慮事項を整理したい人、応募書類や面接対策に不安がある人は、相談しながら就職を目指しやすくなります。
一方で、すぐに求人へ応募できる人や、求人紹介だけを受けたい人は、転職エージェントやハローワークの方が合う場合もあります。体調がまだ安定していない場合は、医療機関やリワーク、自立訓練なども選択肢に入れて考えましょう。
就労移行支援が合いそうか迷う場合は、次のような人に当てはまるか確認してみましょう。
- 就職前に生活リズムや働く準備を整えたい人
通所しながら、無理のないペースで一般就労を目指したい人に向いています。 - 障害特性や配慮事項を整理したい人
自分に必要な配慮や働き方を、スタッフに相談しながら整理できます。 - 応募書類や面接対策に不安がある人
履歴書・職務経歴書の作成や、面接での伝え方を相談しながら整理できます。
当てはまる項目が多い場合は、就労移行支援を前向きに検討してもよいでしょう。ただし、事業所によって支援内容や雰囲気は異なるため、複数を見学して比較することが大切です。
就労移行支援を選ぶときのポイント
事業所は2つ以上見学して決めよう
就労移行支援は、同じ制度でも事業所によってサポート内容や通いやすさが大きく異なります。実際に見学してみると、「思っていた雰囲気と違った」「自分には合わなそう」と感じるケースも珍しくありません。1か所だけでは比較できず、なんとなくで決めてしまいがちです。
2つ以上を見学すれば、支援の手厚さやスタッフの対応、通所者の雰囲気などを比べられます。結果として「ここなら続けられそう」と納得して選びやすくなりますよ。
障害のある方向け
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また、「もう働ける状態なのか判断がつかない…」と迷った場合は、障害者雇用に特化した転職エージェントに一度相談してみるのも有効です。就労移行支援を利用すべきか、いきなり就職を目指せる段階かを、客観的な視点で整理してもらえるため、自分に合った次の一手を選びやすくなります。


