「発達障害だと就職が難しい?」「就職ができない?」と気になりますよね。その特性により困難を抱えていることになりますが、どれくらい就職が難しいのでしょうか。
この記事では、発達障害の特性やデータから「就職が難しいと言われる理由」や「向いている仕事、就職活動のポイント」について網羅的に解説したものです。
本記事は、有料職業紹介事業許可(13-ユ-317587)を取得しているセオリーズ株式会社の編集部が、各社の公式情報・求人情報・公的資料等を確認したうえで作成しています。
発達障害だと就職はどれくらい難しいのか
発達障害があると就職は難しいと言われることが多いですが、具体的にどれくらい難しいのかを解説していきます。
発達障害のある方の就職実情①
発達障害を含む精神障害者の就職率は43.8%
厚生労働省の統計情報によると、発達障害を含む精神障害者の“申込後の就職率は43.8%”と、まだ就職は難しいという状況にあります。
下記グラフは、2011年から2022年までの精神障害者(発達障害含む)の「求人申込数」と「就職件数」及びこれらをもとに算出した「申込後の就職率」の推移です。

※厚生労働省のデータをもとに作成
このように、障害者雇用促進の流れを受けて、申込件数と就職件数は増えていますが、申込後の就職率は43.8%と高くはありません。(申し込んだうち56.2%は就職していない、ということです。)
コロナが明けて求人件数は増加
コロナの影響下によって大きく数を減らしていた「製造業」や「サービス業」「卸売業,小売業」といった求人数が、回復してきています。
発達障害のある方の就職実情②
民間企業で働く発達障害のある方は増加傾向
2018年に障害者雇用促進法が改正されて以降、民間企業が「精神障害者保健福祉手帳」の所有者の雇用を進めているので、民間企業で働く精神障害者(発達障害含む)の人数は伸び続けています。
<雇用されている精神障害者(発達含む)の推移>

※厚生労働省 令和5年障害者雇用状況の集計結果より編集部作成
※雇用義務のある民間企業(43.5人以上規模)における雇用人数
上記グラフのように、厚生労働省が公開している最新情報(2022年時点)を見ると、2018年の障害者雇用法改正以降、急激に増加していることがわかります。
障害者雇用促進法の改正に伴う変更点
①精神障害者が「障害者雇用義務」の対象に加わる
②精神障害者の短時間勤務(週20~30時間)の雇用率算定方法が「0.5→1.0」に変更
③民間企業の法定雇用率が「2.0%→2.2%」に変更
上記の変更(特に①②)に伴い、民間企業が精神障害者を雇用するメリットが増えたので、2018年を基点として障害者雇用がグッと加速する結果となりました。
発達障害のある方の就職実情③
発達障害のある方は長期定着しやすい(その分有利)
ちなみに発達障害のある方は、他の障害者(身体や精神、知的などの障害)と比べて、長期定着しやすい傾向にあります。実際に、1年後定着率“71.5%”と一番高いデータが発表されています。

同じ「精神障害者保険福祉手帳」を所有する精神障害者が“49.3%”であることを踏まえると大きく開いており、長期定着しやすい分、就職活動では有利になります。
精神障害(特に気分障害)よりは有利になりやすい
企業側は「長期就業してくれる方を採用したい」と考えているので、就労が安定しない精神障害者(特に、うつ病等の気分障害)よりは、発達障害のある方のほうが採用で有利になりやすいです。
実際、ASDの方は職場に馴染めさえすれば長続きしやすく、ADHDの方はトラブルを起こしやすいもののコミュニケーションには問題がありません。
実際、発達障害の方は、配慮や管理が行き届いた環境で適材適所な仕事にさえ出会えれば、十分活躍の見込みがあるんですよ。
発達障害のある方の就職実情④
法定雇用率は段階的に引き上げられる
法定雇用率とは、企業の従業員数に応じて、一定割合以上の障害者雇用を義務付けた制度のことです。基準を満たさない場合、納付金(罰則)が発生します。(厚生労働省)
2026年4月現在、法定雇用率は2.5%なので、従業員40人に対して1人以上の障害者雇用が必要です。今後も段階的に引き上げが予定されています。
- 1988年4月:1.6%
- 1998年7月:1.8%
- 2013年4月:2.0%
- 2018年4月:2.2%
- 2021年3月:2.3%
- 2024年4月:2.5%
- 2026年7月:2.7%(予定)
発達障害のある方の就職が難しい理由
ここでは発達障害のある方の就職が難しいとされる理由を解説していきます。もちろん一人ひとりのスキルや就業経験にもよりますが、概ね下記の通りです。
発達障害のある方の就職が難しい理由#1
障害が目に見えず配慮が難しいため
発達障害がある方の就職が難しいとされる理由1つ目は、目に見えない内面(認知や行動)に障害特性が出ているので、企業側として配慮が難しいためです。
特に、ASDやADHDにおける配慮は「コミュニケーションや人間関係」が中心となり、ケースバイケースで明確な正解がないので労力を要します。
さらに、他の障害を複数併発していることがある(例えばADHDとASD、そして二次障害としてうつ病など)ので、その場合、必要な配慮が複雑化しやすいのもあります。
「発達障害」という括りが大雑把すぎるんですよね。複数の特性を併発していたり、精神疾患が隠れていたり、と複雑なので。
もちろん同じ精神障害の中でも、原因なく無気力になる“うつ病”や、思考が支離滅裂な“統合失調症”ほどではありませんが、配慮内容がシンプルな身体・内部障害と比べると、難しいと言わざるを得ません。
発達障害のある方の就職が難しい理由#2
ノウハウや経験のある管理職が少ない
発達障害のある方の就職が難しいとされる理由2つ目は、発達障害者向けの対応ノウハウ、経験を持った管理職が単純に少ないからです。
実際、部下を採用する権限を持つ管理職からすると「コミュニケーションが取りやすく、職場に馴染んで活躍する可能性が高い求職者」を採用したいものです。
そのため、応募が集まる人気企業ほど、結果として、配慮内容がシンプルで職場に適応しやすい身体障害や内部障害者が採用されます。
発達障害のある方の就職が難しい理由#3
トラブルを起こすことが多いため
発達障害がある方の就職を難しくしている理由3つ目は、発達障害の中でもADHD(多動-衝動性)の傾向がある方が、職場でトラブルを起こしてしまうからです。
実際、部下が問題を起こすと上司である管理職が解決しなくてはなりません。コミュニケーション全般で気を遣う必要があり、やり取りにも時間を奪われ、心理的に疲弊します。「職場でトラブルを起こす部下は採用したくない」と考える管理職がいるのは自然です。
ADHD傾向のある人の中には、本人が納得できないことがあると強く反発することがあり、対応に苦労する場面もあるようです。
一度感情が高ぶってしまうと、会話がかみ合わなくなり、状況が落ち着くまでにかなりの時間を要する場合もあります。
発達障害のある方の就職が難しい理由:
ここまでのまとめ
障害者雇用促進法の改正以降、発達障害のある方の雇用は促進されつつありますが、それでもまだ就職が難しい状況であることには変わりません。
なにより発達障害の場合は、目に見えない症状であることから職場の配慮も十分ではないことが多く、就職できても短期離職につながるケースが珍しくないのです。経歴次第では転職活動が難航しやすいので、複数の転職エージェントに登録して求人紹介を受けることをおすすめします。
就職活動は一人で進めず、専門家と相談しながら進めてください。理由は、障害と仕事(環境や業務内容)の“相性”を慎重に見極める必要があるからです。客観的な立場で意見をくれるパートナーの存在は、心強い味方になります。
ここからは就職に向けたポイントについて、具体的に解説していきます。
発達障害のある方が就職活動を行うときのポイント
就職活動を行う場合は、下記のポイントを押さえて進めることをおすすめします。では順番に見ていきましょう。
就職活動を行うときのポイント①
自身の障害特性と必要な配慮を理解する
まずは、自身の障害特性と、職場環境に必要な配慮を理解して整理しておきましょう。
発達障害と一口にいってもASDやADHDなど、特性は人それぞれなので「自分が何を苦手としていて何をストレスに感じるか」は前もって整理しておく必要があります。(次章「発達障害の種類別|必要な配慮を検討しよう」で詳しく解説します。)
それこそ、手帳を取得必要がないくらい軽度であれば「民間企業の一般枠」で就労することもできます。
反対に、困難が大きく配慮が必要なら「障害者雇用枠」を狙うなり、就労移行支援や就労継続支援といった「福祉的就労」から段階的に慣れるなり、といった選択肢があります。
自分の得意・苦手や必要な配慮を一人で整理するのが難しい場合は、就労移行支援で自己理解や配慮事項を整理する方法もあります。就労移行支援が向いている人の特徴は、以下の記事で解説しています。
就職活動を行うときのポイント②
とにかく向いていない仕事を避ける
自身の障害特性と必要な配慮を理解したならば、向いていないであろう仕事は避けて、できるだけストレスがかからない仕事を探しましょう。
もちろん、興味がある“やりたい仕事”を選ぶのも悪いことではありませんが、障害を持っている方は「ストレスを回避すること」のほうが遥かに重要です。
例えば、曖昧なコミュニケーション全般を苦手とするASD(自閉症スペクトラム障害)であれば、顧客の意図を汲むことが求められる“営業職”や“コンサルタント”といった仕事は向いていません。
仮に憧れの職業だった場合、最初は楽しく感じるかもしれませんが、3ヶ月もすれば高揚感は薄れ、できないことばかりの現実に苦痛を感じるようになります。
就職活動を行うときのポイント③
無理はせずに段階的に慣らしていく
仕事を探すときは、無理のない就労形態からはじめるようにしてください。他の精神疾患と併発している場合や、長期間のブランクがある場合は「週あたりの勤務時間をどれくらいにするか」から医師と相談しましょう。
もし、民間企業への就職が不安な場合は、福祉的就労(就労継続支援B型A型や就労移行支援)で、障害や体調にあわせて自分のペースで、必要なスキルを習得することが可能です。

民間企業での就職に少しでも不安がある場合は、無理をせず、段階を踏んで慣れていくことをおすすめします。(例えばSTEP3.就労移行支援の利用から始める、など)
就労移行支援を利用する場合は、事業所ごとに支援内容や得意分野が異なります。自分の障害特性や目指したい働き方に合うか、見学時に比較しておきましょう。
確認したいポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。

どれにすべきか悩んだら、就労移行支援の大手であるウェルビーやココルポートに相談してみてください。資料請求すると翌日には電話が来るので、気軽に話を聞けます。
就職活動を行うときのポイント④
就職活動は一人で行わず、支援機関を活用する
発達障害は、認知や行動に障害特性が出ることがあるので、客観的な立場からアドバイスをくれて、障害者の転職事情に詳しい「支援機関」の力を借りることをおすすめします。
例えば、下記のような機関です。
どうしようか悩んだら発達障害者支援センターに相談してみてください。地域ごとのセンターの電話番号が記載しているので、すぐにつながります。
障害者雇用におすすめの転職サイト
まずは大手3社に登録し、比較しながら進めるのが基本です。
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発達障害の種類別|配慮と仕事の向き不向き
発達障害と一言でいっても障害内容によって職場に求められる合理的配慮は大きく異なります。そのため個別に検討するようにしましょう。
- ASD(自閉症スペクトラム障害)
コミュニケーションが苦手 特定のものや行動へのこだわりが強い 一部の感覚が過敏または鈍麻 - ADHD(注意欠如・多動性障害)
年齢に比べて落ち着きや注意力、集中力がない 感情のコントロールができない - LD(限局性学習障害)
特定の学習(読む、書く、計算)が苦手
- 障害の特徴
- 仕事をする上での困難
- 職場環境に求めたい合理的配慮
- 向いていない仕事
- 向いている仕事
上記内容はあくまで、より多くの人に当てはまるであろう“例”です。症状が複雑な発達障害の場合、人によって異なる部分が多いので、大枠だけ参考にしてください。
発達障害の種類:
ASD(自閉症スペクトラム障害)
ASDとは、コミュニケーション面で難を持つ障害です。一般の方からは「空気を読むことができない」「常識が通じない」と言われることが多いのではないでしょうか。
その病像は『スペクトラム(一定の幅)』と名称に付く通り、種類や重症度の点で非常に多彩です。
ASDの特徴
人によりますが、下記で紹介する特徴のいずれか(あるいは複数)を持つ場合が多いです。
- コミュニケーションが苦手
例:曖昧な表現を理解できない、相手の意図の推測が苦手
例:空気が読めない、意図を察することができない - 特定の事柄や行動に強いこだわりを持つ
例:何かを決めたら切り替えに時間がかかることがある
例:予定変更や例外対応が負担になりやすく、手順やルールのズレが気になりやすい - 一部の感覚が過敏または鈍麻
例:光(視覚)を強く感じやすい
例:温度(触覚)を強く感じやすい
このように、ASDの方は、曖昧さを汲んで理解することができなかったり(空気が読めない)、さらに“何か”に強いこだわりを持っていたりすることが特徴です。
そのため、職務においても数々の課題に直面することでしょう。いくつかその例をあげていきます。
ASDが仕事で直面する困難の例
- コミュニケーションが苦手
→上司の曖昧な指示を理解できない
→白黒はっきりしないとストレスになる - 特定の事柄や行動に強いこだわりを持つ
→予定にまったく融通がきかない
→ふと気になったことが頭から離れず、注意の切り替えが難しい - 一部の感覚が過敏
→部屋の明るさやブラインドにストレス(視覚)
→冷暖房の温度管理に強いストレス(触覚)
このように、業務指示の理解を難しく感じる方や、曖昧なコミュニケーションや予定変更に強いストレスを感じる方が多いです。
そのため、必要な配慮として「①明瞭なコミュニケーション」であったり「②当人が持つこだわりに合わせること」が職場に求められます。(人によって異なるので個別相談は必須です。)
ASDが職場に求めたい合理的配慮
基本的にASDの方の多くは、上司や同僚の曖昧なコミュニケーションにストレスを感じることが多いので、明瞭に言語化してもらう配慮が必要です。
- コミュニケーションが苦手
→明瞭なコミュニケーション
・指示は明瞭に言語化(文章で伝える)
・曖昧な表現はせずに、はっきりと伝える
例1. あれ、これ、といった指示代名詞は使わない
例2. 納期は1分1秒単位で伝え、幅を持たせない - 特定の事柄や行動に強いこだわりを持つ
→当人が持つこだわりに合わせること
・一度決めたことを変えず、計画通りに進行させる
・複数のことを同時に頼まない(シングルタスク中心) - 一部の感覚が過敏
→当人の過敏な感覚に配慮する
・席配置の調整(窓際を避ける)/ブラインド角度の調整(視覚)
・耳栓やイヤホンの使用(聴覚)
・冷暖房の温度を一定値に変更(触覚)
上記はあくまで一例ですが、ASDとして自覚している特性を認識した上で、ストレスなく働くために必要な“合理的配慮”の内容を整理することが重要です。
もし仮に「自分の取扱説明書」を作るとしたら1ページにまとめてください。内容は、①要望(してほしい配慮)と②その理由だけで大丈夫です。
ASDが向いていない仕事
ASDの方は、下記の特徴を持つ仕事は向いていません。障害特性との相性が悪いので、強いストレスを感じることになります。
- マルチタスクな仕事
- 顧客コミュニケーションがある仕事
- 変化が激しく柔軟な対応が必要な仕事
- ルールやノウハウが体系化されていない仕事
そのため、以下の仕事は避けてください。
- 営業職、コンサルタント
対人折衝・提案・変更対応が多く、負担になりやすい傾向 - コールセンター・オペレーター
臨機応変な対応やクレーム対応などマルチタスクになりやすい - 採用人事、秘書
社内外の調整・例外対応など、優先順位の頻繁な入れ替えが起こりやすい - 管理職、マネージャー
対人調整や臨機応変な対応が増え、切替負荷が上がりやすい
上記の仕事を避ければ、興味を持ったものに対して異常なほどの集中力を発揮する(過集中)場合があるので、求人を見ながら合う合わないを模索してみてください。
ASDが向いている仕事
おおむね以下の特徴のある仕事が向いている傾向にあります。
- 一人でコツコツとできる仕事
- ルールやマニュアルが明瞭な職種
- 変化が少なく柔軟性が求められない仕事
そのため、以下の仕事が向いている傾向にあります。
- ライター
とくに手順が明確な編集・校正・構成作成・マニュアル/技術文書など - エンジニア、プログラマー
とくに要件が明確なテスト(QA)/静的解析/保守運用の定型作業/データ処理/社内ツールなど - 経理、財務、法務、労務
とくにルールや期限が決まっておりチェックリスト運用・データ入力が多い業務 - デザイナー、設計
とくに設計やCAD、UIのルールベース設計など
ただ、得意不得意は人それぞれなので、全員に該当するわけではありません。自分ができること、興味があることに向き合うのが重要なので、あくまで参考程度にしてください。
発達障害の種類:
ADHD(注意欠陥・多動性障害)
ADHDとは、注意欠如や多動性といった行動特性がある障害です。一般の方からは「落ち着きがない」「感情的で子供っぽい」と言われることが多いのではないでしょうか。
ここ数年でよく名前を聞くようになりましたが、職場・上司側がADHDの特徴を理解して適切な距離を保てば、スムーズなコミュニケーションが可能になります。
ADHDの特徴
特徴は「不注意」「多動-衝動性」の2つです。
- 不注意
例:集中力がなく、気が散りやすい
例:細部への注意が抜けやすい、整理・段取りが苦手、忘れ物・紛失が多い - 多動-衝動性
例:感情コントロールしづらく落ち着きがない、順番待ちが苦手
例:衝動性が強く言い方がきつくなる、割り込む等が起きやすい
このように、集中力が持続しない“不注意”と、感情のブレーキが効かず落ち着きがない“多動-衝動性”の特徴を持つのがADHDです。
ADHDが仕事で直面する困難の例
飽きっぽくて続かないことから、“無責任と思われてしまう”場合もあれば、感情のブレーキが効きにくいので、“些細な不満からトラブルに発展する”場合もあります。
- 不注意
→小さなミスが多くなる
→タスク漏れが多くなる
→仕事を完遂できない、納期を守れない - 多動-衝動性
→冷静さを失い衝動的な決断をする
→感情を押さえられず強い口調になることがある
→衝動的発言から人間関係で衝突を起こしやすい
このように、ADHDの方は、“不注意”が強い方だと「最後までやり遂げることができない」ことが多く、“多動-衝動性”が強い方だと「人間関係で衝突を起こす」ことが多くなります。
ADHDが職場に求めたい合理的配慮
「不注意」は、注意が散ってしまう要因を減らせば軽減されます。一方で「多動-衝動性」は相手がいることでトラブルに発展するので「理解してもらい、一定の距離を保ってもらうこと」が重要です。
- 不注意
→仕事に集中できる環境を整える
例1. 机についたて設置して視線を遮る
例2. 耳栓やヘッドホンで外部音を遮断する
→ミスが起きにくい設計(チェックリスト、テンプレなど)
追加で別担当によるダブルチェックを徹底する - 多動-衝動性
→動いてよい時間を設ける等
例1.短い休憩を設ける
例2.立ち歩きOKの運用
→会議はアジェンダを事前共有
発言をルール化し挙手制や順番制にする
→注意やフィードバックは1対1で具体的に伝える
上記はあくまで一例ですが、ADHDとして自覚している特性を認識した上で、ストレスなく働くために必要な“合理的配慮”の内容を整理することが重要です。
衝動性が高いADHDの場合だと、つい感情で動いてしまって後から後悔することが多いものです。職場とトラブルにならないためにもまずは「理解してもらうこと」が重要ですね。
ADHDが向いていない仕事
ADHDの方は、下記の特徴を持つ仕事は向いていません。障害特性との相性が悪いので、強いストレスを感じることになります。
- マルチタスクな仕事
- ミスが許されない仕事
- 単純作業を繰り返す仕事
- チームプレイが求められる仕事
- 短期間で成果を確認できない仕事
そのため、以下の仕事は避けてください。
- バックオフィス系全般(経理、事務など)
締切・正確性・同時処理が重なると負荷になりやすい - 飲食、接客業、工場作業
臨機応変な対応やスピード対応で注意が散りやすい - コールセンター、オペレーター
臨機応変な対応やクレーム対応などマルチタスクになりやすい - 管理職、マネージャー
突発的な対応・調整・判断が連続し切替負荷が高い - 医師、看護師、弁護士等
高い正確性と緊急判断でミスの影響が大きい
上記の仕事を割けたうえで、自分が興味を持てて続けられそうな仕事を試してみてください。興味は人それぞれです。模索してみるようにしましょう。
ADHDが向いている仕事
それぞれの興味やスキルに大きく依存しますが、一般的には変化と創造性が求められ、短期間で結果が出る仕事が向いているとされています。
- 変化がある
- 自分の興味や創造性を追求できる
- やった施策の効果が短期間で実感できる
例えば、以下のような仕事です。
- 営業職/コンサルティング
単一商品の販売ではなく、クライアントの課題をヒアリングして柔軟に提案するコンサルティング色の強い営業職のほうが強みを発揮できます。R&D等の研究職に従事する方も多いですね。
ただ、資料作成・期限管理・調整が多いと不注意面が負担になるケースもあります。 - WEB系全般(企画、広告マーケ、クリエイティブ、デザイン等)
施策効果がすぐに確認できないSEOよりは、短期間でPDCAを回すことができるWEB広告やSNS、Youtubeなどの方が工程分割や中間指標を設定すると続けやすいですね。
また、一定のスキルがあれば、なにかしらの事業主(経営者やブロガー等)として活躍することも期待できます(実際、多いですよね)。
ただ、「ADHDだからこの仕事がいい」という捉え方は主語が大きすぎるので注意してください。例えるなら「男性だから力仕事が向いている」くらいのものなので、参考程度にとどめましょう。
発達障害の種類:
LD(限局性学習障害)
LD(限局性学習障害)とは、全般の知的発達に遅れはないものの、特定の学習能力(聞く、話す、読む、書く、計算する等)に困難が生じる障害です。
よくあるタイプとしては下記の3つがあります。
- 読字障害(ディスレクシア)
文字の“読解”に困難が生じる - 書字障害(ディスグラフィア)
文字を“書くこと”に困難が生じる - 算数障害(ディスカリキュリア)
“計算をすること”に困難が生じる
このように、知的能力障害がなく、適切な教育環境や教育歴と本人の努力や意欲があるにもかかわらず、特定の学習に困難が生じることが特徴です。
仕事だと、マニュアルやテキストを読むことができなかったり、耳から入ってくる情報の理解も困難が生じたりと、コミュニケーション全般で困難が生じやすい傾向にあります。



