うつ病の就職は難しい?就職できないと言われる理由と「成功へのポイント」を解説

うつ病をはじめとした気分障害だと就職が難しいと言われていますが、実際のところ、どれくらい難しいのでしょうか。

この記事ではうつ病の特性から『就職が難しいと言われる理由』や『向いている仕事』『就職活動のポイント』までご紹介します。

この記事のまとめ
  • 再発が懸念されるので厳しい
    うつ病を含めた精神障害の就職率は43.8%。定着率も低い。気分障害は、配慮が難しく、再発もしやすいので就職は簡単ではない。
  • エージェントを使わないと不利になる
    好条件企業だと応募がすぐ埋まるので、エージェントを使わないと出遅れる。大手で求人数の多いLITALICO仕事ナビdodaチャレンジあたりを活用しよう
目次
編集 セオリーズ編集部

本記事は、有料職業紹介事業許可(13-ユ-317587)を取得しているセオリーズ株式会社の編集部が、各社の公式情報・求人情報・公的資料等を確認したうえで作成しています。

うつ病を含めた精神障害の就職は難しい

うつ病を含む精神障害者の就職は「難しい」と言われており、現時点では申し込みをしたうちの43.8%しか就職できていない現状にあります

今後は改善されていく見通しではあるものの、うつ病があると転職活動は容易ではありません。データをもとに解説していきます。

精神障害がある方の就職実情①
うつ病含む精神障害者の申込後就職率は43.8%

厚生労働省の統計情報によると、発達障害を含む精神障害者の“申込後の就職率は43.8%”と、まだ就職は難しいという状況にあります。

下記グラフは、2011年から2022年までの精神障害者(発達障害含む)の「求人申込数」と「就職件数」及びこれらをもとに算出した「申込後の就職率」の推移です。

厚生労働省のデータをもとに作成

このように、障害者雇用促進の流れを受けて、申込件数と就職件数は増えていますが、申込後の就職率は43.8%と高くはありません。(申し込んだうち56.2%は就職していない、ということです。)

コロナが明けて求人件数は増加

コロナの影響下によって大きく数を減らしていた「製造業」や「サービス業」「卸売業,小売業」といった求人数が、回復してきています。

この手の作業系求人は「短い時間から始められる」仕事が多いので、うつ病の方でも受け入れられやすい傾向にあるので、回復してきたのは良いことですね。

コロナの影響を受けて雇用枠が減少していたものの、緩やかに改善しつつありますね。とはいえ依然として厳しいことには変わりません。

精神障害がある方の就職実情②
民間企業で働く精神障害者は増加傾向

しかし、2018年に障害者雇用促進法が改正(内容は後述)されて以降、民間企業で働く精神障害者(うつ病含む)の人数は伸び続けています。

厚生労働省 令和4年障害者雇用状況の集計結果より編集部作成
※雇用義務のある民間企業(43.5人以上規模)における雇用人数

上記グラフのように、厚生労働省が公開している最新情報(2022年時点)を見ると、2018年の障害者雇用法改正以降、急激に増加していることがわかります

障害者雇用促進法の改正に伴う変更点

①精神障害者が「障害者雇用義務」の対象に加わる
②精神障害者の短時間勤務(週20~30時間)の雇用率算定方法が「0.5→1.0」に変更
③民間企業の法定雇用率が「2.0%→2.2%」に変更

上記の変更(特に①②)に伴い、民間企業が精神障害者を雇用するメリットが増えたので、2018年を基点として障害者雇用がグッと加速する結果となりました。

このように、まだ精神障害者の就職は難しい現状にはありますが、いずれ長期的には改善していく見通しです。

実際に就職支援サービスを利用して転職していく精神障害者のうち、半分近くは「うつ病」の方なので安心してください。

精神障害がある方の就職実情③
法定雇用率は段階的に引き上げられる

法定雇用率とは、企業の従業員数に応じて、一定割合以上の障害者雇用を義務付けた制度のことです。基準を満たさない場合、納付金(罰則)が発生します。(厚生労働省

2026年4月現在、法定雇用率は2.5%なので、従業員40人に対して1人以上の障害者雇用が必要です。今後も段階的に引き上げが予定されています。

法定雇用率の推移
  • 1988年4月:1.6%
  • 1998年7月:1.8%
  • 2013年4月:2.0%
  • 2018年4月:2.2%
  • 2021年3月:2.3%
  • 2024年4月:2.5%
  • 2026年7月:2.7%(予定)

従業員数が多い企業ほど採用人数も増加するため、法定雇用率の引き上げに伴い大企業では数百人単位で採用が強化されています。

これからも継続して引き上げられていくので、うつ病、精神障害のある方でも、長期的には就職しやすくはなるはずです。

うつ病があると就職が難しい理由

ここではうつ病があると就職が難しいとされる理由を解説していきます。もちろん一人ひとりのスキルや就業経験にもよりますが、概ね下記の通りです。

うつ病があると就職が難しい理由#1
障害が目に見えず、配慮が難しいため

うつ病があると就職が難しいとされる理由1つ目は、症状が“精神”という曖昧で目に見えないところに出てしまうので「配慮がとても難しい」という点です。

  • 再発の恐れがある
  • 症状の判断ができない、わからない
  • ストレスを避けるために業務制限がかかる

さらに、コミュニケーション、人間関係におけるストレスを減らすような“環境調整”をおこなうことも求められますが、そう簡単にはいきません。

ある程度、薬でコントロールできるうつ病であれば就職しやすいですが、躁鬱であったり、発達障害や統合失調症を併発していたりすると、どうしても厳しくはなります。

うつ病があると就職が難しい理由#2
知識と経験のある管理職が少ないため

うつ病があると就職が難しいとされる理由2つ目は、うつ病がある方向けの対応ノウハウ、経験を持った管理職が単純に少ないからです。

  • どういった配慮が必要か
  • コミュニケーションの取り方
  • 具体的に任せる仕事内容の決め方

そのため、慣れていない管理職からすると「自身が理解できないかつコントロールできない理由で、仕事に支障が出てしまう求職者」をあえて採用したいとは思いません。

特に、うつ病がある方は、休職期間で職歴のブランクが長かったり、短期離職を繰り返していたりするので、なおさら敬遠されてしまいます。

うつ病があると就職が難しい理由#3
うつ病があると職場定着率が低いため

まず、精神障害者を対象にした統計でも、1年後まで続いている人は採用したうちの“49.3%”と圧倒的な低さです。(うつ病のみを対象にした統計はありませんが、なかでも職場定着率が低いとされているので、さらに低い数値ということになりますね)

出典:障害者職業総合センター 障害者の職場定着率

企業側は「長期就業してくれる方を採用したい」と考えているので、就労が安定しない精神障害者(特に、うつ病等の気分障害)は採用しにくいと言うのが本音です。

ちなみに、同じ「精神障害者保険福祉手帳」を所有する発達障害のある方が“71.5%”と高いことを踏まえると、長期定着しにくい分、就職活動では不利になります。

うつ病があると就職が難しい理由:
ここまでのまとめ

近年、うつ病を含む精神障害者の雇用は大きく改善しつつありますが、それでもまだ「就職は難しい」という状況であることには変わりません。

なによりうつ病は、症状が目に見えないので配慮しにくく、さらに配慮が意味を為さないこともあるので、就職しても短期離職につながるケースが多いのです。経歴次第では転職活動が難航しやすいので、複数の転職エージェントに登録して求人紹介を受けることをおすすめします

就職活動は一人で進めず、専門家と相談しながら進めてください。理由は、障害と仕事(環境や業務内容)の“相性”を慎重に見極める必要があるからです。客観的な立場で意見をくれるパートナーの存在は、心強い味方になります。

うつ病を含む精神障害のある方は、体調の波や職歴のブランクに理解があるサービスを選ぶことが大切です。精神障害向けの転職エージェントを比較したい方は、以下の記事も参考にしてください。

ここからは就職に向けたポイントについて、具体的に解説していきます。

うつ病がある方が就職活動を行うときのポイント

就職活動を行う場合は、下記のポイントを押さえて進めることをおすすめします。では順番に見ていきましょう。

就職活動を行うときのポイント①
仕事でストレスを感じる要因を分析しよう

うつ病を悪化させない(再発させない)ためには「あなたが仕事でなにをストレスに感じるのか」を知ることをおすすめします。ストレス要因は主に以下3つに分類されるので見ていきましょう。

  • 職場環境
  • 仕事内容
  • 人間関係

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ストレスを感じる要素を言語化したければ「ミイダス」のコンピテンシー診断(無料)がおすすめです。人間関係の適性や、向いている職業を知ることができますよ!

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仕事で感じるストレス要因を一人で整理するのが難しい場合は、就労移行支援で自己理解を深める方法もあります

自分に向いている働き方や、体調に合わせた配慮を整理したい方は、以下の記事も参考にしてください。

就職活動を行うときのポイント②
とにかく向いていない仕事を避ける

自身の障害特性と必要な配慮を理解したならば、向いていないであろう仕事は避けて、できるだけストレスがかからない仕事を探しましょう。

もちろん、興味がある“やりたい仕事”を選ぶのも悪いことではありませんが、精神障害者は「ストレスを回避すること」のほうが遥かに重要です。

仮に憧れの職業だった場合、最初は楽しく感じるかもしれませんが、3ヶ月もすれば高揚感は薄れ、できないことばかりの現実に苦痛を感じるようになります。

このように、障害の特性ごとで一定の得意不得意はあるので、自己分析と業界・企業研究をしたうえですり合わせを行いましょう。

就職活動を行うときのポイント③
無理はせずに段階的に慣らしていく

仕事を探すときは、無理のない就労形態からはじめるようにしてください。精神症状が安定していない場合や、長期間のブランクがある場合は「勤務時間をどれくらいにするか」から医師と相談しましょう。

もし、民間企業への就職が不安な場合は、福祉的就労(就労継続支援B型A型や就労移行支援)で、障害や体調にあわせて自分のペースで、必要なスキルを習得することが可能です。

民間企業での就職に少しでも不安がある場合は、無理をせず、段階を踏んで慣れていくことをおすすめします。(例えばSTEP3.就労移行支援の利用から始める、など)

就労移行支援を利用する場合は、事業所ごとに支援内容や得意分野が異なります。自分の障害特性や目指したい働き方に合うか、見学時に比較しておきましょう

確認したいポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。

どれにすべきか悩んだら、就労移行支援の大手であるウェルビーココルポートに相談してみてください。資料請求すると翌日には電話が来るので、気軽に話を聞けます。

就職活動を行うときのポイント④
就職活動は一人でせず、支援機関を活用する

精神障害者が長期定着するためには、正しい職場理解と繊細な配慮が必要なので、客観的な立場からアドバイスをくれて、障害者の仕事事情に詳しい「支援機関」の力を借りることをおすすめします。

悩んだら、地域障害者職業センターに相談してみてください。エリアごとに電話番号が記載されているので、すぐつながります。

うつ病向けの就職支援サービスは2種類ある

まず、うつ病がある方向けの就職支援・転職支援サービスは2種類あります。

うつ病向けの就職支援サービス
  • エージェント(すぐ働ける人向け)
    • 求人紹介と選考サポートが中心
    • 就労できる準備が整った方向け
  • 就労移行支援(リハビリが必要な人向け)
    • 就労に向けたトレーニングが中心
    • 体調が安定したら就職支援をしてくれる

使い分けとして、フルタイム勤務にまだ自信がないなら「就労移行支援」、すぐ働ける体調・モチベーションがあるなら「転職エージェント」を使いましょう。

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おすすめ転職エージェント

ここでは、うつ病のある方向けのおすすめ転職エージェントを紹介していきます。厳選するにあたって下記の観点で各サービスを比較し、ランキング化しました。

転職エージェントの比較ポイント
  • 比較1. 総求人数
  • 比較2. 利用者満足度
  • 比較3. 障害者支援の実績

まずは概要まとめ表をご覧ください。(詳しい選び方や比較表はこちら

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順位サービス名おすすめ度向いている人求人数エリア公式サイト解説記事

1位

LITALICO仕事ナビ

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アビリティスタッフィング
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2.8
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大手のリクルートが運営
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サーチコア
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2.8
事務職、ITエンジニア専門
年収やキャリアアップしたい人向け
150
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ウェブサーナ

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求人サイトなのでサポートはない
自分で求人を探したい人向け
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>>障害者手帳がなければ(別記事)

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おすすめ就労移行支援

ここではおすすめの就労移行支援事業所サービスを紹介していきます。下記の軸で比較して整理しました。

就労移行支援サービスの比較ポイント
  1. プログラム(障害や職種)
  2. 紹介される求人の質や量
  3. 就労移行支援の実績(就職率&継続率)

概要まとめ表を見てみましょう!

順位サービス名おすすめ度向いている人就職者数拠点数エリア公式サイト

1位

LITALICOワークス

4.9
拠点数と年間就職者数を重視する人向け
全国でバランス良く使える大手を探す人向け
累計13,000人以上
年間1,930人
120拠点全国公式を見る

2位

welbe

4.9
全国対応の大手を使いたい人向け
定着率重視で地方も含めて幅広く探したい人向け
累計7,310人以上
年間1,116人
112拠点全国公式を見る

3位

atGPジョブトレ

4.8
障害別コースで専門支援を受けたい人向け
事務職・IT職を目指す首都圏/関西圏の人向け
年間140人7拠点東京/神奈川
名古屋/大阪
公式を見る
4位
ココルポート

4.5
都市部で豊富なプログラムを重視したい人向け
精神障害を含め幅広い支援を受けたい人向け
累計4,105人以上
年間762人
74拠点全国公式を見る
5位
ミラトレ

4.4
大手企業の事務職を狙いたい人向け
パーソル系の実践型支援を受けたい人向け
非公開15拠点首都圏/愛知
関西
公式を見る
6位以下の就労移行支援を見る
順位サービス名おすすめ度向いている人就職者数拠点数
エリア
公式サイト
6位
エンカレッジ

4.3
発達障害向けの高実績支援を受けたい人向け
関西圏・東京で専門支援を受けたい人向け
年間71人6拠点
東京/大阪/京都
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7位
kaien

4.0
発達障害特化で訓練量を重視する人向け
首都圏・大阪で専門支援を受けたい人向け
累計2,614人
以上
22拠点
首都圏/大阪
公式を見る
8位
ディーキャリア

3.0
発達障害特化で地方も含めて探したい人向け
求人閲覧数や拠点数を重視する人向け
非公開94拠点
全国
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9位
アクセスジョブ

3.0
標準的な支援を近場で受けたい人向け
後発サービスでも拠点展開を重視する人向け
累計400人以上
年間110人
19拠点
都心部中心
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10位
manaby

2.0
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就労支援より学習比重を重視する人向け
非公開29拠点
都心部中心
公式を見る
11位
アビリティーズジャスコ

2.0
小売・販売・清掃系職種を目指す人向け
職種適合が明確な人なら候補になる
年間108人9拠点
首都圏/宮城
公式を見る

迷ったら大手の上位3社をおすすめします。利用者が多い“大手”ほど、プログラムの種類が充実しており、かつ紹介求人の種類も多いからです

それぞれの対応地域をみて「お住まいの地域にあること」を確認し、いくつかの事業所を見学して「雰囲気が合うか」を確かめられるとベストですね。

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