50代障害者の転職は難しい?転職できないと言われる理由と「成功へのポイント」を解説

50代障害者の転職は難しい?

障害者はその特性や症状により、様々な困難を抱えて生活しています。50代障害者だと転職は難しいと言われますが、なぜでしょうか。

この記事では、障害者の雇用統計などをもとに「50代障害者だと転職が難しい」と言われる理由、そして対策までを網羅的に解説していきます。

この記事のまとめ
  • 良い職場を狙う転職だと不利にはなる
    スキルよりも「職場に馴染めるか」が重視されるので、年齢が高いと不利になります。障害者雇用は枠が少ないので、転職も長期化しやすいです。
  • エージェントを使わないと不利になる
    好条件企業だと応募がすぐ埋まるので、エージェントを使わないと出遅れる。大手で求人数の多いLITALICO仕事ナビdodaチャレンジあたりを活用しよう
目次
編集 セオリーズ編集部

本記事は、有料職業紹介事業許可(13-ユ-317587)を取得しているセオリーズ株式会社の編集部が、各社の公式情報・求人情報・公的資料等を確認したうえで作成しています。

50代の障害者雇用の現状

身体障害であれば転職活動は十分可能ですが、転職活動そのものは年齢的に難航しやすい傾向にあります。

50代の障害者雇用の現状
  • 身体障害者の雇用率は50代が高い
  • 障害者の転職はまだ難しい

50代の障害者雇用の現状:
身体障害者は、50代の雇用者が多い

身体障害がある方の雇用率では、50代が最も高くなっています。以下の表は厚生労働省のデータを整理したものですが、身体障害者のうち、50~59歳の割合は合計32.1%で、約3人に1人を占めています。

右にスクロール可能です→

20-24歳25-29歳30-34歳35-39歳40-44歳45-49歳50-54歳55-59歳60-64歳65歳以上
身体障害2.5%3.8%4.7%7.8%6.3%11.8%15.8%16.3%13.0%17.4%
知的障害25.0%18.1%18.0%9.2%8.0%5.1%8.6%2.6%1.9%0.5%
精神障害9.5%15.1%13.4%12.2%12.3%12.1%15.7%5.8%2.6%0.8%
発達障害23.1%21.4%16.7%8.4%3.9%6.4%12.9%1.6%1.4%0.6%

出典:令和5年度障害者雇用実態調査結果報告書(厚生労働省)

身体障害者の雇用義務化がされたのは1976年以降と歴史があるので、身体障害者の雇用率は50代の方が最も高くなっています。(知的障害者は1998年から)

精神障害者が障害者雇用義務の対象に加わったのは2018年です。発達障害がある人も、精神障害者保健福祉手帳を所持している場合などは算定対象になります。

50代の障害者雇用の現状:
障害者の転職はまだ難しい

現時点では、就職申し込みをした人の41.4%しか就職していません。つまり、申し込んだ人の58.6%は就職していないということです。

障害者の新規就職率推移。2011年から2025年までの新規求職申込件数・就職件数・就職率のグラフ。申込件数は3年連続過去最高、就職率は41.4%

厚生労働省のデータをもとに作成

上記のグラフ推移を見ると、ここ10年で改善されつつはあるものの、だいたい40~45%あたりに落ち着いていることがわかります。

特に、人気企業ほど退職者が出ないので「転職したくても良い求人がない」というのもありますね。

50代障害者の転職が難しい理由

50代でも就職そのものはできるのですが、良い職場への“転職”だと、若い世代と比べて不利になるので、転職活動が長期化しやすいです。理由は下記の通り。

転職活動が長期化しやすい理由
  1. 障害者雇用枠が少ない
  2. 年齢が高いことは転職では不利
  3. 障害者雇用ではスキルは重視されない

実際、採用企業側が、転職エージェントに募集要項を伝えるときに「45歳まで」と、裏で制限をかけるところが多いです。それぞれ簡単に解説します。

50代障害者の転職が難しい理由①
障害者雇用枠が少ない

一般雇用と比べると、障害者雇用は枠が少ない「買い手市場」となっており、障害者を募集する求人が足りていないので、転職活動が難しくなります。

障害者向け求人が少ない理由
  1. 配慮が難しく定着率が低いため
    障害の種類が多岐に渡るので、体制を整えることは難しい。特に、障害が目に見えず就業が安定しない精神障害だと採用しにくい
  2. 知識と経験のある管理職が少ないため
    慣れていない管理職からすると「自身がコントロールできない理由で、仕事に支障が出てしまう求職者」を積極的に採用しにくい

法定雇用率は2026年7月から2.7%に引き上げられたため、長期的には改善が見込まれますが、まだ求人数が足りないことには変わりません

補足|法定雇用率とは

法定雇用率とは、企業の従業員数に応じて、一定割合以上の障害者雇用を義務付けた制度のことです。基準を満たさない場合、納付金(罰則)が発生します。(厚生労働省

2026年7月から、民間企業の法定雇用率は2.7%に引き上げられました。対象企業の目安も、常用労働者37.5人以上に広がっています。

法定雇用率の推移
  • 1988年4月:1.6%
  • 1998年7月:1.8%
  • 2013年4月:2.0%
  • 2018年4月:2.2%
  • 2021年3月:2.3%
  • 2024年4月:2.5%
  • 2026年7月:2.7%

従業員数が多い企業ほど採用人数も増加するため、法定雇用率の引き上げに伴い大企業では数百人単位で採用が強化されています。

50代障害者の転職が難しい理由②
年齢が高いことは転職では不利

ただでさえ障害者雇用枠が少ない上に「年齢が高いこと」は転職で不利になります。50代は20-40代に比べて難しい状況です。理由は下記の通り。

年齢が高くなると転職では不利な理由
  • 新しい環境や仕事に慣れにくいため
  • 体力低下や健康面への不安があるため
  • 年下の上司から見て、扱いに困るため
  • 定年までの年数が短いため

特に、障害者雇用だと「長期雇用が重要」になるので、50代後半となると「定年までの年数が短い」という意味で、かなり難しくなります。

そもそも転職市場に出てくるのは20〜40代の若い世代が中心です。より良い職場に転職しようとなると、彼らと戦わなくてはなりません。

50代障害者の転職が難しい理由③
障害者雇用ではスキルは重視されない

障害者雇用では、年齢が高いからこそのメリットである「スキルや経験」が評価されにくいことも、転職難易度を上げる要因になっています。

実際、障害者雇用枠のほとんどが事務や単純作業系なので「専門性が高いもの」は少なく、それほどスキルは重視されません。

もちろん、一部はスキルや経験が活かせる仕事はありますが、どうしても数は少なくなります。つまり、さらに「枠の奪い合いになる」ということです。

一般雇用であれば、これまでのキャリアで培ったスキルやコネクションが評価されて、50代でも転職できるケースはあるんですけどね…

50代障害者の転職が難しい理由:
ここまでのまとめ

近年、障害者の雇用は大きく改善しつつありますが、それでもまだ「50代障害者だと難しい」という状況です。(50代は障害者でなくても難しいです。)

さらに、期待されているスキルが高くはない障害者雇用枠だと、年齢を重ねることのメリットが少なく、企業側にも避けられやすいといった状況にあります。50代となると経歴次第では転職活動が難航しやすいので、複数の転職エージェントに登録して求人紹介を受けることをおすすめします

就職活動は一人で進めず、専門家と相談しながら進めてください。理由は、障害と仕事(環境や業務内容)の“相性”を慎重に見極める必要があるからです。客観的な立場で意見をくれるパートナーの存在は、心強い味方になります。

ここからは就職に向けたポイントについて、具体的に解説していきます。

50代障害者雇用での就職活動ポイント

就職活動を行う場合は、下記のポイントを押さえて進めることをおすすめします。それぞれ順番に解説していきます。

50代障害者雇用での就職活動ポイント①
自身の障害特性と必要な配慮を理解する

まずは、自身の障害特性と、職場環境に必要な配慮を理解して整理しておきましょう。

「障害がある」と一口にいっても、特性は人それぞれなので「自分が何を苦手としていて、何をストレスに感じるか」は前もって整理しておく必要があります。

それこそ、手帳を取得する必要がないくらい軽度であれば「民間企業の一般枠」で就労することもできます。

反対に、困難が大きく配慮が必要なら「障害者雇用枠」を狙うなり、就労移行支援や就労継続支援といった「福祉的就労」から段階的に慣れるなり、といった選択肢があります。

より良い職場を選ぶためにも、自己分析は必須です

50代障害者雇用での就職活動ポイント②
とにかく向いていない仕事を避ける

自身の障害特性と必要な配慮を理解したならば、向いていないであろう仕事は避けて、できるだけストレスがかからない仕事を探しましょう。

もちろん、興味がある“やりたい仕事”を選ぶのも悪いことではありませんが、障害者は「ストレスを回避すること」のほうが遥かに重要です。

仮に憧れの職業だった場合、最初は楽しく感じるかもしれませんが、3ヶ月もすれば高揚感は薄れ、できないことばかりの現実に苦痛を感じるようになります。

このように、障害の特性ごとで一定の得意不得意はあるので、自己分析と業界・企業研究をしたうえですり合わせを行いましょう。

50代障害者雇用での就職活動ポイント③
無理はせずに段階的に慣らしていく

仕事を探すときは、無理のない就労形態からはじめるようにしてください。精神症状が安定していない場合や、長期間のブランクがある場合は「勤務時間をどれくらいにするか」から医師と相談しましょう。

もし、一般企業への就職に不安がある場合は、就労移行支援で就職準備を進めたり、状況に応じて就労継続支援A型・B型を検討したりする方法があります。

民間企業での就職に少しでも不安がある場合は、無理をせず、段階を踏んで慣れていくことをおすすめします。(例えばSTEP3.就労移行支援の利用から始める、など)

どれにすべきか悩んだら、就労移行支援の大手であるウェルビーココルポートに相談してみてください。資料請求すると翌日には電話が来るので、気軽に話を聞けます。

50代障害者雇用での就職活動ポイント④
就職活動は一人でせず、支援機関を活用する

障害者が長期定着するためには、正しい職場理解と繊細な配慮が必要なので、客観的な立場からアドバイスをくれて、障害者の仕事事情に詳しい「支援機関」の力を借りることをおすすめします。

例えば、下記のような機関です。

悩んだら、地域障害者職業センターに相談してみてください。エリアごとに電話番号が記載されているので、すぐつながります。

50代の障害者雇用に関するよくある質問

50代でも障害者雇用枠で転職できますか?

50代でも転職は可能です。ただし、若い世代より求人の選択肢が少なく、活動が長期化する場合があります。経験を活かせる仕事を探し、複数の支援サービスを活用しましょう。

50代の障害者雇用ではどのような仕事がありますか?

事務補助、データ入力、軽作業、清掃などが代表的です。これまでの経験によっては、専門職や管理部門の求人も選べます。仕事内容と障害特性の相性を確認することが重要です。

50代で未経験の仕事にも応募できますか?

未経験可の求人であれば応募できます。ただし、50代では過去の経験や継続して働ける根拠も重視されます。未経験職だけに絞らず、経験を一部でも活かせる求人も探しましょう。

仕事のブランクが長くても転職できますか?

ブランクがあっても転職は可能です。面接では、離職期間の理由や現在の体調、働くために準備したことを説明しましょう。不安がある場合は、就労移行支援で段階的に慣らす方法もあります。

50代でも障害者雇用で正社員を目指せますか?

正社員求人への応募は可能ですが、契約社員やパートより求人数が少ない傾向があります。正社員だけに絞ると長期化する場合は、正社員登用制度のある求人も選択肢に入れましょう。

50代の転職ではどの支援サービスを利用すべきですか?

転職エージェント、ハローワーク、地域障害者職業センターなどを併用するのがおすすめです。紹介される求人や支援内容が異なるため、複数の窓口から情報を集めると選択肢が広がります。

障害者向けおすすめ転職エージェント

おすすめできる障害者向け転職エージェントを紹介していきます。いずれも無料で利用できて、いつでも退会できるので、気軽に相談してみてください。

転職エージェントの比較ポイント
  1. 障害者雇用の求人総数
  2. 利用者からの評判・口コミ
  3. 就職・転職支援の実績が豊富であること

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障害者向け転職エージェントを比較して選びたい方は、以下の記事も参考にしてください。


運営者情報

D-Navi転職ガイドは、セオリーズ株式会社が運営する、障害者雇用・転職・就労支援領域の情報メディアです。

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会社名セオリーズ株式会社
本社所在地〒106-0032
東京都港区六本木6丁目10番1号
六本木ヒルズ森タワー16階
許可届出番号有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-317587
特定募集情報等提供事業届出受理番号:51-募-001910
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