発達障害の特性が有効に作用すれば、エンジニアが適職となる可能性は十分ありますが、全ての方がエンジニアに向いているわけではありません。
特に、エンジニア職でも、PG(プログラマー)は向いている可能性がありますが、SE(システムエンジニア)は向いていない可能性があるので注意が必要です。
本記事では、発達障害がある方が向いているエンジニアと、向いていないエンジニアについて、そう言われる理由とともに詳しく解説していきます。
- SE(システムエンジニア)は向いていない
クライアントの要望・ニーズを汲んだシステム設計をして、PG(プログラマー)への指示出し、およびプロジェクトの進行管理をしていくことになるので、営業的側面や進行管理の業務が多くなる - PG(プログラマー)なら向いている
集中力を発揮しやすい環境で、自分のペースで仕事を進められるので、プログラミングに興味を持てれば向いている可能性はある。明確なゴールと規則的なルールがあり、一人作業が多いので、ストレスも少ない(チーム開発が一般的で、一定のコミュニケーションは発生する) - 適職かは大手の専門家に相談した方が良い
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本記事は、有料職業紹介事業許可(13-ユ-317587)を取得しているセオリーズ株式会社の編集部が、各社の公式情報・求人情報・公的資料等を確認したうえで作成しています。
発達障害に向いているエンジニアと向いていないエンジニア
エンジニアといっても大きく二種類あるので最初に説明しておきます。結論として、PG(プログラマー)は向いていますが、SE(システムエンジニア)は向いていない可能性があります。
- SE(システムエンジニア)
顧客の要望通りにシステムを設計して、全体の進行を管理する仕事
→向いていない可能性がある - PG(プログラマー)
設計通りにプログラミングする仕事
→向いている可能性がある
発達障害が向いていないエンジニア:
SE(システムエンジニア)は向いていない
まず、SE(システムエンジニア)は、プログラミングをすることはほとんどなく、要件整理・設計・調整の比重が高く、顧客対応や進行管理など営業的な役割が増えやすい職種です。
具体的には、クライアントの要望・ニーズを汲んだシステム設計をして、PG(プログラマー)への指示出し、およびプロジェクトの進行管理をしていくことになります。仕事柄、ヒアリング力や進行管理・マネジメント力が求められることから、発達障害がある方には向いていないとされています。
ただ、社内SEやプロダクト開発寄りのSEなど、外部顧客との折衝が相対的に少ないポジションもあります。仕事内容は企業や配属によって差があるため、職務範囲(顧客対応の有無、調整の頻度など)を事前に確認しておくと安心です。
発達障害だとプログラマーが向いている理由
エンジニアの中でも、PG(プログラマー)であれば、発達障害の特性に向いているので、その理由を解説していきます。
- 集中力を発揮しやすい環境がある
- ゴールが明確で、ルールに則った正解がある
- 時間をかけて自分のペースで進められる
- エラーが出ても何度でもやり直しができる
- 一人作業で人間関係のストレスが少ない
発達障害だとプログラマーが向いている理由①
集中力を発揮しやすい環境がある
プログラミングは、論理的な思考を駆使しながら細かいコードを組み立てていく頭脳労働なので、集中力を発揮しやすい環境が整えられています。
なにより、他の職種に比べて、他人と共同作業する時間が少なく、社内会議や商談が入ることもありません。シングルタスク中心なので、集中を阻害されにくいです。
- 正解に向けて物事を突き詰められる
- 論理思考や知的好奇心を活かしやすい
- 他人との共同作業が少ない
- シングルタスク(マルチタスクではない)
- 会議や商談予定が入らない
目の前の作業に没頭できる環境が用意されているので、興味を持てることに高い集中力を向けられる発達障害の特性と合っています。プログラミングに興味を持てれば、ぜひ適性を確認してみてください。
発達障害だとプログラマーが向いている理由②
ゴールが明確で、ルールに則った正解がある
プログラミングは、パズルや数式を組み立てることと同様に、規則的なルールの中で「明確なゴール」に向けて論理思考力を活かしながら試行錯誤する仕事です。
コードを書いて、うまく動作しなかったとしても、エラー箇所と内容が明確にフィードバックされます。さらに、昨今はchatGPTをはじめとする生成AIの発展で作業効率が上がっていることも追い風ですね。
- ゴール(成果物)が明確である
- ルールが明確で、合理的に作業を進められる
- エラーのフィードバックも明確にわかる
他の職種と異なり、発達障害のある方が苦手とする「曖昧なルールやコミュニケーション」がないので、作業上のストレスも減ります。
発達障害だとプログラマーが向いている理由③
時間をかけて自分のペースで進められる
プログラマーの仕事は、プロジェクトごとに期限はありますが、短期間で期限が設定されるものではないので、時間をかけて自分のリズムで進められます。
それこそ営業職のように、労働集約的に売上を直接あげる仕事ではないので、細かい行動目標(KPI)は設定されることはありません。
- 納期や細かい目標数値に追われない
- 会議が入らないので集中が持続しやすい
- 単純作業ではないので進め方は自分で決めやすい
頭脳労働なので、細かく進捗を管理(いわゆるマイクロマネジメント)できるものではなく、自分のペースで進めやすいです。
発達障害だとプログラマーが向いている理由④
エラーが出ても何度でもやり直しができる
プログラマーの仕事は、ミスが許容される環境で試行錯誤を繰り返す仕事なので、発達障害の特性としてミスをしやすい方にも向いています。
基本的には「コードを書いて、実行しては、エラーを修正する」という流れを繰り返すことになります。何度エラーになっても、やり直すことが可能です。
発達障害だとプログラマーが向いている理由⑤
一人作業で人間関係のストレスが少ない
プログラマーの仕事では、一人で集中して作業する時間が多くなり、人間関係のストレスがかかりにくい、というのも向いている理由の一つです。
さらに、個々で作業を行うことから、リモートワークを推進しやすく、自宅の空間で落ち着いて作業できれば、より精神的な安定にも繋がります。
近年は、エンジニアなら障害者雇用でもリモートワーク案件が多くなっているので、興味がある方は探してみてください。
発達障害でもプログラマーが向いていない可能性はある
発達障害のある方でも必ずプログラマーに向いているわけではありません。向いていない可能性があるケースは下記の通りです。
- 算数や論理的思考が苦手
- プログラミングに興味が持てない
- 職場環境そのものに困難に感じる
発達障害でもプログラマーが向いていないケース①
算数や論理的思考が苦手
プログラミングは、アルゴリズムやデータ構造の理解に、数学や論理的思考が必要なので、義務教育レベルの算数や数学に苦手意識のある方には、向いていません。
コードを理解するにもコードを書くにも時間がかかってしまうので、相当な気合いがない限り、プログラマーとして活躍することは難しくなってしまいます。
発達障害でもプログラマーが向いていないケース②
プログラミングに興味が持てない
興味が持てない場合、長時間のコーディングや問題解決の作業が苦になるので、お勧めはしません。持ち前の集中力も発揮できないので、もったいないです。
プログラミングが自分に合うか不安な場合は、就労移行支援のIT系訓練で試してみる方法もあります。事業所ごとにカリキュラムや支援内容が異なるため、選び方を確認したい方は以下の記事も参考にしてください。
発達障害でもプログラマーが向いていないケース③
職場環境そのものに困難に感じる
プログラマーという仕事内容そのものは合っていても、職場の環境次第では合わないケースがあるので、見極めるようにしましょう。
例えば、オープンスペースでの勤務や頻繁なミーティングがストレスになる場合です。環境が原因で集中力が低下することもあります。職場環境が自身の特性に合わない場合は、リモートワークができることを前提に探すと良いでしょう。
発達障害のある方がエンジニア職を目指す場合は、仕事内容だけでなく、職場環境や必要な配慮との相性を確認することが大切です。
発達障害向けの転職支援サービスを比較したい方は、以下の記事も参考にしてください。

発達障害の種類別|配慮と仕事の向き不向き
発達障害と一言でいっても障害内容によって職場に求められる合理的配慮は大きく異なります。そのため個別に検討するようにしましょう。
内容はあくまで、より多くの人に当てはまるであろう“例”です。症状が複雑な発達障害の場合、人によって異なる部分が多いので、大枠だけ参考にしてください。
発達障害の種類:
ASD(自閉症スペクトラム障害)
ASDとは、コミュニケーション面で難を持つ障害です。一般の方からは「空気を読むことができない」「常識が通じない」と言われることが多いのではないでしょうか。
その病像は『スペクトラム(一定の幅)』と名称に付く通り、種類や重症度の点で非常に多彩です。
ASDの特徴
人によりますが、下記で紹介する特徴のいずれか(あるいは複数)を持つ場合が多いです。
- コミュニケーションが苦手
例:曖昧な表現を理解できない、相手の意図の推測が苦手
例:空気が読めない、意図を察することができない - 特定の事柄や行動に強いこだわりを持つ
例:何かを決めたら切り替えに時間がかかることがある
例:予定変更や例外対応が負担になりやすく、手順やルールのズレが気になりやすい - 一部の感覚が過敏または鈍麻
例:光(視覚)を強く感じやすい
例:温度(触覚)を強く感じやすい
このように、ASDの方は、曖昧さを汲んで理解することができなかったり(空気が読めない)、さらに“何か”に強いこだわりを持っていたりすることが特徴です。
そのため、職務においても数々の課題に直面することでしょう。いくつかその例をあげていきます。
ASDが仕事で直面する困難の例
- コミュニケーションが苦手
→上司の曖昧な指示を理解できない
→白黒はっきりしないとストレスになる - 特定の事柄や行動に強いこだわりを持つ
→予定にまったく融通がきかない
→ふと気になったことが頭から離れず、注意の切り替えが難しい - 一部の感覚が過敏
→部屋の明るさやブラインドにストレス(視覚)
→冷暖房の温度管理に強いストレス(触覚)
このように、業務指示の理解を難しく感じる方や、曖昧なコミュニケーションや予定変更に強いストレスを感じる方が多いです。
そのため、必要な配慮として「①明瞭なコミュニケーション」であったり「②当人が持つこだわりに合わせること」が職場に求められます。(人によって異なるので個別相談は必須です。)
ASDが職場に求めたい合理的配慮
基本的にASDの方の多くは、上司や同僚の曖昧なコミュニケーションにストレスを感じることが多いので、明瞭に言語化してもらう配慮が必要です。
- コミュニケーションが苦手
→明瞭なコミュニケーション
・指示は明瞭に言語化(文章で伝える)
・曖昧な表現はせずに、はっきりと伝える
例1. あれ、これ、といった指示代名詞は使わない
例2. 納期は1分1秒単位で伝え、幅を持たせない - 特定の事柄や行動に強いこだわりを持つ
→当人が持つこだわりに合わせること
・一度決めたことを変えず、計画通りに進行させる
・複数のことを同時に頼まない(シングルタスク中心) - 一部の感覚が過敏
→当人の過敏な感覚に配慮する
・席配置の調整(窓際を避ける)/ブラインド角度の調整(視覚)
・耳栓やイヤホンの使用(聴覚)
・冷暖房の温度を一定値に変更(触覚)
上記はあくまで一例ですが、ASDとして自覚している特性を認識した上で、ストレスなく働くために必要な“合理的配慮”の内容を整理することが重要です。
ASDが向いていない仕事
ASDの方は、下記の特徴を持つ仕事は向いていません。障害特性との相性が悪いので、強いストレスを感じることになります。
- マルチタスクな仕事
- 顧客コミュニケーションがある仕事
- 変化が激しく柔軟な対応が必要な仕事
- ルールやノウハウが体系化されていない仕事
そのため、以下の仕事は避けてください。
- 営業職、コンサルタント
対人折衝・提案・変更対応が多く、負担になりやすい傾向 - コールセンター・オペレーター
臨機応変な対応やクレーム対応などマルチタスクになりやすい - 採用人事、秘書
社内外の調整・例外対応など、優先順位の頻繁な入れ替えが起こりやすい - 管理職、マネージャー
対人調整や臨機応変な対応が増え、切替負荷が上がりやすい
上記の仕事を避ければ、興味を持ったものに対して異常なほどの集中力を発揮する(過集中)場合があるので、求人を見ながら合う合わないを模索してみてください。
ASDが向いている仕事
おおむね以下の特徴のある仕事が向いている傾向にあります。
- 一人でコツコツとできる仕事
- ルールやマニュアルが明瞭な職種
- 変化が少なく柔軟性が求められない仕事
そのため、以下の仕事が向いている傾向にあります。
- ライター
とくに手順が明確な編集・校正・構成作成・マニュアル/技術文書など - エンジニア、プログラマー
とくに要件が明確なテスト(QA)/静的解析/保守運用の定型作業/データ処理/社内ツールなど - 経理、財務、法務、労務
とくにルールや期限が決まっておりチェックリスト運用・データ入力が多い業務 - デザイナー、設計
とくに設計やCAD、UIのルールベース設計など
ただ、得意不得意は人それぞれなので、全員に該当するわけではありません。自分ができること、興味があることに向き合うのが重要なので、あくまで参考程度にしてください。
発達障害の種類:
ADHD(注意欠陥・多動性障害)
ADHDとは、注意欠如や多動性といった行動特性がある障害です。一般の方からは「落ち着きがない」「感情的で子供っぽい」と言われることが多いのではないでしょうか。
ここ数年でよく名前を聞くようになりましたが、職場・上司側がADHDの特徴を理解して適切な距離を保てば、スムーズなコミュニケーションが可能になります。
ADHDの特徴
特徴は「不注意」「多動-衝動性」の2つです。
- 不注意
例:集中力がなく、気が散りやすい
例:細部への注意が抜けやすい、整理・段取りが苦手、忘れ物・紛失が多い - 多動-衝動性
例:感情コントロールしづらく落ち着きがない、順番待ちが苦手
例:衝動性が強く言い方がきつくなる、割り込む等が起きやすい
このように、集中力が持続しない“不注意”と、感情のブレーキが効かず落ち着きがない“多動-衝動性”の特徴を持つのがADHDです。
ADHDが仕事で直面する困難の例
飽きっぽくて続かないことから、“無責任と思われてしまう”場合もあれば、感情のブレーキが効きにくいので、“些細な不満からトラブルに発展する”場合もあります。
- 不注意
→小さなミスが多くなる
→タスク漏れが多くなる
→仕事を完遂できない、納期を守れない - 多動-衝動性
→冷静さを失い衝動的な決断をする
→感情を押さえられず強い口調になることがある
→衝動的発言から人間関係で衝突を起こしやすい
このように、ADHDの方は、“不注意”が強い方だと「最後までやり遂げることができない」ことが多く、“多動-衝動性”が強い方だと「人間関係で衝突を起こす」ことが多くなります。
ADHDが職場に求めたい合理的配慮
「不注意」は、注意が散ってしまう要因を減らせば軽減されます。一方で「多動-衝動性」は相手がいることでトラブルに発展するので「理解してもらい、一定の距離を保ってもらうこと」が重要です。
- 不注意
→仕事に集中できる環境を整える
例1. 机についたて設置して視線を遮る
例2. 耳栓やヘッドホンで外部音を遮断する
→ミスが起きにくい設計(チェックリスト、テンプレなど)
追加で別担当によるダブルチェックを徹底する - 多動-衝動性
→動いてよい時間を設ける等
例1.短い休憩を設ける
例2.立ち歩きOKの運用
→会議はアジェンダを事前共有
発言をルール化し挙手制や順番制にする
→注意やフィードバックは1対1で具体的に伝える
上記はあくまで一例ですが、ADHDとして自覚している特性を認識した上で、ストレスなく働くために必要な“合理的配慮”の内容を整理することが重要です。
ADHDが向いていない仕事
ADHDの方は、下記の特徴を持つ仕事は向いていません。障害特性との相性が悪いので、強いストレスを感じることになります。
- マルチタスクな仕事
- ミスが許されない仕事
- 単純作業を繰り返す仕事
- チームプレイが求められる仕事
- 短期間で成果を確認できない仕事
そのため、以下の仕事は避けてください。
- バックオフィス系全般(経理、事務など)
締切・正確性・同時処理が重なると負荷になりやすい - 飲食、接客業、工場作業
臨機応変な対応やスピード対応で注意が散りやすい - コールセンター、オペレーター
臨機応変な対応やクレーム対応などマルチタスクになりやすい - 管理職、マネージャー
突発的な対応・調整・判断が連続し切替負荷が高い - 医師、看護師、弁護士等
高い正確性と緊急判断でミスの影響が大きい
上記の仕事を割けたうえで、自分が興味を持てて続けられそうな仕事を試してみてください。興味は人それぞれです。模索してみるようにしましょう。
ADHDが向いている仕事
それぞれの興味やスキルに大きく依存しますが、一般的には変化と創造性が求められ、短期間で結果が出る仕事が向いているとされています。
- 変化がある
- 自分の興味や創造性を追求できる
- やった施策の効果が短期間で実感できる
例えば、以下のような仕事です。
- 営業職/コンサルティング
単一商品の販売ではなく、クライアントの課題をヒアリングして柔軟に提案するコンサルティング色の強い営業職のほうが強みを発揮できます。R&D等の研究職に従事する方も多いですね。
ただ、資料作成・期限管理・調整が多いと不注意面が負担になるケースもあります。 - WEB系全般(企画、広告マーケ、クリエイティブ、デザイン等)
施策効果がすぐに確認できないSEOよりは、短期間でPDCAを回すことができるWEB広告やSNS、Youtubeなどの方が工程分割や中間指標を設定すると続けやすいですね。
また、一定のスキルがあれば、なにかしらの事業主(経営者やブロガー等)として活躍することも期待できます(実際、多いですよね)。
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| 登録者数 | 累計180,000人以上 |
| 公式サイト | https://www.atgp.jp/ |
| 運営会社 | 株式会社ゼネラルパートナーズ 有料職業紹介許可番号:13-ユ-030101 |










